研修医を指導するのに、臨床教育1分間指導法というのがある。米国で考えられた手法であるが、現代の臨床教育でも用いられているので紹介する。管理人はこの指導法を聴いたとき、マニュアル的だなと感じたが、指導の要素を漏らさずに含んでいるので、手短に指導するときにはこれに従った方がうまくいくことが多い。しかし、うまくいくかどうかは指導医のスキルによるところが大きい。指導医自身の感情のコントロールと指導すべき内容を持ち合わせていないと、形だけまねしても失敗する。特に、研修医を責め立てる指導医は、かなりの修練が必要だと思う。いかがだろうか。
■臨床教育1分間指導法(Six Micro-Skills for Clinical Teaching)
1. Get a commitment(研修医の考えを聞く)
2. Probe for supporting evidence(研修医から根拠を聴く)
3. Teach general rules(一般論を示す)
4. Reinforce what was done right(できたことをほめる)
5. Correct mistakes(間違いを正す)
6. Identify next learning steps(さらなる学習を勧める)
実際には、
1.研修医の考えを聴く「先生はどう考えるの?」
2.研修医から根拠を聴く「なぜそう考えたのかな?」
3.一般論を示す「ここで大事なことは・・・」
4.できたことを褒める「特に、・・・は良かったね」
5.間違いをただす「今度は・・・しようね」
6.次の学習を勧める「もっと勉強するとしたら・・・」
●外来研修医教育への招待 第3回研修医とともに外来を ちょっとその前に(前編) [医学書院]
●Five Microskills for Clinical Teaching(Clinical Teaching Handbook)
●The One-Minute Teacher:Six Microskills for Clinical Teaching(PDF)