産婦人科医からのメール

(M.Sanuki) (SAVE RAVONAL)

拝啓 大変ご無沙汰しております。

○○大学医学部附属病院産婦人科在職中、6カ月間、麻酔科ローテーションでお世話になった○○です。現在は、中区の○○病院で、父とともに、産婦人科診療を行っております。先生のホームページはいつも楽しく見させていただいております。さて、先生に教えていただきたいことがあります。

 ラボナールが製造中止になりましたが、今後ラボナールに変わるのは、イソゾールなのでしょうか、それともその他に新しい薬があるのでしょうか。ちなみに、当院では、人工妊娠中絶を行うときには、ふだんケタラールを使用しております。高血圧合併の人工妊娠中絶にはラボナール。また、全身麻酔の時は、麻酔科専門医師に来院頂き、ラボナールを使い導入していただいております。また、ご存じでしたら、ラボナール製造中止となった経緯も教えて頂ければ幸いです。

以上、宜しくご教授ください。 敬具

 この電子メールを、平成9年6月にいただきました。この時点では、まだイソゾールは生き残るだろうという安易な気持ちでいました。実は、私の出身大学の麻酔科はイソゾールを使用しており、大学の麻酔科ローテーションで麻酔を研修された先生は、十分にイソゾールを使用して麻酔をかけることができるだろうと考えていました。また、ケタラールもうまく利用されており、ほとんど問題ないと思っていました。しかし、よく考えてみて下さい。この電子メールの産婦人科の先生は麻酔科で研修をされているから、イソゾールでもケタラールでも使用できるのです。全国の産婦人科医すべてが、この先生のレベルではないのです。また、本格的に全身麻酔が必要な場合には、麻酔科専門医師に依頼して麻酔を行っておられます。このように、常勤でも非常勤でも麻酔専門医(必ずしも麻酔指導医でない)がいる病院では何とか対応できる可能性があると思いますが、麻酔専門医のいない病院の場合には、ラボナールがなくなれば、大問題が起きると考えています。麻酔を専門とする医師のいない病院が、日本ではまだまだたくさんあります。

(注)イソゾール、チトゾール(一般名チアミラール)も製造中止になる予定であるとのことです。



1997.8.20更新
(M.Sanuki) (SAVE RAVONAL)