2006年7月21日

麻酔科研修で得るもの

麻酔科初期研修で得られるものはなんだろうか。気管挿管手技、静脈ライン確保と答えるようでは、得るべきものの1割にも満たない。あくまでも、それは技術に過ぎない。一番見て欲しいのは「ものの考え方」である。「ものの見方」である。どのように問題点を捉え,どのように解決するかということである.診断をする,治療をするといった静的なものの見方ではなく,その時々の状態に対応できる動的なものの見方である.大物の先生ほど目の前のこと(一手先)だけでなく,何手も先を読んで行動する.ここを見て欲しい.

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2006年7月19日

K-Yゼリーとキシロカインゼリー

K-Yゼリーとキシロカインゼリーの違いをご存じだろうか?数年前から私の勤務している病院では、麻酔科の使用する潤滑剤はキシロカインゼリーからK-Yゼリーに変わっている。管理人が以前勤務していた病院でも、手術室からはキシロカインゼリーは数年前になくなりK-Yゼリーに変わっていた。潤滑剤としてK-Yゼリーとキシロカインゼリーを比べた場合、遜色ないのなら、わざわざキシロカイン入りのものを使う必要はない。だいたい、価格はK-Yゼリーの方が安い。K-Yゼリーは医薬品でないので薬剤部扱いではなくなる。
そもそも、キシロカインゼリーをラリンジアルマスクに塗ると嚥下機能が障害されるのではないかという疑問からK-Yゼリーへの見直しは始まった。気管挿管チューブのカフまたは先端にキシロカインゼリーを塗らなければならないんだろうか?何のために塗っていたのだろうと考えると、キシロカインゼリーである必然性はなくなった。

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2006年7月18日

気管挿管時の開口の流儀

今、なぜかネットで気管挿管時の開口の流儀が話題になっています。開口の流儀には、右手でクロスフィンガーを行う方法と右手を頭部後屈に使用する方法の2種類があるとスミルノフ先生が分類しておられます。
実際、msanuki.bizには開口の方法としてクロスフィンガーを紹介しています。ただ、クロスフィンガーの後に舌をしまいこむことが必要で、そのためには喉頭鏡を挿入する前にクロスフィンガーと反対の手(左手)で頭部を動かして上顎より下顎が上になるような形になるようにと指導しています。そのことを、スミルノフ先生は、喉頭鏡を挿入した後、右手で後屈を行っているように誤解しています。そうではなくて、「喉頭鏡を挿入する前に」行うと何度も先の日本麻酔科学会でも強調していました。喉頭鏡を入れてから右手で後屈を追加するのは下手な気管挿管(喉頭展開)です。喉頭鏡を挿入してから気管挿管チューブ挿入までに余計な時間がかかります。あくまでも、喉頭鏡挿入前に左手(クロスフィンガーと反対の手)で行ってください。
ツーアクションとなるのがダメだとか、格好悪いとかではなくて、きちんと喉頭鏡を挿入できるスペースを作る方法を覚えるべきです。クロスフィンガーだけでもうまくいく症例は多いのですが、きちんと喉頭鏡の挿入前に後屈を行えば、開口できるということも覚えるべきです。複数の方法を知っているべきですし、両方できて悪いということはありません。一番大切なのは、喉頭鏡操作に起因する合併症を起さないこと。歯を折った、唇や舌を切ったり腫らせた、気道狭窄、喉頭浮腫を起したなどということはもってのほかです。そのためには、喉頭鏡挿入前の仕事が大切で、そこをもっと教科書でも強調すべきだと思います。この手の研究はいろいろあって、どれも決定的であるとは思えません。いまだに、喉頭鏡を使用した喉頭展開時の研究は行われています。それが、喉頭展開の難しさを物語っています。

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