麻酔科医生活

麻酔博物館と麻酔科オタク

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2011年5月19日に麻酔博物館が神戸市の日本麻酔科学会事務局の隣にオープンした。管理人は、学会が終了日の5月21日の午後から訪問した。目当ては、先着1万名限定の”喉頭鏡をもったキティの携帯ストラップ”である。セットでもらえる同じ図柄のクリアファイルもキティが喉頭鏡を持っている。これもレアものには違いない。
 さて、麻酔博物館の展示内容であるが、麻酔に興味を持っている人にとっては何かしら訴えるものがあると思ったのだが、麻酔科医でもあまり興味を持たない人もいるらしい。管理人は、じっくり見るタイプなので時間をかけて展示を見て回っていると、後から来た人にぬかれてしまう。麻酔科オタクでないと興味を持たないのかもしれない。麻酔の歴史に興味があるわけではないが、現在の麻酔と過去の麻酔を比べたときにそのギャップや不便さに思いをはせてしまう。展示物をみてどんなことを思うかが、人それぞれ違うのだと思う。そのときにタイムスリップしたとしたら、どの様に麻酔をかけるのであろうかと、その場で考えていた。





RIMG3279.JPGRIMG3280.JPG古い麻酔器もよいのだが、道具、特に、エーテルのオープンドロップ用のマスクの前では長いこと空想にふけっていた。その場で、立ち止まっていると電脳麻酔の先生は、新幹線の時間が迫っていたらしく、おいて行かれてしまった。オープンドロップ用のマスクでこれほど保存状態のよいものは見たことがない。木箱に入っており、ゲデルのエアウェイとセットで入っている。その組み合わせを見たとき、気道確保に苦労をしたのではないかと想像してしまったのだ。エーテルといえば、教科書的には分泌物を増加させるため前投薬でアトロピンが必須のはずだ。また缶に入っているのをポテポテおとしてマスクに垂らすのだから、濃度調節は難しい。濃度もわからない。確か蒸発しやすいはずだから、熱を奪って温度が下がるはず。燃えるはずなので、高濃度の酸素は危ない。電気メスもむずかしい。静電気が起きるようなものはいけないはず。などいろいろ制限があったのではなかったか。などと思ってしまった。





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別の場所に展示してあった、防爆用伝導シューズなるものも見つけてしまった。また、エーテルのはいった入れ物にも、納得してしまった。持ちやすいサイズの缶なのである。そこに書かれているメーカーは三楽オーシャン。これってお酒の会社ではないか?小さい頃、コマーシャルで聞いたメーカーの様な気がする。

こういった具合で、なんと、1時間30分も麻酔博物館に滞在した。明らかに、麻酔科オタクである。

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