麻酔科医になろうよ!!

2007年09月28日

ヤブ医者の定義

ヤブ医者とは何だろうかと考えてみた.「できない医者」のこと?と考えてみたところで,ネットで調べた.知泉Wikiによると,”「薮」というのは当て字ではないか?と言う説が現在は有力で、もともとは『野巫:やぶ』だったらしい。この『野巫』とは「田舎者の巫女:みこ」の事を意味している。当時の日本では薬学もあまり発達していなかった為に、病気になった場合、巫女が祈祷をして治すと言う習慣がまだ残っていた。そこであまり上手に病気を治せない巫女は田舎者とされていて「下手な医者」のことを『野巫』というようになったらしい。”とのこと.そして最近では藪にもなれない医者を”筍(タケノコ)医者”と呼ぶらしい.
さて,その薮医者であるが,初期研修医は”薮医者”ということになるのだろうか.ということである.いつの時点で,できなければ"藪"と認定されるのだろう.たしかに,研修医でも医師免許を持っており,保険医なので患者さんの診療を行っている.特に,夜の救急外来などでは初診を見る施設もあるだろう.
...初期研修医はまだ修行中なので”藪”ではなく”筍”という説もある.後期研修医はどうであろうか.やはりできなければ”藪”かも知れない.しかし,まだ猶予期間である.
管理人の意見は,こうである.「専門医という資格があってもできなければ,藪である」.むしろ,専門医という資格にふさわしくない力量の持ち主が藪であると思う.今の専門医制度は,基本的に再試験がない.また,我が国には医師国家試験にも再試験がない.その医師の,その時点での力量を公平な目で判断するものは何もない.患者さんの風評のみである.薮といわれないように,実力を維持していくことが大切であると思う.

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2007年09月25日

指導医の進化

研修医も進化するが,指導医も進化する.同じ指導医に習ったとしても2年前と今とでは指導内容が違う.少しずつわかりやすいように指導法を変えているはずである.少なくとも管理人は,2年前とは指導内容が違う.相手にあわせて進化する必要がある.その指導が受けない場合は,ネタを変える.何度も同じ事を教えていると,指導する側も指導に変化をつけたくなるというのも真実である.
 キチンと勉強してくる研修医には教えられることが多い.勉強してくるから,疑問も湧いて質問が必ず出る.管理人は,その質問により良い答えができるよう心がけている.その心がけが,指導医を変化させるきっかけになる.

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2007年09月24日

上手なプレゼン,わかりやすいプレゼン,楽しいプレゼン

プレゼンの要素で最も大切なのは,聴衆をいかに楽しませるか(学会なら感心させるか)ということだと思う.もちろん,スライドの要素も大切だが,聴衆の反応を見てプレゼンをすすめることが大切である.プレゼンは対話であると思う.管理人が尊敬するジョブズの新型iMac紹介のプレゼンをごらんいただきたい.ここには勉強すべきプレゼンの心構えが満載である.ぜひ,このプレゼンから上手なプレゼンはわかりやすいプレゼンであり楽しいプレゼンであることをみてほしい.

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2007年09月20日

黒子のように動く?

今年の4月に大学病院に転勤してから,以前の病院の初期研修医とのモチベーションの違いを感じることが多くなった.管理人のポリシーは,研修医が大切なことに気づかない場合は,”黒子のように動いて”,患者さんに迷惑をかけないように何事もなかったかのようにすることである.前の病院にいた頃は,黒子のように動く頻度は少なかったのだが,今は頻繁である.明らかに違う.ここまでくると,殿様麻酔である.研修医の研修のために時間が流れていると感じることさえある.
愚痴を言っている故ではないが,もう少し,「麻酔科研修チェックノート」を読み込んできてほしい.麻酔科研修が始めるまでに,最低1回は読んでおいてほしい.

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2007年09月19日

デジタル文献整理術 第3版

克誠堂からデジタル文献整理術 第3版が9月18日に発売されました.EndNote WEBの使い方を追加して,バージョンX11までに対応しました.

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2007年09月18日

セボフルランとプロポフォールのディベート

昨日まで福岡で開催された日本心臓血管麻酔学会に行っていた.そこでの話.9月16日(日)のランチョンセミナーで,[ディベート]セボフルランorプロポフォールを聞いた.タイトルが変だと思った.セボフルランvsプロポフォールではなく,セボフルランorプロポフォール.ディプリバンではなくプロポフォール.この理由は共催を見て納得できた.共催はアボットジャパンと丸石製薬である.
それはさておき,そこでのプレゼンテーションの話である.内容は文献を引用しながら3つのテーマに対して6人(セボ3人,プロポフォール3人)でディベートするというもの.初めに,座長がセボとプロポフォールのプロフィールを簡単に説明した後,セボ側先行で始まった.座長のスライドは白がバックで,黒と赤字(強調)でオーソドックスな大学の講義によくあるスライドである.それは,座長としてはふさわしい形式であった.
その後,セボ側の鈴木先生(旭川医大)が,ヘタウマなイラスト(gifアニメーションか?)を配した,セボ色(黄色)を基調としたスライドで,NHKの週刊こどもニュース口調のプレゼンで会場を沸かせた後,プロポフォール側の松本先生(産業医大)が白を基調とした座長と同じ感じのスライドで,対抗した.ここまでは,内容を覚えているのだが,その後もなぜか皆,白を基調としたオーソドックスなスライド.どちらの陣営か判らなくなることもあり,単調な感じで眠くなってしまった.
スライドやプレゼンの口調は難しいと思った.もしできることなら,あらかじめセボ側のテンプレート,プロポフォール側のテンプレートを配布してそれに合わせてスライドを作成するなどの配慮があれば良かったのかな.また,ディベートであるならば,(少し芝居でも良いので)その雰囲気を演者が強く出した方が良かったのかもしれない.
このランチョンセミナーは,大入り満員であったことを考えるとちょっと悔やまれる.

ランチョンセミナーはお弁当が出るため,聴衆を集めやすい.また最近の麻酔科学会の傾向として,学術集会のプログラムよりおもしろい内容のものがあり,管理人はランチョンセミナーの内容に期待して学会を楽しむことが多い.変わった企画,有名な外人,違った視点からの演題に出席するようにしている.特にコマーシャルを度外視した,セミナーは興味を感じる.企業も演者や座長におんぶにだっこではなく,医師や研究者とは違った視点からの自ら斬新な企画を発案し依頼するなどの意気込みが欲しい.このコメントは決して,今回のランチョンセミナーを非難しているのではなく,管理人からのエールであると思って欲しい.

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2007年09月11日

レミフェンタニルの感触(200709)

最近,レミフェンタの使い方がすこしわかってきた.皆さんが困っていることに対して,管理人も困っていたが,これも少し解決しつつある.コツがわかったという感じだ.効能書きどおりにレミフェンタニルを使用しているうちは,どうも具合が悪かったのだが,工夫を重ねるうちになんとかなる様になってきた.コツはムキにならないこと.レミフェンタに頼りすぎないことである.

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2007年09月09日

ACLSヘルスケアプロバイダーコース(G2005)

先週に引き続いて,ACLSヘルスケアプロバイダーコース(G2005)を9/8-9/9と受講した.なんと,後になって気づいたが,本日は救急の日である(9月9日).それはさておき,感想を忘れないうちに書いておきたいと思う.
BLSとACLSの違いは”身体で覚える”割合かなと思った.先週のBLSでは,ほとんど頭は使わなかった.判断を要求される場面が少ない.ひたすら有効なCRPとAEDである.心電図も読む必要はなくAEDにお任せ.こちらは,前回も書いたがビリーのブートキャンプのノリで押していけば,受講生はついてくると思う.しばらくは...ある意味,やりやすい.
年齢を超えて,職種を超えて同じノリで大丈夫だと思う.
しかし,本日のACLSはちょっと頭も使う.decision makingの場面でも,時折,悩ましいことがある.院内のチームのリーダーであるので,多くの人に遅滞なく指示を出さなければならない.G2005でのおきまりの手順に従う必要があるので,G2005を覚えたての管理人にとっては,考えながらの指示だしになる.ちょっとぎこちない.これらの,アルゴリズムを完璧に何も考えなくても反射的にできるようになるには,すこし実務が必要だと感じた.機会があれば,何回かコースを見てみたい.
もう一つ,ACLSとBLSで参考になったのは,他人のチームリーダーぶりを見ながら何回も繰り返し勉強できるという点である.これで,けっこうイメージトレーニングができる.自分がリーダーをやっているときには気づかないことを,冷静に見ることができるので,自分の番では注意して行うことができる.繰り返し学習することの大切さが,1回のコースを受講しただけで身にしみてわかった.
そして,受講生もけっこーハードだがインストラクターはもっとハードだということもよくわかった.大変ありがとうございました.
さて,これだけでは読者が満足しないので,管理人がコース中に考えていたことを少し書きたいと思う.胸骨圧迫に使う筋肉(や関節)はどこかということである.ご存じのように胸骨圧迫(心マとはいわない)は100回/分のペースで行うのであるが,もうひとつ,押したら完全に戻さなければ次を押してはいけないのである.押すときは体重がかかっているので,きんにくはそれほど使わないが,戻すときが問題である.遅滞なくリズミカルに100回/分のペースで有効な胸骨圧迫を行うには戻すときに,筋力をつかうのである.リズミカルに行うには押した後に,戻すことが常に頭になければならないのである.これは,まさにスポーツのように使用すべき筋肉,鍛えるべき筋肉を論ずるべきであろう.かりに,うまく胸骨圧迫ができるようになった疲れにくいプロバイダーを.心マスター(心マ・マスター)とよび,要領よく心マを指導できるインストラクターを心マニア(心マ・マニア)とでも呼んだらおもしろいかもしれない.さて本題に戻ろう.胸骨圧迫の時に使う筋肉であるが,押すときはどこから曲げると楽かといえば股関節である,背骨,とくに腰椎を曲げるイメージを持つと腰を痛めてしまう.戻すときは,腕が肩胛骨からついていると認識すると,肩胛骨を動かして引き上げればよい.いかがであろうか.これが管理人が2週に渡って考えていた心マスターへの道である.

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2007年09月08日

第4回広島麻酔エキスパートセミナー

昨日,レミレンタニルの症例検討会という目的で第4回広島麻酔エキスパートセミナーが開催された.広島地区の麻酔科医65名が集まって大盛況だった.広島地区は全国でもレミフェンタが多く出ている地区なのだそうだ.そのなかで,ちょっと考えさせられる演題があった.レミフェンタの導入で術中の麻酔薬剤の消費量とコストはどうなったか?というもの.使い始めの調査なのでレミフェンタノ使用量が多いのは否めないが,平均の投与速度は0.2-0.25μg/kg/min,セボフルレンの併用症例ではコストは若干下がっているがセボフルレン自体のコストは低下せず.しかし,全体の使用比率は半分になっている.鎮静剤にプロポフォールの症例が増加傾向.症例内でのプロポフォールのコストは若干低下.フェンタニルは術後PCAで使用しているためそれほど,コスト的には下がっていない.レミフェンタノ分だけがコストとして上乗せになっているという感じである.
この中で,昨日につづきセボフルレンの件であるが,症例自体の濃度は少し下がっている.全体の使用量が下がっている要因は,セボフルレンの症例が減っていることによるものである.
これは仕方ない.以前はフェンタとプロポフォールを上手に使うことができなくてTIVAをあきらめていた麻酔科医が,レミフェンタ+プロポフォールでTIVAを始めたのが原因ではないかと思う.
セボフルレンの使用量は平均すると症例内では減っていないと書いたが,おそらくセボフルレンの症例は,てんかんの手術などでセボフルレンの濃度を高濃度で維持する症例が含まれていて,その影響が出ていると思う.要するに,通常のセボフルレン+レミフェンタの症例ではセボフルレンの維持濃度は大きく下がっているとも考えられる.というのが管理人のその演題に対する考察である.
レミフェンタの使用に関しては,もう少しなれた段階の調査では,もう少し低い維持で行っているのではなかろうか.ということで,この調査年次的な経緯を見るとおもしろいと思った.各施設で行うべき調査であると感じた.薬剤使用量と使用薬剤の調査は,自動麻酔記録の導入されているところでは簡単なので,もう少し詳細なデータが出るものと思う.全国レベルでの続報を期待したい.これはもしかすると,日本麻酔科学会がまとめるべき調査なのではないだろうか.

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2007年09月02日

BLSヘルスケアプロバイダーコース(G2005)

本日,AHAのBLSヘルスケアプロバイダーコース(G2005)を受講した.来週はACLSプロバイダーコースを受講する予定である.AHAのG2005を再履修する目的でうけてみた.以前,といっても5年も前にACLSプロバイダーコース(当然AHAではない)をうけていたのだが,最近,思うことがあって再履修する気になったのだ.DVDでデモを見せながら,一緒に実践するという形式で,まるでビリーのブートキャンプである.ちょっと違うのが,ビリーよりやっている内容が深刻だということ.DVDを見ながらグループでトレーニングを行うことに関しては,ビリーと同様の効果があるのではなかろうか.ビリーも,スタジオでいつも開催されれば続けられる人も多くなってくるのでは?と思った.ビリーの続けられないのは,自宅でできるのだが,チェックする人がいないところ.最近,ビリーのDVDを手に入れて自宅のDVDの前でTRYしようとしているのだが,見ているだけで満足してしまう.実際はやっていないのだが,やっている気になる,できた気になる.そんな効果があるように思われる.ノリはビリーほどでもないが,本日のBLSコースはビリーを,会場でそれもチェックするプログラムつきで行っている,実践プログラムであった.
そんなわけで管理人は,大変満足して帰ってきた.インストラクターの皆様に感謝します.医療系のプログラムで,久々に楽しかった(もちろんインストラクターやコース責任者のかたがたのしゃべりも大きく関与している).

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2007年08月31日

Fentanylの白ラベル

Fentanylのラベルが2007年7月中旬出荷分から変更になっているようである.

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2007年08月30日

お金の取れる麻酔...つづき

昨日のつづきである.
タイミングよく,お金の取れる麻酔を実践している様子を描いた記事が出ている.「膝関節鏡と大腿神経ブロック(電脳麻酔ブログ)」である.管理人の目指している「お金の取れる麻酔」そのものである.患者だけではない,外科医からもリクエストがもらえる麻酔である.
皮肉なことに「お金の取れる麻酔」は,実際には「お金を稼げる麻酔」ではない(意味が違う).「お金をいただいても,はずかしくない麻酔」である.これを実践するには,日頃からの勉強とスキルの維持・向上が必須である.さらに,常に新しいことに挑戦する勇気も必要である.新しいことというと,JK大学泌尿器科の内視鏡手術を想像するかも知れないが,そんなできそうもないことでなく,実力に見合った範囲内での新しいことである.

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2007年08月29日

お金の取れる麻酔

むかし,先輩の先生から「お金の取れる麻酔ができる麻酔科医になれ」と言われた.最近,このことを思い出したので,ここに書いてみる.
管理人が研修医の頃,大学病院から市中病院に出向になった.そこで,今はすでに亡くなられた先輩に,「気管挿管ができるだけの医者はいらない!」といわれた.まさにその通りだと思った.決して,管理人が気管挿管のできる医者を目指していたわけではないのだが,その言葉を聞いて「これだ」と思った.要するに,専門性である.専門性をもてということ.気管挿管ができるというのは,べつにたいしたことではない.判断ができるようになることが大切である.どういう状況で,どういう患者にということの方が大切である.手技をマスターするということのみに終始してはいけない.その判断ができるようになり,特殊な手技を上手にできるようになることが本当に,気管挿管をしてお金の取れる医者ということ.
気管挿管をしてくれと依頼されて,ただ気管挿管ができるだけというのはあまりに寂しい.気管挿管の周囲にあることを多く学んで,それをできるようになるという過程が大切.その周囲にあることを深く掘り下げることが,専門性(専門医としての道)につながる.
できるとかできないとかといったことだけを考えているうちは,到底,専門性はもてない.何科であっても意味は同じであろう.
これを,麻酔という行為に当てはめてみると,全身麻酔を依頼されて全身麻酔を行うことができる.というレベルを維持するだけではいけない.同じ患者に,どのように麻酔を行えば,合併症がなく快適で満足のできるレベルの麻酔を提供できるかが大切.この満足できるというのは,時代やここの患者により異なるのである.ここまででよい,と勝手に自分で決めつけないようにしたい.
これが,「お金の取れる麻酔」であると思う.昔,麻酔を習ったので麻酔ができると思っているかた.今の麻酔ができるだろうか?このことは,自分自身でも考えて続ける必要があることだと思っている.

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2007年08月22日

「英辞郎 on the Web」にスペルチェック機能

スペースアルクでは,無料のオンライン英和・和英辞書「英辞郎 on the Web」にスペルチェック機能やand検索機能などを追加し、β版として公開している.ぜひつかってみてください.

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2007年08月17日

PCの日本語入力

最近は,医療情報システムに日本語入力する機会が多いが,きちんと日本語入力ができない医師や看護師がいる.かな漢字変換の仕方が我流である.システム端末の使い方は教えてもらったことはあると思う.しかし,日本語入力の仕方は教えてもらっていないのではなかろうか.そこで,そんな心配のある諸氏に本日は日本語変換のポイントを紹介したサイトを紹介したい.こっそり勉強してほしい.
■あなたの日本語入力は間違いだらけ
 快適!日本語入力(1)IME、ATOKの便利な使い方
 快適!日本語入力(2)間違いに慌てるな!入力・変換テクニック 
 快適!日本語入力(3)辞書の精度を下げない変換のコツ
いづれも,日経PCオンラインからです.

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2007年08月13日

麻酔科関連のリソースのまとめ

麻酔科関連のリソースのまとめを「麻酔科医のお勉強~さぬちゃんのリソース集」に掲載しているのですが,このサイト意外に知られていないようです.
宣伝のために,ここに再掲します.どうぞよろしくお願いします.
Link集も近々,リニューアルする予定です.

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2007年08月04日

麻酔科後期研修向けの書籍

ある出版社から来春発売(?)を目標に,麻酔科後期研修医向けの指南書を書いています(対象は麻酔科研修チェックノート程度は理解している人々).もの足らないと感じている初期研修医にも対応します.

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2007年07月25日

麻酔科後期研修説明会2007リベンジ 改...ビール会

台風の影響で中止になった広島大学病院麻酔科後期研修説明会2007が再度行われます.こちらは,8月下旬を予定しています.
これとは別に,ビール会を予定しています.初期研修医の先生も大歓迎です.麻酔科に興味のある方も歓迎します.
とき:2007/8/3(金) 19:30から(途中からの参加も大歓迎です)
ところ:焼き鳥すずき(広島市南区段原)
貸し切りです.
ここは,先日話題になった広島麻酔エキスパートセミナーの補習で話題になった焼鳥屋です.説明会ではなく、飲みたい人はお集まりください。というノリです。
管理人も参加します.
URL:http://www.sempuku.co.jp/sagaseru/shop/shop_hiroshi/minami/minami_17.htm

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2007年06月09日

日経メディカル2007年6月号広告

日経メディカル2007年6月号のp.122に管理人が出演している「頭で理解し身体で覚える 気管挿管トレーニングDVD」の全面広告が出ている.なんだか,こんなに大きく宣伝されるとちょっと照れくさい.でも,見てほしい.複雑な気持ちだ.
「患者に負担の少ない,効率的な気管挿管を実践するために・・・ 達人が自主トレメニューを大公開!」なんて,うまく表現している.初期研修医や救急救命士だけでなく,これまで気管挿管をしたことはあるが,なんとなくこれでいいんだろうかなんて思っている上級医なんかにも見てほしい.こんなトレーニング法があったのかなんて,感心すること請け合いです.
http://medical.nikkeibp.co.jp/calian/

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2007年06月03日

エコーガイド下神経ブロックの本

「超音波ガイド下区域麻酔法」DVD付きが克誠堂から出版された.この書籍,本は大きくて白黒でじっくり勉強するための本というイメージである.以前に発売された「超音波ガイド下神経ブロック法ポケットマニュアル 」(克誠堂)は手術室に持ってはいるような雰囲気であったのに対して今度のは対照的である.
「超音波ガイド下区域麻酔法」DVD付きの良さはなんといっても付属しているDVDで動画が見られることである.こんな本は世界中探してもないだろう.日本語で超音波ガイド下神経ブロックの動画が解説付きでみられるなんて,すごいことだと思う.すばらしい!
超音波ガイドで神経ブロックを目指している方々,すべてにオススメである.買って損はない.

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2007年05月31日

AIRTRAQ

本日から札幌で日本麻酔科学会第54回学術大会が開催されている。管理人も、参加中。AIRWAYスコープの対抗機種、AIRTRAQが展示されている。もうすぐ日本でもMERAが販売するそうである。価格は本体が¥11,000(ディスポーザブル)、カメラが約\120,000(定価)だそうである。カメラがなくても本体だけでも気管挿管が可能なのがよい。AIRWAYスコープは約80万円なので、対抗機種にはならず、AIRTRAQの方がずいぶん安価である。操作性は、AIRWAYスコープの方が慣れているせいか簡単に感じた。AIRTRAQは操作性がいまいちの様な印象だが、ちょっと扱ってみた限りでは合格範囲内である。これなら外勤先の病院に、買ってと言ってもお願いしやすい。

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2007年05月30日

プレゼンのスライド

プレゼンのスライドについて有用なアドバイスが、電脳麻酔ブログに出ている。「最後の仕上げ」である。準備したスライドから一枚だけ省略することを考えてみよう。というもの。この一枚を減らすという作業ができるようになれば、もうプレゼンの達人は目の前である。時間配分に気をつけてプレゼンができるようになっている。この減らすという作業は、大切なアドバイスである。管理人ももう一度プレゼンファイルを見直して減らす努力をしてみる。

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2007年05月20日

アイ~ン

気道確保の時に下顎を前方に突き出す動作を,ある先生は「アイ~ン」と表現する.本日,ある麻酔看護セミナーでこの表現を聞いたとき,管理人はおかしくて笑いをこらえるのに苦労していたのだが,看護師さんには全然うけない.なぜなんだろう?志村けんのバカ殿様を知らない?と一瞬考えたのですが,そんなわけはない.やはり,「アイ~ン」の動作の意味がわかっていないのではなかろうか?管理人は「アイ~ン」と同様の動作をゴリラのようにとかオランウータンのようにとか表現することがある.(ゴリラさんとオランウータンさんごめんなさい.)それよりも,あの「アイ~ン」の方がぴったりする.下顎をつきだして下の歯が見える様子などは,まさに「アイ~ン」そのものである.この「アイ~ン」がわからない人は,おとがい挙上(スニッフィング)の意味がわかっていないのではなかろうか?

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2007年05月14日

話し方のトレーニングができるDS用ソフト

なんと,話し方のトレーニングができるDS用ソフト『ビズ能力DSシリーズ 話心の素』がコクヨから7月26日に発売される.すごい,時代になったものだ.”ゲーム機で,トレーニング”である.スポーツのトレーニングではなくビジネスの基本を鍛えるトレーニング.プレゼンや人との対応能力を磨くために役立つに違いない.

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2007年05月12日

PDAや携帯でPubmed

英文文献の検索にPubmedを利用することは日常になっていると思いますが,モバイルpubmedはいかがでしょうか.手元にあいているPC端末がないときにちょっと検索できます.PalmWindowsMobilePubmedを検索できるものが出ています.ご存じでしょうか.ソフトウェアをインストールするものとWEBブラウザの表示をモバイル用に変更してあるものがあり後者では機種に関係なく使用できます.PalmやWindowsMobileでない,たとえば管理人のようなnokia E61などのシンビアンOSでも後者が使えます.表示したホームページの右上の方法です.

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2007年05月09日

プロフェッショナルとオタク

先日、麻酔科を回ってきた医学生の人たちと話をしていて、オタクとプロフェッショナルの違いが話題になった。非常に専門的な話になると「オタク的な話」として、目が輝いてきて聞き流しモードになる。ありふれた話をすると、眠たそうな目になってしまう。管理人は、「オタク」という言葉よりむしろ「プロフェッショナル」が好きである。たしかに、独自性のある場合には「オタク」度は高いが、本当の意味では「オタク」ではない。仕事として認められているならば「プロフェッショナル」が正しい。Wikipediaでオタクを引いてみると”「広義のおたく」では「社会一般からは価値を理解しがたいサブカルチャーに没頭しコミュニケーション能力に劣る人」というネガティブな見解から「特定の事物に強い関心と深い知識を持つ一種のエキスパート」であるといった肯定的な主張まで、オタクの意味するところは人により大きく異なり定っておらず論争も多い。”との解説もあり、広義の意味で肯定的な用法とすれば、「プロフェッショナル」を「オタク」呼んでもまんざら間違いではない。
話が脱線したが、医学生を相手に解説するとき、ありきたりの話ではなく、すこし込み入った話を易しく解説することでずいぶんコミュニケーションがとれるようになる。いわゆる「お勉強」とは違った雰囲気を出すと、効果的である。医学生や初期研修医の相手が嫌いな(苦手な)先生は、相手を自分の土俵に引き込んではどうだろうか。

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2007年05月03日

ダブルキセルと上乗せオピオイド

電脳麻酔ブログに「キセルとチャンポン」が紹介されている。キセル麻酔はおなじみだが、チャンポン麻酔とはいかなるものか。電脳麻酔ブログによると、アルチバで鎮痛のそこあげをしておいて、フェンタニルを適宜追加していく方法を指すらしい。アルチバを笑気のような感覚でベースに流しておき、その上に使い慣れたフェンタを追加するというもの。強い侵襲が加わったときにはアルチバのボーラスで対応しておきフェンタも追加する。じつは、この方法は管理人も最近、愛用している方法でアルチバの使用量を減らすメリットと覚醒時のシバリングがおきないメリットがあると考えている。フェンタ使いの管理人には非常にやりやすい方法である。こちらでは「上乗せ(うわのせ)オピオイド」と呼んでいるものである。アルチバの最後の乗り換えを麻酔のはじめから行っている感覚である。
もう一つ、最近行っている方法は、「ダブルキセル」である。オピオイド(鎮痛薬)のキセルはもちろんだが、鎮静薬のキセルも行う。このことをダブるキセルと呼ぶ。フェンタ-アルチバーフェンタのキセルと、プロポフォールーセボフルレンープロポフォールである。鎮痛薬の方は、コストは度外視、鎮痛薬の方はプロポフォールの消費量を減らすためセボフルレン(2L/min中流量)を併用する。まあそこまでこだわらなくてもよいが、手術が長くても少々肝機能が悪くてもプロポフォールを500mg以内(導入時に用意したTCI用の50mlを1本)で終わらせるので覚醒が遅くなる心配は少ないし、無駄がない(ゼネカさんごめんなさい)。
最近は、ダブルキセルのオピオイドを上乗せ麻酔としているのでもっとお安い。学術的な意味づけはこれからであるが、アルチバの乗り換えの一つの方法として「上乗せオピオイド」はお手軽で先に書いたようなメリットが期待できると考えている。いかがだろうか。

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2007年04月30日

アルチバの血中濃度予測

アルチバ(レミフェンタニル)のコントロールにはTCIは必要ないという意見が多い。ただし、血中濃度がどれくらいになるかを知っていればの話である。麻酔電脳ブログでもかかれているのだが、
投与速度(μg/kg/min)の数字×25が平衡になった時の血中濃度(ng/ml)になると覚えておけばよい。
0.2μg/kg/minで投与するなら5ng/mlになるということである。もう少しいうと、μg/kg/min計算はアルチバを100μg/mlに希釈(2mgを20ml、5mgなら50mlに希釈)する場合、0.1μg/kg/min ⇒ 0.06×体重(kg) ml/hrである。50kgの場合3ml/hrで投与すれば0.1μg/kg/minである。0.5μg/kg/minなら 15ml/hrである。

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2007年04月13日

麻酔科研修チェックノートの初版

麻酔科研修チェックノートの改訂第2版が出版されました。それに伴って、初版は売られなくなっていますが、Amazonではすでに値段が上がっています。コレクターにとっては、旧版は価値があるものなのでしょう。値段が高いです。

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2007年04月12日

pkBOX

AP通信に国立循環器病センター麻酔科の内田先生が開発されたpkBOXが出ています。これは、シリンジポンプから通信でデータをもらい、予測の血中濃度やeffect siteの濃度を表示するものです。製作にはケースの工作や数百カ所のハンダ付が必要になります。管理人は、今度の日本麻酔科学会でpkBOXの工作とその注意点について一般演題で発表の予定です。現在、内田先生の製作されたオリジナルのpkBOXが5台、管理人の製作したpkBOXが2台で計7台が世の中に存在しています。
ちなみに、AP通信のものは手で持っていますが、管理人のは点滴台にマウントできるように、シリンジポンプの余った架台を使って工作しています。

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2007年04月03日

病院にスタバ

4月から職場が変わった。なんと病院内にスタバができていた。麻酔科外来と同じ階にあって50mも離れていない。夕方スタバの前を通りかかると、事務系の人たちが数人並んでいた。ついつい管理人も並んでしまった。対応は、通常のスタバとおなじで、伝達方法も一緒だ。すごい。マニュアル化されている。土日祝日が休みで、午前7時から午後7時までの営業。ささやかな楽しみが増えた。
調べてみると、病院内にあるスタバは12店舗である。

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2007年03月29日

とりあえず,これだ

AP通信-中途半端日記-にImpedance Cardiographyという記事が出た.AP通信の管理人が言いたかったことはImpedance Cardiographyではなく一番最後の「薬剤もモニターもどんどん進歩していく.レミフェンタニルが,非常に使いやすく麻酔を簡単にする薬剤であることは間違いがない(経済的面を無視すれば).(中略)麻薬でも術中管理ではレミフェンタニルが主流になるのは,時代の流れとして仕方がないのではないかと思う.そのうち,レミフェンタニルしか使えない麻酔科医もでてくるだろうが,いまどき”ハロセンで麻酔できる”と威張る人もいないので,それはそれで”時代の推移”であり,抵抗するようなものではなく,流れにのっていくべきだろう.少なくとも流れに乗り遅れてはいけない.」ではないかと思う.これに,大賛成である.初めについて行けなくなると,あとで追いつくのは難しい.「ついていく」ことが大切である.学校の勉強と同じで,ついて行けなくなると劣等生と呼ばれる状態になる.

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2007年03月28日

奥様は麻女

AP通信の管理人の先生の奥様は麻酔科医らしいということをブログで知った.実は管理人の家にももう一人の麻酔科医がいる.奥様は麻酔科医である.すなわち麻女である。
結婚した頃は小麻女であったが最近は、中麻女を通り過ぎて、大麻女になりつつある。どの地方でも、麻酔科の女医さんのことを麻女と呼ぶ傾向にあるようである。

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2007年03月19日

頭で理解し 身体で覚える 気管挿管トレーニング DVD

日経メディカルから「頭で理解し 身体で覚える 気管挿管トレーニング DVD」がいよいよ3月25日に発売されます。どうしたら気管挿管ができるようになるかを追求したDVDです。上記のURLからサンプル画像が見られます。初期研修医、救急救命士をはじめとして、普段、気管挿管をおこなっているがなんとなくやってきた医師にも対応しています。教科書には書かれていないトレーニング法を満載しました。やみくもに練習してもダメです。きちんとできるようになるには、それなりの知識が必要です。わかっているつもりでわかっていない方の”こそ勉”にも役立ちます。
指導者が,初心者にステップを踏んで教えるときにも役立ちます.これまで何気なく教えていた(教えられていた)ことが,DVDの解説により”すっきり”します.

このDVDでは、マッキントッシュ型喉頭鏡を使うことを前提に、基本的な挿管手技のトレーニング方法を紹介しています。喉頭鏡の仕組みとその正しい使い方、初心者が試みるときに注意すべき点、人形での挿管トレーニングの限界などについて解説。DVDで紹介したトレーニングを行うことで、気管挿管がスムーズにできるようになります。

<主な内容>●これが達人の技だ! 模範演技 ●讃岐流トレーニングのポイント ●喉頭鏡の仕組みを知れば挿管は簡単 ◆喉頭鏡の仕組み ◆立ち位置&姿勢 ◆挿管時の頭位 ◆開口操作 ◆喉頭鏡挿入&喉頭展開 ◆気管チューブ挿入 ●達人への近道 ◆人形の限界を知る ◆達人直伝!自主トレメニュー ◆準備は万全に ●達人の技 ポイントチェック

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食道誤挿管

ちょっと前、食道誤挿管に気づかず患者を低酸素症に陥れ意識障害になったとの報道があった。CO2濃度が低かったが、重症ぜんそく発作と思いこんだとのことである。思いこみによる単純ミスともとれるが、真相はわからない。食道挿管した場合、CO2は全く出ないかといえば、そうではない。かすかに呼気CO2モニタでも山が出る。これを見て、重症ぜんそく発作と思いこんだのかもしれない。
幸いなことに、管理人はこれまで食道挿管に気づかずに放置したことはない。逆に、ぜんそく発作を食道挿管と思いこみ再挿管したことは何度もある。研修医の頃から、気管挿管後におかしかったら食道挿管を疑って何をさておいても、即、再挿管を実践してきた。自信が持てなかった時には、気管支ファイバーでのぞいてみたりもした。
重症ぜんそくなら、気道内圧は高く、呼気CO2がほとんど出てこないはずである。食道挿管なら気道内圧ははじめは低いはずである。よほど、マスク換気時に胃内にガスを送り込んでいなければはじめは低く、人工呼吸器で送っているうちに高くなるはずである。
きっと、ぜんそくの既往がある患者さんだったに違いない。ぜんそく、ぜんそくと既往症を復唱しているうちに思いこみ勘違いの悪いサイクルにはまったのではなかろうか。
このような換気ができないという危機的な状態で、パニックに陥ったときの心理は、計り知れないものがある。
とにかく、おかしかったら再挿管である。

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2007年03月12日

IT理論

第7回麻酔科学ウィンターセミナーでの,内田先生の講義の中で知ったのだが,「IT理論」というのがある.ITというのはInformationTechnologyではなく,Impression Timesである.IT理論というのは学んだことを脳に定着させるための理論である.つまり,印象(Impression)と回数(Times)の掛け算によって私たちは学んだことを脳に定着させているということです.いわれてみれば,当たり前なのですが,キチンと認識しているかどうか.すべてにおいてI×Tが必要なのです.1回で覚えたと思っても,いつか忘れてしまう.定着させるにはIが少ないものはTを増やす必要がある.Iがすごいものは1回で覚えるのだが,私たちの日常ではIが高いというものはそれほどない.やはり,如何にTを増やすかがポイントです.

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2007年03月07日

挿管人形での実習

挿管人形での実習に関して、AP通信では少しふれている。挿管人形での実習をたくさんやったからといって、決して挿管は上手にならない。挿管人形のだめなところを認識していなければだめだ。管理人は、挿管人形で挿管ができた研修医には××をつけている。挿管人形の悪い点(実際のヒトと異なる点)を述べることができれば、点数は復活する。挿管人形での練習には限界がある、手順を覚えるという意味では有用だと思うが、挿管人形だけでは悪いクセがつくだけであると思っている。挿管人形での挿管は簡単である。逆に下手なヒトは、挿管人形でのコツがわからないだけである。実際のヒトでの気管挿管はバリエーションがあり、そのバリエーションを吸収して気管挿管ができなければ気管挿管ができるとは言わない。舌をよけることができない。舌がつぶれる。上位頸椎だけが異常に後屈できる。口が開けにくい(逆に首を思いっきり後屈して折ることで自然に?開口する)など、欠点をあげればきりがない。最近は、ちょっとましな黒い挿管人形が出ているようであるが、少しましな程度である。

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2007年02月23日

プレゼンの3要素

学会発表,院内カンファレンス,麻酔科でのプレゼンテーション,指導医への報告,すべてがプレゼンだとすると如何に多くのプレゼンの機会があるか.
人にわかりやすく手短に説明するにはを追求すればプレゼンはうまくなる.そこで,プレゼンをする上での3つの要素について考えてみたい.
1.示すべき資料
2.口頭での説明
3.質問の受け答え
いずれ場面でも,何かを指し示して解説するには,資料と口述が必要で,その後には必ず質問形式の受け答えが必要である.1.は上司への報告やミニカンファレンスでは作成しない場合も多い.示すべき資料がない場合には,如何に口でうまく説明できるかが勝負である.3.の質問の受け答えでも資料は提示しないことが多い.資料の作成も重要だが,口頭での説明が上手でなければプレゼンはいつまで経っても上達しない.学会などの定型的な発表は最も簡単である.それに引き替え,口頭ですべてをすまさなければならないプレゼンほど実力が必要である.どの順番で,なにに重点を置いて話すか.どんな口調で話すかが大切である.資料を提示しない他人のプレゼンを聞いてみよう.わかりやすいだろうか.棒読み風ではないだろうか.強調すべき点はどんな調子で述べているだろうか.滑舌はよいだろうか.管理人は資料のないプレゼン(特に,朝の症例プレゼンテーション)では,目をつむって聞いている.そうすると,その人がわかりやすいプレゼンを意識しているかどうかが判定できる.

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2007年02月22日

レーザーポインタ付きリモコン

ウインターセミナーで緑のレーザーポインタを使ったと書きましたが,このレーザーポインタは巷では人気が出ているようです.留学研究ネットによると,レーザーポインタ付きリモコンのなかのランキングでKOKUYO レーザーポインタ IC-GREEN サシ-81が第1位なんだそうです.でも値段が高くて,定価で45000円ぐらいします.ヨドバシで先日みましたが,39800円でした.Amazonでは30000を切っています.最安値ではないでしょうか.また,リモコンがなくても良い場合は2万円ちょっとで,KOKUYO レーザーポインタ IC-GREEN サシ-80が購入できるようです.
緑色は赤色に比べて目立ちます.特に医学系のプレゼンで赤い写真(術野の写真など)を指すと,緑で良かったと思えます.
レーザーポインターの注意点は1つだけ.人に向けないことです.

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2007年01月04日

今年の目標

あけましておめでとうございます.年の初めに当たって,今年の目標を宣言しておきたいと思います.
(1)研修医や後期研修医のみなさんと一緒に考えていく場を持ち続けたい.
(2)麻酔科医になる多くの仲間を作りたい(麻酔科医になろうよ!!).
(3)後期研修以降の麻酔科医を自分と同レベル以上の麻酔科医にしたい.
(4)常に新たな話題を提供したい(学会でもブログでも出版物でも).
(5)麻酔科医としての活動の記録をできる限りpublishしたい.

今年は,職場環境が変わる可能性があり,そうなった場合も想定して目標を設定してみました.

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2006年11月21日

Anesthesia Now

Anesthesia Nowという麻酔科の情報サイトがある(オルガノン提供)。

日本の麻酔薬の会社が出している情報誌はAnesthesia Today。名前が似ている。

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2006年11月15日

今の麻酔は情報戦(2)

さて,術野の情報は見ればわかると先の記事では書いたが,本当にそうでしょうか.管理人が研修医から研修医を終えたぐらい頃,信じられない外科医がいた.もしかすると今からここに書くような外科医は、今でもどこかに存在するのかもしれない...その外科医は、出血していても手で隠していて、出血していないと言い張る。ガーゼに血がついていて、重さを量ってもほとんど水だと言い張る。つまり、自分は出血させていない。輸液が多いから腹水が出ると常に言い張るのです。まあ、そういう状況もありましょう。しかし、常にはおかしいわけで、明らかにガーゼが赤い。ガーゼ重量が、まともに重い。挙げ句の果ては血液が大量にしみた柄付きガーゼを手術の最後まで出さずに腹腔内に隠しておく。さいごに出したとしても、術野の外のバケツに絞ってしまう。たちが悪いのです。こんなことは、ある程度経験を積んでくれば当然、嘘だとわかる。明らかに、術野が赤い。手術が雑。ここで、この外科医の言葉を信じたとしましょう。そうすれば、どこかで周囲の状況と食い違ってくるのです。しかしそれを見破る力を持ち合わせていなかったとしたら、術野を見て、別のパラメータを評価したとしても、逆の雑音が含まれているため、惑わされるかもしれません。これが判断する力です。この判断が速く、雑音に惑わされない能力を身につけるべく切磋琢磨(はやりの四字熟語?)するのが今の専門医の一つの方向性であります。これが臨機応変です。さらにいえばマニュアルにあるからそのようにすると言うのではなく、(小泉前首相みたいなことを言いますが)状況に応じて適切に判断し適切に行動するのが臨機応変です。臨機応変とは別に、専門医のめざすべき方向性、Tubokawa先生がいうところの創意工夫とはちょっとニュアンスが違います...この創意工夫ができるフトコロの広い麻酔科医をめざすべきだと管理人は思います。創意工夫はなぜするかというと、その状況に満足できないからです。こうすればもっとうまくいく。こうすればもっとよくなるというのをめざすから創意工夫をするのです。創意工夫がないということになると、次の課題がないと言うことになってしまいます。確かに、昔(50年前)に比べると麻酔科領域の課題は克服されてきて、ある一定のレベルに達したのかもしれません。薬剤の進歩、医療機器の進歩、道具の進歩。麻酔法や麻酔管理技術の進歩、麻酔教育の進歩、それぞれの進歩は患者の安全性や麻酔の確実性もたらしたでしょう。これからは過去に追い求めてきた創意工夫とはレベルの違う創意工夫が必要なのだと思います。これでいいのだ。と思ったとき創意工夫は必要なくなります。ワクワクする状況、アドレナリンの放出される状況は、創意工夫を企てている時に起こるような気がします。この創意工夫が必要ないとなれば、まともな麻酔科医はいなくなるに違いありません。臨機応変だけでは、真の麻酔科医はワクワクしません。

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2006年11月14日

今の麻酔は情報戦(1)

昔話にトラックバックします.昔は,モニターと言えば心電図と血圧計(手動ではかる)ぐらいで,残りは五感を利用して麻酔をかけていた.今は,痛みと侵襲のモニターをのぞいては,数値で表現される一応の指標があるため,だれでも,ちょっとしたことでもその気になって見ていれば気づくのは可能.しかし,情報を統合して判断する能力が昔に比べると要求されるようになった.バラバラの情報を統合して,はじめて意味をなす.モニターだけでは,はっきりとはわからないこともある.たとえば,ビデオ画像や内視鏡などを使った術野の情報である.その事実を見るだけで,何が起こっているかわかることがある.まあこれも,情報の一つ.要するに,昔に比べて判断材料が増えているのだ.五感を利用していただけの時代に比べて,情報が多い分,何らかの異常を捉えることはできるようになったが,判断スピードも要求されるようになった.判断に時間がかかっていたのでは,後手に回ってしまう.
戦争を例に出すと,批判されるかもしれないが,昔の戦争と今の戦争の違いと同じだ.如何に早く,情報を捉え次の手を打つかにかかっている.昔は,遅れて行動していたことが,今ではそんなに時間を待たなくても,情報が統合できれば先手に出られる.しかし,モニターの解析能力が上がれば,情報を統合する必要はなくなるかもしれないが,最終判断すべきは人である.また,どんな行動を起こすかを考え実行するのも人であるうちは,情報を統合してどこにどの程度の重みを置いて判断し,行動する能力を磨くことは無駄ではないであろう.
50年後に麻酔科医がいなくなるどころか,進化した麻酔科医とそうでない麻酔科医の差は歴然とするのではなかろうか.麻酔科医間の格差ができればできるほど,他科の医師では判断しかねる状態も増えるのではなかろうか.50年後にこの記事を読んでいる人は,笑うだろうか.感心するだろうか.

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2006年11月07日

アルチバ

変な名前である.アルチバとは来年の2月頃発売されるレミフェンタニルの商品名である.ヤンセンファーマのサイトに出ています.
レミフェンタニルのミニ講座が「電脳麻酔ブログ」や「金沢大学大学院医学系研究科麻酔・蘇生学講座 Blog」で始まっている.
また「麻酔科医のお勉強」の TIVA/TCI にも関連情報にたどりつくためのリストを掲載しています.レミフェンタニルを含めた薬品の添付文書は「麻酔科医のお勉強」の麻酔薬の添付文書と販売会社にあります.ひさびさの麻酔科領域の新薬発売が楽しみです.

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2006年11月03日

なんちゃってTIVA と アンバランス麻酔

なんちゃってTIVA”と"TIVA"は、似て非なるもので、全く違うものであることを説明した。TIVAをきちんと行うにはバランス麻酔の概念をきちんと理解して実践することが必要である。バランス麻酔とは鎮痛、鎮静、筋弛緩の3つの要素を個別に調節して全身麻酔を実現する方法だ。バランス麻酔とは読んで字のごとくバランスで成り立っている。筋弛緩はともかくとして、バランスの基本は鎮痛と鎮静のバランスである。アンバランス麻酔の極みは、( 鎮痛 <<<<<< 鎮静 )というもので、鎮静を極端に行うタイプである。現在のTIVAの主流はフェンタニル(鎮痛)、プロポフォール(鎮静)であるが、バランス麻酔の概念は吸入麻酔+フェンタニルという組み合わせでも実現可能である。この場合、フェンタニル(鎮痛)、吸入麻酔薬(鎮静)である。最近では、フェンタニル+プロポフォール+吸入麻酔薬という方法も存在するらしい。管理人は、プロポフォールと吸入麻酔薬を同時には投与しない(キセる麻酔とは異なる)のだが、このプロポフォール+吸入麻酔同時投与では鎮静薬の過量投与となっているのではなかろうか?つまり、鎮痛 <<<<<<<<<<< 鎮静 というアンバランス麻酔ではないだろうか。よく、大阪大学の萩平先生(BIS解析の大家)の講演によく出てくる、セボフルラン1-1.5%+フェンタニル適量という吸入麻酔+フェンタニルの組み合わせの”黄金処方”があるのだが、これに対比すると鎮痛が少なくて済むと思いこんでいるのでhなかろうか。血圧が下がれば麻酔が深い、動かなければ麻酔が深いと思いこんであるのではなかろうか?
不意に予期せぬ?手術侵襲で足下をすくわれたときには、一時的にはアンバランス麻酔は許されるかもしれないが、きちんとコントロールする(していると思っている)場面では、いかがなものであろうか。
もう一度、鎮痛、鎮静、筋弛緩のコンポーネントについてきちんと整理して考えてみよう。全身麻酔では何を指標に行うのがよいであろうか。もちろん、血圧や脈拍などのバイタルサインのコントロール、筋弛緩による不動化なども必要かもしれないが、麻酔の本質は何であろうか。20世紀の麻酔の指標をすてて、別の観点からきちんと麻酔を見直す必要があるのではないだろうか。我々、21世紀の麻酔科医(第3世代以降)は、アンバランス麻酔ではなくバランス麻酔が実践できる麻酔科医をめざすべきではないだろうか。
【参考書籍】
◆バランス麻酔:最近の進歩改訂第2版 ―エンドポイント指向型バランス麻酔―

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2006年11月02日

白い心6

白い心6にTBします.
全くその通りだと思う.やり方や道筋,方法というのは複数あってどれがよいというのは,簡単には決められない.
よりよい方法,よりよい理論を求めていけば,結局,複数の方法をマスターする必要がある.
そのときに,生半可(いいかげん)にこんな感じという調子では,新しい方法をマスターできるどころでなく,自分自身の思いこみで誤った方法を作ってしまうことになる.本当はそんなやり方でないのに,自分でマスターしたと思いこんでしまうのである.そうならないためには(本質を理解するには),やはり白い心が必要である.頭を白紙にすることが必要である.
とにかく,自分のやっているものと違うのであれば,その方法や理論を”きっちり”勉強する(まねる)必要があるのだ.その際に,思いこみが強すぎると”きっちり”まねできない.
話は変わるが,最近”なんちゃってTIVA”が横行している.血中濃度(効果部位濃度)を意識していないと思われるTIVAである.BISをつけたら?と言えば,BISはいらない.フェンタニルをもう少し入れたらと言えば,醒めなくなるからといってプロポフォールを高濃度でずっと維持している.呼吸が速い状態で麻酔から覚めてきて,目が開かない.うーん.こういった場合,その医師にどのように声をかけたらいいだろうか?難しい.自分で気づくしかないのである.
”なんちゃってTIVA”おそるべし.プロポフォールが出て10年も経って,TCIにも慣れた麻酔科医がたくさんいる時代である.”TIVA”と”なんちゃってTIVA”は違うものである.これに気づかないのは”白い心”になれないからではないだろうか.

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2006年10月27日

臨床麻酔学会の臨床教育セミナー

旭川で開催されている臨床教育セミナー(教育講演の臨床お役立ち版か?)がある.10月26日(木)は気道確保関連のセミナーがまとめられており,いくつか聞いてみた.いつも思うのであるが,プレゼンのうまい下手でずいぶん印象が異なる.教育講演の様になってしまっているものは既成概念にとらわれたプレゼンで,聞いているのがつらかった.テンポも悪く眠りを誘っていた.それとは対照的に動画やアニメーションを使って易しく解説しようという意図の感じられるすばらしいプレゼンもあった.手技についてのノウハウだけでなく,文献などもうまく引用してアカデミックな内容も盛り込まれていた.話すテンポや雰囲気づくりに関してもすばらしく聴衆は目を輝かせて聴いていた.若い頃からプレゼンテーションについて本気で取り組むべきであると思う.会場で同じ時間を共有する立場からすると,良いプレゼンテーションを見たり聞いたりした後は「すっきり!」する.

 ← よろしくお願いします.

文字をずらずら並べたブルースライドを出されてもぴんとこないが,動画やアニメーションを効果的に使ったプレゼンは聴衆に内容を理解させる時間を短縮できて,結果的に多くの内容をテンポ良く盛り込める.また話すリズムも大切で,画面の切り替えでリズムを作ってゆくと,内容が変化したときに余分な言葉を追加しなくても良いので結果的にテンポが上げられる.
久々に二重丸のプレゼンに出会ったので,ついついコメントを書いてしまった.良いプレゼンから学ぶことはたくさんある.その場でなければどんなプレゼンであるかは正確に伝えられない.ビデオにしてもその雰囲気は伝わらないであろう.聴衆の反応がビデオには収録できないからである.これが,真の学会のプレゼンである.学会に来て良かった,その場にいて良かったと思えるプレゼンであった.S先生,ありがとうございました.

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2006年10月11日

頭を白紙にして(つづきのつづき)

とあるインストラクターの言った言葉?「バックグラウンドを理解して...」に反応して管理人が,「教えてやる」の態度に見えると表現したことについて誤解であるということが判明しました.ここで深くお詫び申し上げます.インストラクターK先生の「学習と指導の極意」をごらんいただければ,本当の意味がわかると思います.管理人のめざすものと全く同じ方向性でした.

 ← よろしくお願いします.

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2006年10月10日

頭を白紙にして受け入れる2

物事を学ぶ方法には2つある.一つはこれまで知っていることに新しいことを追加する方法.もう一つは,すべて新しく学んだことにする方法.である.全くしらない,ほとんど知らない場合には後者がよいが,かなりそのことについて知っている場合には前者になる.管理人が,白紙にしてといっているのは後者の場合ではなく前者の場合に行って欲しいと思うのである.教える側の真意を理解するには,既成概念をいったん捨ててしまった方がよい.とりあえず,教えている人の言うことをすべて聞きいれてみるのだ.そうした上で,真意が理解できたならば,既存の物に修正して追加すればよいと思う.真意を理解する上で,既存の知識が邪魔になることが多い.自分の知っていることはすべて正しいのならば,教えられる必要がない.

 ← よろしくお願いします.

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2006年10月09日

頭を白紙にして(つづき)

電脳麻酔ブログに白い心2として次のような文章が掲載されている.

この前、新しいことを学ぶときは白い心でという書き込みをしたら、sanuki先生からも同様の意見をいただいた。
そんなときに、AHAのBLSインストラクターコースというのを受講した。すでにインストラクターをやっているK先生から「白い心」に関して御意見をいただいた。人づてなので真意は明らかではないが、白だろうが赤だろうが黄色だろうが、その人のバックグラウンドを踏まえた上で教えるのが上手なインストラクションだよと私に伝えたかった?あるは学んで欲しい、という風に聞こえた(それでいいですか?)。
この前の書き込み自体は否定するつもりはないが、指導する側の技量や努力が大事なのはいうまでもない。学ぶ、教えるということについてこれからも考えていきたい。

もちろん,このインストラクターの言っていることは間違っているとは思えないが,バックグラウンドをふまえた上で教えるのは不可能である.想像した上でと言うのなら可能であるが...
管理人は,こういった場合には教えられる側と教える側(こちら)の間でのかけひき(やりとり)で,どの程度の知識を持っている人(バックグラウンド)なのかを判断(想像)するようにしている.すべての事柄について教えられる側が教える側よりも知らないということは,あり得ないと思う.
こういう言い方をすると非難を受けそうだが,このインストラクターの態度が”教えてやる”に見えて仕方がない.要するに上に立った物の見方だ.
教えるときに最も大事にしなければならないのは,自分の考えを理解してもらうべく,場の雰囲気を作ることである.自分の考え(これから伝えようとすること)が,きちんと伝わらないような素地を作るようではいけないと思う.大学の講義などでも"教えてやる"方式では学生には不人気であると思う.どうやって,聞いてもらうかということから,指導する側は考えておく必要がある(決して下手に出るという意味ではない).

 ← よろしくお願いします.

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2006年10月08日

日経メディカルCadetto(カデット)

日経メディカルCadetto(カデット)とい若手医師向けの雑誌が発刊されます.日経メディカルオンラインに登録することで医師であれば無料で購読できます.ぜひ,どうぞ.私も登録しました.

 ← よろしくお願いします.

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2006年09月29日

頭を白紙にして受け入れる

初期研修医でまじめな皆さんにはあまり関係ないのですが、後期研修医やそれ以上の麻酔科医で新しいこと、とくに自分のやっていない方法を受け入れられない方がいます。電脳ブログでは”白い心”と表現されているのですが、私はよく頭を白紙にすると言う表現を使います。これができないと、現代の医療の世界では、新しい考え方が出てくるのが常ですから、今風の医療ができない医師になってしまいます。初期研修医は比較的素直に受け入れてくれることが多いと感じてますが、後期研修医以上(指導医クラスも含めて)になると、ちょっと自分のやり方と違うことを受け入れられない場合が目に付きます。後期研修医を教えにくい原因の一つは、ここにあると思います。管理人が教えられる側になる場合には、”教える人の言うことをすべて受け入れること”に心がけてきました。
この気持ちを持たないと、新しいものはそのうち何も受け入れられなくなってしまいます。いろいろなやり方、考え方を学ぶためには”頭を白紙にして受け入れる”過程が重要です。これが、出発点です。

 ← よろしくお願いします.

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2006年09月24日

日経メディカルオンライン

日経メディカルオンラインに登録(医師であれば無料)すると過去の日経メディカルの記事がPDFで閲覧可能です.日経メディカル 2006年9月号のp.62-63に管理人が出ていますので是非ご覧ください.右のカラムのお役立ち情報BOXのなかにある「日経メディカル・過去記事検索 」から検索できます.
「特集 その手技、本流? ~あなたのやり方は間違っていないか~」という記事です.

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2006年09月23日

時代が違う

Laryngoscopeさんのところに「時代が違う」という記事が掲載されている.以前は並列麻酔も,麻酔中にICUでの急変も対応していた先輩の話である.たしかに若い頃(かつての時代)はそれでも良かった.いまは,まともにやっていても失敗すれば刑事事件にされる時代である.並列麻酔やICUの患者が急変したときなど,自分の診ている患者が落ち着いていれば対応できるときもあるだろう.しかし,わざわざそのような状況を好きこのんで自ら作って,かりに自分が見ていた(放置した)患者が不幸なことになった場合,どう見ても救いようがない.並列麻酔を行って自分は医療事故など起こさないという強者もいまだにいるのは確かである.外科医が要求するから,病院が無理を言うから並列麻酔を行うという人々もいる.麻酔は誰のためにするか,何のためにするのかを忘れているのではないだろうか.もちろん生産性や効率もある程度は追求すべきだとは思うが,安全が担保できない場合には認めることはできない.そういう時代である.
かなり以前に「患者はこうして殺される(浅山健)」が出版されている(医者にメス掲載の目次).実際にあった話に忠実にかかれいると聞く.

管理人も夜中3時頃に不意に並列麻酔になってしまったことがある.脊麻でやっていた緊急帝王切開がほぼ終了した頃に,院内発症の肝硬変患者の急性頭蓋内出血がなだれ込んできた.ぼぼ閉腹が終わったので患者に気分をたづね問題ないので,終了する旨を伝え看護師に頼んで,なだれ込んできた頭蓋内出血の全麻のために別の部屋に移動した.麻酔導入が終わった頃,帝王切開は終了したが出血が止まらず再開腹するという.戻ってみると,患者は顔面蒼白,ショック状態で意識レベルが低下している.弛緩出血である.挿管全麻に切り替え輸血ルートを確保し輸血を大量にオーダーした.その処置が済むかすまないうちに,頭蓋内出血の方はショック状態で出血が止まらないという.この時点で,不意に並列麻酔になってしまっていた.いずれししろ,院外からもう一人の麻酔科医を呼んでいる暇はない.このままでは2人とも死ぬ.福島の産婦人科医の逮捕事件の直後だったので,刑事事件で逮捕というフレーズが何度も頭をよぎる.一人ではどうにもならない.だれでもいい,院内の当直医を呼ぶしかない.助けを求めて電話すると,偶然にも他科に異動した麻酔科専門医を持った医師が当直であった.不幸中の幸いだった.手術室では2列の手術が同時進行しており手術をしている医師も止血に一生懸命だ.術者も人が足らなくて院外からさらに上級医を呼ぶ状況であった.結局,2人とも救命でき管理人は医療事故を起こさずに済んだ.2症例とも出血/輸血の量は尋常ではない.急速輸血のためにポンプを必要とした.患者の状態の判断,ポンプや輸血の扱い,セットアップ,麻酔のことすべてを「おねがい,こっちの症例なんとかしといて」で頼むことができたのは麻酔専門医だったからである.患者も助かった,私も助かった.思い出しただけでも恐ろしい.

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2006年09月20日

自分に厳しく他人に厳しい人

「自分に厳しい人は他人に厳しい」,この中身には2種類ある.自分に厳しいというのは常に自己研鑽を積むということを指している.他人に厳しいというのは2つを分けて考える必要がある.まず万人に厳しい人これはOKとしよう.部下に厳しく目上(または同僚)に甘いという人がいる.これが問題である.特に,部下の失敗を自分の責任と思わず,部下のみを叱りつけるのはサイテーだと思う.これは,自分に甘く,他人に厳しいと同等である.部下の失敗の原因は,自分の失敗であり,自分がうまく部下をコントロールもしくは指導できないから失敗するのである.このことがわからない指導医を時に見かける.

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2006年09月16日

どうして麻酔科医になったかの答え

よく「どうして麻酔科医になったか」を聞かれることがある.「どうして」と聞かれても「好きだから」としか言いようがない.その「好きだから」にいろいろな理由があるのだと思う.「好きだから」というのは立派な答えだと思う.物事に向き合う上で「好きだから」というのは,最上の理由である.「好きだから」続けられる.「好きだから」がんばれる.「好きだから」新しいことに挑戦できるのである.
おそらく「どうして」と聞くのが研修医で,その研修医がメンターをもとめて問うている場合には,「好きだから」だけでは満足しない.聞く相手が,一般人あるいは上級医であれば「好きだから」だけで完結してよいと思う.私の場合,きっかけは「好きだから」なのであるが,そこから「おもしろい」に発展した.この「おもしろくなった」というのは今でも覚えている.麻酔科が「ただ単に麻酔をかけているだけではない」と言うことが実感できたからおもしろくなったと思う.手術の麻酔で”うまい麻酔科医”が麻酔をすると何事もなく終了する.この”なにごともなく”の裏にはどんな努力(ちょっと大げさか)があるかを理解できたなら麻酔科の魅力がわかるだろう.その努力というのが,ちょっと大人なのである.
ここを熱く語ればよいのではないかと思う.恥ずかしいのでこれ以上は書けないが,麻酔科の魅力を知りたい研修医の先生は私のところに研修にきてください.

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2006年08月31日

「予習しなさい」「勉強しなさい」はダメ指導医

臨床研修医が質問をすると「勉強しなさい」と答える指導医がいるらしい。わからないから質問をしているのに、「勉強しなさい」はないだろう。勉強の仕方を教える。どんなものを調べればよいのか、何というキーワードで調べたらよいのかなど、何らかの目標設定をしてあげるべきだと思う。これと同様で、「予習してきなさい」や手技に関して「イメージトレーニングしてきなさい」も論外である。きちんとその方法を教えた後で言うべき言葉だと思う。何を予習するのか、何を勉強するのか、どんなイメージを持ったらいいのか?指針を与えて初めて指導といえるのではないだろうか。

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2006年08月14日

Anesthesia podcast

最近,「麻酔電脳ブログ」で知ったのですが,The Department of Anesthesiology & Critical Care at St. Louis Universityが公開しているPodcastのサイト「Anesthesia podcast」があります.QuickTimeとiTunesがあれば,WindowsでもMacintoshでも視聴が可能です.このサイト,最近の管理人のお気に入りになっています.Chairman’s Talk/Grand Rounds/Anesthesiology Lecturesをクリックして様々なコンテンツにアクセスしてみてください.

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2006年08月09日

選手としての指導と監督としての指導

眠らない麻酔科に「方策」という記事が出ている.このなかに,”「名選手は名監督にあらず」はジーコを見ても理解できるけど、やって見せると言う、これ以上の手本はない。”という行があるが,まったくその通りだと思う.私自身,自分のできないことはうまく教えられないし,やってみせられないことは教えても説得力が全くないと思う.まず,教えることができるのは自分がきちんとできると言うことが最低条件で,教えるためには,教えられる人の考え方や手技をみて,どこを直せばうまくいくか,間違った方向に考えているところはないかなどを分析できなければならないと思う.「名選手は名監督にあらず」とはよく言うが,選手である自分と同じ事を初心者に教えてすぐできる故ではない.選手はすでに特殊な技能を身につけてしまっているのである.初心者ができるようにするためにはどのようなアプローチで教えるかを,あらかじめ考えておく必要がある.また,初心者に見せる手本は初心者ができるようなわかりやすいスピード,わかりやすい手順などで見せる必要があり,選手としてのうまさ(上手で素早いだけの)を強調するような物をお手本として示すのはよろしくない.選手が監督になったとき,要求されるのは選手としての技量に加えて監督としての配慮であると思う.良い監督はこのような配慮ができることであり,このような配慮こそコーチングの基本であると思う.

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2006年06月25日

麻酔科医の分類

世の中には、ずいぶん違った印象の麻酔科医がいることにお気づきであろう。多くの場合、その年代や育った環境により分類可能なのではないだろうか。
第1世代…麻酔科黎明期(日本では外科から麻酔科が分離した頃) 1960年代後半~1980年頃
第2世代…模索&挑戦期  1980年頃~1990年代後半
第3世代…専門性獲得期  1990年代後半頃~現在
第4世代…付加価値の時代 これから

私は第3世代の麻酔科医だと思っている。右側に書いた年代は、おおまかなもので、要はその時代に麻酔科医になったという意味ではない。同じ時代に研修したと思われる麻酔科医でも、明らかに第2世代の麻酔科医がいる。その意味は各自考えていただければよいが、もっと進化すれば自分自身は第4世代となることが可能だと思う。進化し続けるためには常に新しいことを受け入れようとする態度とそれに対応する自己研鑽が必要だと思っている。
ちょっと意味深だが、現在でも第2世代にとどまっている麻酔科医に教育を受けると、第2世代以上にはなれないのではないだろうか。
ここで言う、第3世代というのは専門医/指導医の資格を持っているということではなく、実際にその実力を維持、スキルアップしつづけるという意味である。
専門医/指導医の資格を持っているだけの麻酔科医は、この分類では第2世代に分類される。
この分類は、msanukiの麻酔科医分類(MJA分類2006)とでも名付けようか。

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2006年04月13日

麻酔科学レビュー2006

「麻酔科学レビュー2006」(総合医学社)が発売されています。
この書籍は、麻酔科学のトピックスをまとめた総説集で毎年発行されます。論文を読み損ねた?普段の不勉強を補うためによんでみてはどうでしょうか。

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2006年04月12日

臨床研修と勉強法(1)

臨床研修制度が始まってすでに2年が経過しました。自分の頃と比べて、カリキュラムがきちんと決まっていて、うらやましいと思う反面、カリキュラムが決められているのはどこの科を回るかだけで、中身は研修医次第であると言う話も聞きます.もし,そうであれば昔から何ら変わっていません。当然といえば当然のことですが、研修内容や程度は、研修する側の問題が大きいのです。器だけあっても中身がない研修になります。あなたの病院はどうでしょう.
さて、今回は勉強法についてです。学生の頃の延長で、教科書だけを勉強している。あるいは、医学雑誌の特集記事のみを見ている方はいませんか。まとまった知識を得たいとき。常識的な知識を得たいときには、それでかまいません。しかし、ある程度の知識や技術が身についてくると、それだけでは物足らないことに気づくはずです。あることがマスターできたらそれで終わり?それでいけないと思ったときが、ステップアップのチャンスです。疑問に思ったことを解決してくれる,解決するための勉強法を知っていますか.それができなければ,研修でせっかく経験した症例も身につかず時間だけが無駄に過ぎていくということになります.焦る必要はありませんが,教科書や雑誌の特集だけの勉強だけではいけないということです.最近は,ACLSやBLSなど決められたことを覚えればそれでおしまいと考えている研修医も多く,その延長で臨床研修も捉えてしまいがちです.それではいけないと言うことだけ書いておきます.
では、どのように勉強を発展させるか.それは次回のテーマとします。

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2006年04月05日

点滴をとる(その2)

一般人が「点滴をとる」と表現する場合,通常,点滴ルートの抜針をすることを意味する.不用意に「点滴をとる」と言うと,「どうして点滴をしていないのに点滴を取り外してしまうのか?」ということになりかねない.「静脈ルートを確保する」の意味で「点滴をとる」といって通じるのは,医療関係者か病院慣れした患者さんに限ると思った方がよい.

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2006年04月02日

点滴をとる

あなたは患者さんに,「点滴をとる」と言いますか?点滴は「取る」ではなく,「する」と言った方がよいです.点滴を取るというのは,ものを取ることと同じで,医療行為を行う者が患者さんから奪うという意味だと思うのです.丁寧に言ったとして「点滴を取らせていただきます」というのはやはり変です.「点滴をさせていただきます」というのがよいのではないでしょうか.この話は,第6回麻酔科学ウインターセミナーで,秋田の佐藤先生が発言された内容です.それ以来,私もつとめて「点滴をさせていただきます」と言うようにしています.

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2006年03月29日

あなたはメンターになれますか?

本日は,メンターって聞き慣れない言葉の解説から.
長期的な観点に立って指導し、支援してくれるような人物のことを“メンター(mentor)”といいます。いわば職業人生上の師匠のような人です.尊敬できる上司や有能で親切な先輩は、“メンター” の役割を果たしてくれる可能性が高いのです。
臨床研修医がメンターと思える医師は、通常は自分より少し上の先輩医師ではないでしょうか。ということは、後期研修医は十分、初期研修医のメンターになることが可能だということ。つまり、後期研修医は研修という立場でありながら、初期研修医にとって魅力的な存在になる必要がありますね。


以前にmsanuki.netで紹介
した,山形大学麻酔科のサイトに「麻酔科医になろう!」というページがあります.ここでもメンターについて,紹介されています.

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2006年03月18日

これは何でしょう

 手術室で麻酔科が使用するものの一部の拡大写真です.正面像と側面像です.

 

答えは,数日後に発表します.

 

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2006年03月17日

てきてきの答え

「てきてき」とはなんでしょう?
(1)輸液セット
(2)輸液ポンプ
(3)輸液ライン
(4)採尿バッグ
(5)採血用フォルダ

答えは(2)です.

輸液ポンプでは,てきてきと輸液が落ちることから「てきてき」と呼びます.正確に(定期的に)滴下することを表現したもの.「てきてきとセット持ってきてください.」といったように使えます.「輸液ポンプとポンプ用の輸液回路を持ってきてください」という意味です.

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2006年03月15日

場の雰囲気を読む

医師は、「場の雰囲気を読む」ことが要求される職業である。これができないと、不利になることが多い。なぜなら、人を相手にする仕事だからである。相手の出方によって、対応を180度変える必要はないが、柔軟な対応が求められることは確かである。臨床研修においても同様で、「場の雰囲気を読む」ことができたほうがよい。
対人関係において要求される能力で、もう一つ重要なのは、対応力である。「あせらず,さわがず,確実に」略してASKです.どんなときでもASKを保って対応できる力をつける必要があります.この対応力,自分の行動を制御できない人にはつきません.「心を平静に保つ」訓練をしましょう.もう一つ,機を逃さずに対応する力が対応力には含まれます.なんでもとりあえず反対する人がいますが,対応力に欠けると判断されます.ここを,トレーニングしましょう.判断基準を広く,柔軟に自分の中に持たなければなりません.
場の雰囲気が読めて,それに対応する力をつけることができれば,大物になれます.逆に,これができないと,よい対人関係は生まれません.この内容は研修医だけではなくすべての医師に要求される能力だと思います。
ちょっと抽象的ですが,わかる人にはわかりますよね.

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2006年03月13日

観察力(2)

観察力をつけることが大切で、見ることも大切な研修であると以前に書きました。私の臨床研修医の指導方針は、できそうなことだけやらせて、できなそうなことは指導医のやっていることを見せる方式です。このできそうなこと、というのは個人個人によっても違いますし、時期によっても違います。
今回は、指導医が研修医のできそうなことを見極めるという観察力です。また、個人個人の性格や器用さ、目指すものもさまざまです。それを汲み取って適切にフォローするためには、研修医を観察する力が指導には必要です。紋切り型の指導ではなく、テーラーメイド(オーダーメイド)の指導を目指しています。もちろん、アドバイスもします。コーチが選手に対して、強化するべきところを個別に指導するのと同じようなアドバイスです。このテーラーメイドの指導をするためには、観察力が必要なのです。ときどき何気ない質問をして、実力を確かめることもあります。観察力は研修医だけでなく指導医にも必要な技量です。

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2006年03月11日

鵜呑み

「物事を鵜呑みにする」というように使う言葉がある。1週間ほど前に「医療ミス重なり患者死亡 3医師を書類送検」という記事が各新聞に掲載された。この事件では、血液検査の異常値で縫合不全による炎症の可能性を疑うべきなのに、部下の外科医は外科部長に「術後は良好」などと伝え、外科部長は引き継ぎをうのみにして必要な検査を怠り、腹膜炎で患者を死亡させた疑いで書類送検されている。結局、この外科部長は自分で患者を見ていなかったということである。これに、似た状況が麻酔科にもある。主治医が言う大丈夫である。自分の専門以外の分野に関してなんの根拠もなく大丈夫と答える強者の主治医がいる。ここにはワナが仕掛けられている。主治医だからきちんと見ているだろうというのは禁物で、自分の目でもきちんと検査データ、画像データや診察所見などから事実を確認できるような力をつけておくことが肝要である。「大丈夫は大丈夫ではない」ということです。

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2006年03月10日

てきてき

では「てきてき」とはなんでしょう?
(1)輸液セット
(2)輸液ポンプ
(3)輸液ライン
(4)採尿バッグ
(5)採血用フォルダ
答えは1週間後に発表します。

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2006年03月09日

ピコピコとってきて

「ピコピコとってきて」というとなぜだか、当院ではどんな手術室看護師さんにも通用してしまうのです。ピコピコとはなんでしょうか。多分、広島地方でしか通用しないと思うのですが、筋弛緩モニターのことです。
刺激するとピコピコと手が動くのでピコピコなのです。「ピコピコとってきて」と言って、それ何?と聞き返されることはありません。
研修医にピコピコつけたか?と聞いて、固まっていることが時にありますが...

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2006年03月06日

観察力(1)

臨床研修医に限らず,身につけるべき能力だと思います.臨床研修における観察とは,その道の専門医がどのように医療行為(場合よっては患者対応)を行っているかを見る力(眼力)だといえます.見たことから何を感じ取るかということは、何に着眼するかにかかっています。
臨床研修医に質問をしてみれば、観察力がどの程度かがわかります。一番簡単なのは、指導医が今行ったことの手順を説明させることです。指導医が行った行為を口頭できちんと答えることができるかどうかです。抜き打ち的に聞いてみるとよいでしょう。
性別によって観察力に差があるような気がします。どちらがきちんと答えられるかを、ここで述べてしまうと研修医の皆さんにはショックが大きいので秘密にしますが、「しっかり観察する」ということ自体が大事な研修になります。この力をつけることは、この先も役立ちます。”ボーッとして何気なく見る”のはやめましょう。何でも、鋭い目で見るという貪欲さが必要です。

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2006年02月23日

キセる麻酔 「キセってます」

「キセる麻酔」をご存じだろうか.名称があまりよろしくないが,昔のキセル麻酔ではない.昔のキセル麻酔とは,VIP患者の麻酔を頼まれた部長先生?が,導入と覚醒の時だけいて,残りの麻酔維持(意識がない部分のみ)は部下に任せることをキセル麻酔と呼んだらしい.しかし,今回の「キセる麻酔」は,このことではない.キセる麻酔というのは,管理人が定義した新しい言葉である.以下の文献を読んで欲しい.参考文献には「キセル麻酔」と記述したが,紛らわしので最近は「キセる麻酔」と書くことにした.「キセる麻酔」とは吸入麻酔薬で維持を行う際に,覚醒前に吸入麻酔薬を強制的に排出させるためにOFFとして,プロポフォールに切り替える方法である.ちなみに麻酔導入時にもプロポフォールを使用しているので始めと終わりのみプロポフォールを使用するという意味で,たばこの道具「キセル」に当てはめて命名した麻酔法である.キセルはカンボジア語らしい.
この「キセる麻酔」で,吸入麻酔薬からプロポフォールに切り替えたことを「キセっている」と表現する.たとえば,「セボのキセるをしていたんだけど,手術が終盤になったので,もう,キセってます.」と言うように使う.

【参考文献】麻酔・救急・集中治療専門医の極意(新興交易医書出版) 貝沼関志 編著 ISBN4-88003-659-5
p.72-76 吸入麻酔薬でも時間通りに覚醒させる-「キセル麻酔」もやります- 讃岐美智義

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2006年02月19日

教えることは学ぶこと

研修医の指導に対して評価されないと文句を言う指導医がいる.指導したことに対して評価されないのでボランティアだとも言う.
本当に評価されないのであろうか?私の考えは違う.評価されないと思っているだけである.研修医を指導する行為は,出世のための評価につながらないと考える指導医は真の指導医ではない.指導することにより,フィードバックが得られるのだ.ただ,指導される側もしっかり反応しなければ,指導医の意欲をなくし,評価してもらえないという文句が増えることは確かである.
指導医がしっかり教えて研修医がきちんと反応すればお互いに得るものはある.「教えることは学ぶこと」である.この意味は,各自考えてもらいたい.「何を学ぶか」は,自分次第である.

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2005年12月05日

論文を書いてみよう!

「論文を書いてみよう!」
どこかの教授の口癖のようなこと言うなー.とお思いかもしれませんが,これは本のタイトルです.
諏訪邦夫先生の最新刊です.克誠堂出版から出ています.

研修には関係ないと考えている方もいるでしょう.
しかし毎日,仕事をしているならば何らかの発見や,創意工夫があるでしょう.教科書に書いてあるとおり,指導医に教えられたとおりだけではないはずです.研修年限が上がるにつれて,教科書通りでないことは増えてくるのです.
さて,この本で問題にしているのは論文を書くまでのプロセスで,インパクトファクターを稼ぐ方法とか,一流雑誌に掲載する方法とかは紹介していません.研究(動物実験に限りません.)したことを世に知らしめるための方法を紹介しているだけです.これが,初心者には大事だと思います.
書いてみるまでのとっかかりが重要です.一度書いてみれば次からは,スピードがつきます.どんどんいけます.この,始めの一歩が踏み出せない研修医がおおいと私は感じています.その第一歩を踏み出す手助けをしてくれます.今風にアレンジした表現になっていますので,過去に出版された類書よりずいぶん易しく手引きをしてくれると思います.いちど,読んでみてください.

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2005年12月03日

成長した?フェンタのシール

フェンタには2ml/Aのものと5ml/Aのものがある.2ml/Aのものは珍しくないが,5ml/Aは,非常にレアものである. きっと,シールもあるに違いないと思っていたところ,実物を集めている方がいた.うれしいことに「麻酔と救急のために」 の索引の近くに貼っている.よく見ると,1枚だけ緑色のものがあり,それ以外はすべて黒っぽいラベルである.黒っぽいラベル(大きいフェンタ)の方は0.25mgとかかれている

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2005年11月17日

PSLS Instructor

日本臨床麻酔科学会の会場で,本日,スミルノフ教授からPSLS Instructorと認定された.PSLSとはPrectice-Swing with the LaryngoScope Programである.この認定証,なんと私の誕生日(華岡清州とおなじ)に発行されている.そのことをつたえると, 恐れ入りましたと言われてしまった.ちなみに,このインストラクターは日本にまだ11人しかいないそうである.

PSLS Instructor

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2005年11月15日

麻酔器仕業点検、麻酔時のモニター、ACLS

麻酔科指導医「麻酔器仕業点検、麻酔時のモニター、ACLSは何のキーワードでしょう?」
研修医A「?」
研修医B「わかりません」
麻酔科認定医「先生(指導医)の得意な分野ですか?」
麻酔科指導医「ほぼ当たりかな」
これは、麻酔科専門医の実技試験のヤマです。いつの時代も同じはず。
麻酔科で研修すると、3つのいずれの項目も絶対に他科の医師より詳しくならなければいけないことだから。
スミルノフ教授のサイトをみても実技試験に絶対でる項目です。ちょっとできるだけではダメで、かなり詳しくないといけない。だから実技で試すと(日常的にやっているかどうかを見るには)よいのです。

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2005年11月08日

第6回麻酔科学ウインターセミナー 第1報

昨日、第6回麻酔科学ウインターセミナーの案内が近々あることを書いたが、日本心臓血管麻酔学会日本麻酔・集中治療テクノロジー学会で,各ページに詳細が掲載された。

2006年2月24日(金)~2月26日(日)に北海道(ヤマハリゾート キロロ)で、第6回麻酔科学ウインターセミナーが開催される。
初期研修医向け発表のほか、特別プログラムとしてSAJ公認スキー検定も予定されている。

研修医向け発表を含めて、締め切りは2006年2月5日(日)
是非応募して、北海道に行こう。管理人も行きます。

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2005年11月07日

第6回麻酔科学ウインターセミナー

2006年2月24日(金)~2月26日(日)に北海道(ヤマハリゾート キロロ)で、第6回麻酔科学ウインターセミナーが開催される。
ここでは、初期研修医向け企画があり、発表の機会が設けられる。是非参加して最優秀エッセイ賞をGETしよう。
●初期研修医向け発表(初期研修で麻酔科を回った研修医対象)

後援は、日本心臓血管麻酔学会日本麻酔・集中治療テクノロジー学会で,各ページに詳細が掲載される予定。

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2005年11月04日

あいさつ

毎朝,通勤途中に反対側から歩いてくる見知らぬ中学生が、自らすすんで挨拶をする.少し遅れて、うちの娘の学校の先生(その先生は私の顔を知らない)が来るのだが、こちらが挨拶をしても知らん顔である。しかし、周りの小学生には挨拶をしている。これと同じ事が、病院内でもある。ある年配の事務官が、白衣姿の私には挨拶をするのだが、私服で院内を歩いているとこちらが挨拶をしても何も言わない。院内で出会うのは病院内で働いている者、患者あるいはその関係者、取引業者の可能性が高い。そのことを、ある院内会議で出会ったので、本人に伝えたところ「大変失礼しました。気をつけます」と言う。たかが挨拶なのだが、そんなことができない社会人それも指導的立場にあると思われる者ができないのは、大きな問題である。事務官も小学校の先生もバツ(×)である。どこで評価されているかわからないことを肝に銘じておこう。自ら挨拶をする中学生が、断然すばらしく思えてしまう。たかが挨拶である。

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2005年10月30日

「麻酔と救急のために」の秘密

スミルノフ教授に、「麻酔と救急のために」の秘密を指摘されてしまいました。そんなはずではなく、ぴったり同じにしたはずですが、ショックです。増刷時には2mm削ってもらうことにします。絶対に削ってもらおーっと。

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2005年10月10日

LiSA2005/10[麻酔科医を増やすにはどうすればよいか?]

LiSA2005年10月号に徹底座談会「麻酔科医を増やすにはどうすればよいか?」という座談会形式の記事が掲載されています。登場人物は仮名ですので、結構、本音のトークとなっています。麻酔科の教授や部長クラスの先生だけでなく、中堅や若手の先生、研修医1年目を交えての座談会になっています。麻酔科の魅力についても語られています、是非読んでみてください。(LiSA 2005/10 P.1031-1051)
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2005年09月30日

AはAirwayのA

「AはAirwayのA」という随想が、ある麻酔科医(日本の代表的な麻女である)のホームページに掲載されている。我々にもとめられるものは、BLSやACLSをただ学んだり教えたりするだけではなく、実践できる勇気を身につけることである。このホームページには、ほかにも味のある話が掲載されている。是非、読んでほしい。最近更新されていないのがちょっと残念だが・・・

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2005年09月22日

麻酔科研修医日記

以前からずっと気になっていたのですが「An Anesthesiologist's Day ブログ:麻酔科研修医日記」を紹介します。ブログ以外のページはこちら(本家のAn Anesthesiologist's Day)です。おそらく、研修医時代から書いている?、研修医の心を忘れない?とにかくかなり謙虚なサイトです。結構、自己分析ができている先生であると、お見受けします。
悩み多き研修医にはこのホームページは大変参考になると思います。ブログだけでなく本家も読んでくださいね。
麻酔科医生活はいいですよ。ぜひ、あなたも麻酔科医になりませんか。

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2005年09月14日

麻女

「麻女」をご存じだろうか?「魔女」ではない。
「麻女」とは、麻酔科の女医さんのことである。管理人の近くにも「麻女」はたくさんいる。また、管理人の出身大学の麻酔科には「麻女の会」なるものも存在する。大麻女から小麻女まで結束は堅い。
ホームページ上では「麻女(まじょ)」から一言を掲載している山形大学医学部麻酔科のサイトがある。
麻酔科に入れば女医さんは麻女になれる。

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記事一覧
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