研修ワンポイント

術中からの術後鎮痛(2)

これは,propofol+fentanylでおこなった脊椎手術症例のfentanylの効果部位濃度の推移である.2時間ちょっとの手術でfentanylは800μg投与している。

fentanylの予測効果部位濃度1.6ng/mlの時にpropofolの予測濃度2.0μg/mlで覚醒した.この時点から約3時間後に1.0ng/ml,約5.5時間後に0.8ng/mlとなる.fentanylの場合,ゆっくり濃度が下がっていくため,術後鎮痛薬を投与するまでには数時間の余裕がある.脊椎手術症例であれば、うまくすれば,このfentanylの余韻+その後に投与したNSAIDs(作用部位が異なる2剤のダブルブロック)で術当日の痛みはコントロールできてしまうかもしれない.ここで,考えるのはこの余韻の部分を大きくすることで術後鎮痛をもうすこし長く得ることができるのでないかと言うことだ.もっとたくさん術中に投与しておけば,術後にがんがんオピオイドを投与する必要はない。fentanylの覚醒時濃度>>鎮痛効果をもつ濃度で、高い濃度で覚醒する若い人には有効な方法ではないだろうか。開腹術や開胸術では、NSAIDsではちょっと無理だが、脊椎手術程度の術後痛には有効な手段ではないかと思う。(つづく)

今年の目標前のページ

白血球除去製剤の供給次のページ

関連記事

  1. 初期研修医向け

    麻酔科関連のリソースのまとめ

    麻酔科関連のリソースのまとめを「麻酔科医のお勉強?さぬちゃんのリソース…

  2. 初期研修医向け

    手術室モニタリング攻略ガイド

    管理人が編集させていただきました,「ナースのための手術室モニタリング攻…

  3. 書籍紹介

    挿管困難対策手技マニュアル

    羊土社から「挿管困難対策手技マニュアル」が出版されている。この書籍は、…

  4. 初期研修医向け

    麻酔中の加温~寸暇を惜しんで加温する

    手術室で麻酔科管理で行う手術においては、患者さんをはじめから加温すると…

  5. 麻酔科後期研修

    麻酔科の魅力

    2005年10月29日(土)の、広島大学麻酔蘇生学関連病院グループ 後…

  6. 世間の常識

    鵜呑み

    「物事を鵜呑みにする」というように使う言葉がある。1週間ほど前に「医療…

PAGE TOP