2006年5月30日

喉頭鏡素振りとエア挿管のビデオ(videopod)

日本麻酔科学会で発表する予定のビデオサイトのほんの一部です。テストのために掲載してみました。
「気管挿管手技の事前学習サイトの構築」という演題発表後、本格的にインターネットに公開します。
発表は6月1日14:40〜 第13会場です。

下のRSSアイコンをiTunesのPodcastにドラッグ&ドロップしてください。iTunesでみることができます。またビデオが見られるiPodに転送もできます。
(1)(腰をいれた)素振り
(2)エア挿管
が収録されています。

Podcastingで動画配信中♪

(1)素振りのまえに行う「喉頭鏡握り」も含まれています。喉頭鏡を握るだけで、口腔内挿入時の傾きができていて、そのまま前方(上方ではない)に出すというのが正しい「素振り」です。スミルノフ先生の素振りとはちょっと違いますガ、腰を入れるのは同じです。これが、私が教えている素振りです。1日100本を義務づけています。立ち位置にも注意してください。左足半歩前です。左手首は喉頭展開時には後ろに返りません(手首がまっすぐ伸びたまま、喉頭鏡は前方に動いていることに注目してください。)。

(2)ゆっくり行っているエア挿管です。マスクベンチレーションから気管挿管までのイメージです。正確に考えずに素早くポイントを押さえたエア挿管が得点が高いです。

2006年5月20日

研修後の若手医師、大学病院敬遠 脳神経外科も不人気

asahi.comの2006年5月20日付けの記事に「研修後の若手医師、大学病院敬遠 脳神経外科も不人気」というのが出ている。人気順に、形成外科、皮膚科、麻酔科、耳鼻科、精神科の順で人気がある。逆に、脳外科、外科、小児科、整形外科、産婦人科、救急科の順に人気がない。このデータは、当院で初期研修を今年の3月に終えた研修医の進路とも一致している。この記事では、初期研修医の制度の影響と断定しているが、初期研修の各科での研修内容にも差があるのではないかと思う。いかに、研修医に満足のいく研修場所を与えられるか、興味を持たせるかが問題であると思う。もちろん、その科の医師の将来の姿を見せると言うことを含めて...
(上記記事内の資料にリンク

2006年5月15日

初期研修修了一期生が語る 後輩へのアドバイス

週間医学界新聞第2682号 2006年5月15日に「初期研修修了一期生が語る 後輩へのアドバイス(下山祐人氏 )」が出ています.「症例数の多さであるとか,当直が多い(のが嬉しいのは最初だけでした!)とかを,研修病院の選択基準として考慮する場合は,数が単純に能力に反映するわけではないと知っておいたほうがいいでしょう。また,「足りないものは補える」ことも強調したいと思います。外部の勉強会を利用すれば,高名な先生のご意見を聞けたり,活発なdiscussionに参加できたりします。 (処遇も含め)研修内容に完璧な条件を備えた病院を探す必要はないのではないかと思います。与えられた環境の中で存分に力を発揮できるよう,professionalたろうとすることこそ重要です。 」という心境になれたことは立派だと思います.このことに気づかずに隣の芝生にあこがれている研修医を見かけます.

2006年5月 7日

女性麻酔科医の部屋

自治医科大学麻酔科のホームページとして「女性麻酔科医の部屋」というコンテンツが立ち上がっています.

喉頭鏡素振りとエア挿管の違い

喉頭鏡素振りとエア挿管の違いが気になっている方がおられると思うので,ちょっと解説します.喉頭鏡素振りはあくまでも喉頭鏡の操作方向をイメージして行う,気管挿管一連動作の一部分です.特に,喉頭鏡の挿入?喉頭展開までをイメージしたものです.それに対して,「エア挿管」は,立ち位置,ベット(患者の頭)と施行者の身体の向きの関係,開口,喉頭鏡の受け取り,喉頭鏡挿入,舌よけ,喉頭鏡引き上げ(特に持ち方,握り方と喉頭鏡の操作方向,下半身の体重移動),喉頭の目的場所の確認,施行者の頭や目の位置,気管挿管チューブの受け取り?持ち方,挿管チューブの挿入方法,(スタイレットの抜去タイミング),喉頭鏡の抜去,チューブの保持,カフの注入(指示),呼吸回路の接続,陽圧呼吸と呼吸の確認までの一連動作をあたかも実際に行っているかのように行うシミュレーションです.喉頭鏡素振りもエア挿管も道具を用いたイメージトレーニングとも言えます.エア挿管では喉頭鏡と気管挿管チューブ(スタイレット入り)を使います.

2006年5月 2日

気管挿管の方法と真の実力

気管挿管の際にもっとも大切なことは何だろうか?もちろん,確実に気管に入ることである.間違ったところに入っている場合にそれに気づいて,きちんと対応することである.では,気管挿管の方法や注意点はどうだろうか?救命士の気管挿管と麻酔科医の気管挿管は同じだろうか?救急現場の気管挿管と麻酔科医が行なう手術室での気管挿管は同じだろうか?それを考えることから,初期研修医の気管挿管実習は始まる.
まず,喉頭鏡を入れる際に開口するかしないか.
私も救急現場で気管挿管をする場合には,開口しないでいきなり喉頭鏡を入れることがほとんどである.状況にもよるが,口腔内に手を入れること自体が危ない(どういう場合かは考えてほしい).しかし,手術麻酔で気管挿管する場合には,口を開けてから喉頭鏡を入れることを常としている.どうしてか,状況が違う.日常の麻酔では,気管挿管の前には喉頭展開をしやすい状況を作っている(どうやって作るかは実際にみてください).この違いは何か?どちらが,確実に喉頭展開できるか?どちらが,合併症を避けた挿管を行えるか?
死にそうな患者さんと歩いてきた患者さん.どこまで,気管挿管を丁寧に遂行できるかが勝負の手術室予定患者さんと気管挿管ができなければ,始まらない救急処置との違いを本当にわかっているか?である.

もう一つ,考えなければならないのは,初心者がいきなり,口を開けずに気管挿管ができるか.教えるとすればいきなり口を開けない気管挿管を教えるかということである.それも手術室での症例に...
ここら辺の意図をくみ取ってほしいと思いますが,わからない研修医の方も多くいるようです.
それに対して,私の最近の初期研修医指導コースでは,十分な喉頭鏡の使い方の説明,喉頭鏡の握りと操作法(1日100本以上),さらには喉頭鏡の素振り(1日100本以上),クロスフィンガーのシミュレーション練習をこなしてはじめて,気管挿管の空中テスト(エアギターならぬエア挿管)を見て,合格ならば初めて実際の患者さんにやってもらうことにしております.また,合併症を起こさない意識をもてるような指導をしています.おかげで,悪魔の気管挿管は最初の1週間で行わなくなります.はじめから実際の患者さんにできる故ではありませんが,きちんと理解した方にはどんどんやってもらっています.

気管挿管ができるといった場合,入ればよいというのではなく,状況に応じた対応ができるようにトレーニングすべきです.開口せずに行うことができるというのと,開口せずに行わなければならないというのは同義ではありません.できるにもいろいろなレベルがあります.この意味が,理解できるような研修医を育てたいと思っています.
実技だけでなく考え方も鍛える,トレーニングをする必要があります.

天使の挿管と悪魔の挿管をよんでみてください.