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研修ワンポイント アーカイブ

2008年12月21日

風のガーデン最終回から

先週の木曜日の風のガーデンの最終回には、麻酔科医として一度は誰しも考えたことがあることを貞美先生が打ち明けるシーンがある。管理人は、きっと出るのではないかと予測していたが、やはり最後に出てきたのでほっとした。「内科医や外科医にある種のコンプレックスを持っていた時期がある。自分は病気を治すのではなくて患者の痛みをとることだけしかしていないと言うことだ。しかし、医学というのは病気を治すだけではない。医学は患者のあらゆる苦痛をとるいうことがその役割であると。いま、ぼくは麻酔科医になって正しかったといえる。」という台詞がそれである。
管理人も、若い頃、同じことを考えていた時期があるが、それを乗り越えたときに"麻酔科医としての自信"ができたように感じている。管理人が言いたいのは、どんな医療行為でも自信をもって行うには迷いや悔やみがあってはいけないということである。プロフェッショナルの麻酔科医としてやっていくためには、乗り越えなければならない命題だと思っている。

2008年11月 6日

3分間砂時計GET

suna2.JPG本日、ようやく3分間砂時計をGETした(ちょっと遅い?)。Y社の方曰く「なかなかつかまらなかった」とのことで、管理人に手渡すのが遅れたそうだ。この砂時計、AP通信で9月に話題になっていたものである。SATチームの管理人であるが、こういったアナログ的なものも意外に好きである。さて、この砂時計レミフェンタの半減期を計れということである。Ap通信にもかかれているが、レミフェンタニルは投与し続けても、CSHTがほとんど変化しない(3分)ため、OFFにしてから血中濃度が半分になるまでの時間が、3分計で計れるのである。現在、0.3μg/kg/min(定常状態)で投与していたとしよう。現在の予測血中濃度は、0.3×25=7.5ng/ml程度である。ここで、offにしたとすると、半分の3.75ng/mlになるのに3分、その半分の1.875ng/mlになるのにさらに3分、その半分の0.9375ng/mlになるのに3分とすると9分で1ng/mlを切る計算である。
また、導入時のレミフェンタニルを0.5μg/kg/minで開始、砂時計スタート、3分後に0.25μg/kg/minに減量すると、6ng/mlになるというシミュレーションがある(電脳麻酔ブログ:ヤンセン砂時計の使い方)。このタイミングを計ることができるのである。ストップウオッチでもよいのであるが、砂時計がおちるまでというのがせせこましくない。ストップウオッチだと競技のようで管理人は好きではない。今時はやるもの。それは砂時計である。

麻酔を失敗する

「手術を失敗する」という言葉はよく聞くが、「麻酔を失敗する」というのはあまり聞かない。しかし、手術に関しても上手/下手(じょうずへた)が問題になるのだから、死ななければよいという時代ではない。麻酔に関しても同様である。麻酔も上手/下手が問題になっているのである。とすれば、管理人はこれまで「麻酔を失敗する」という概念はなかったが、「麻酔を失敗する」という言葉を積極的に使っても良さそうである。麻酔科医には、常に麻酔は成功することを要求されている。「Failure is not an option」である。
実は、この「麻酔を失敗する」という話題は、日本麻酔科学会が本日発表した「「歯科医師による医科麻酔」に対する日本麻酔科学会の見解」の中に使われている言葉である。たしかに、下手な医師がやれば「麻酔は失敗する」のである。

2008年10月27日

Failure is not an option

R0010896.JPG"Failure is not an option"というのは、アポロ13号が月に向かう途中で事故をおこしたため、月着陸を断念し、奇跡の生還を果たしたときに言われた名言である。「失敗というオプションはない」というのは「失敗は許されない」という確固たる信念を謳った名文句と言われている。
この名文句を書いたマグネットを管理人は2個、麻酔科控え室の出口のドアにつけてみた。控え室から手術室に向かうときに心に刻む言葉である。
麻酔に失敗は許されない。麻酔科医にとっては、まさに「Failure is not an option」である。
これに、気づいてくれる麻酔科医はどのくらいいるだろうか。今後、この名文句を麻酔科で流行らせたい。

Failure Is Not an Option: Mission Control from Mercury to Apollo 13 and Beyond

2008年7月16日

がんばりましょう、番外篇

テレビドラマや小説などでも、最近は麻酔科医の活躍を取り上げているものが多い。その中で、管理人がチェックしているのは医療の常識としておかしな場面があるかどうかである。多くの医療ドラマは、オーバーで滑稽であるが、一般人にはオーバーでないとうけない。特に、麻酔科医が登場するものは、外科医がスーパードクターであることが多く麻酔科医もかっこよく描かれているのが常である。
さて、「がんばりましょう」であるが、ドラマや小説のどの場面で使っているかをチェックしてみるとまた、新たな楽しみかたができる。たいていは、がんばりましょうというのは麻酔科医ではなく看護師である。特に予定手術が狙い目である。看護師、それも看護師長や看護主任が「がんばりましょう」と声をかけることが多い。病棟看護師はまだ許せるのだが、手術室の看護師が、これから全身麻酔の導入をするときになって「がんばりましょう」というのは許せない。
最近、発行された麻酔科医を扱った小説で、この場面が描写されている。まだ、読んでいない人もいると思うので、答えは明かさないでおく。果たしてどうなのか。

2008年7月 6日

各種デバイスによる気管挿管トレーニング(第5回麻酔科学サマーセミナー)

第5回麻酔科学サマーセミナーで、管理人が司会を担当させていただいた「各種デバイスによる気管挿管トレーニング」では、エアウェイスコープ(AWS)とエアトラック(ATQ)の達人によるレクチャーとハンズオンが行われた。AWSは、ブラードマスターである鈴木先生(旭川医大)、ATQは電脳麻酔ブログの森本先生である。ATQは電脳麻酔ブログをご参照いただくとして、AWSについて内容を紹介しよう。AWSの挿管の4つのプロセス(Insertion、Rotation、Elevation、Intubation)がある。AWSのブレードは喉頭蓋の下に挿入する。また、ATQのブレードは喉頭蓋の上(マッキントッシュと同じ)に挿入する。通常の6.5-7.5mmIDの彎曲型チューブは容易だが、らせんやストレートのチューブでは的の下方に向かうのでブジーによる誘導が必要なことがある。
AWSの弱点には6Ksがある。6Kとは、こども、こがら、小あご、開口制限、気道の解剖学的異常、頚部の可動域制限である。該当症例に当たる場合には、AWSが万能でないことを肝に銘じAWSのバックアップ手段を用意した上で臨む。

2008年7月 3日

がんばりましょう、その後

以前に、「がんばりましょう」は全身麻酔を受ける手術直前の患者にはふさわしくないことを書いたが、その後に気づいたことがある。病棟看護師の中に、数人、「がんばりましょう」と言わない看護師がいる。数人のうち、何人かに聞いてみた。どうして「がんばりましょう」と言わないのか。やはり、がんばりましょうはおかしいとの答え。もう一つわかったことがある。ある一定期間、手術室での勤務経験があるということだ。たしかに、患者を受け入れる側の(ある程度経験のある)手術室看護師は「がんばりましょう」とは言わない。手術室看護師といえども、新人は別である。
これらを考え合わせてみると、手術室でどんなことをするのかが、きちんと理解できているということが、大切なのではないだろうか。中堅までの外科医は、やはり、手術や麻酔というものを(きちんと)理解できていないのではないか。という疑問がわいてきた。
しばらく、外科医と看護師の観察を続けてみようと思う。

2008年6月 9日

GasManのベータ版

GasManという吸入麻酔薬のシミュレーションソフトウェアが、新しいバージョンを出す予定らしくて現在、ベータ版のテストを行っている。ベータ版とは正規版をリリースする前にユーザにボランティアでテストを依頼することがある。ようやくVISTAとMac OS Xに対応するらしい。管理人がアクセスしたところ、ベータ版でバグが出たので、次のベータ版のリリースまでに数日かかるとのアナウンスがあった。このベータ版を使用するに当たっては、覚悟が必要。動かないだけでなく、もしかするとPCを破壊したりするような大きなリスクがあるかもしれない。それがいやなら、正規版がでるのを待って購入するしかないであろう。

2008年5月20日

会長企画:工夫とロジック

第55回日本麻酔科学会学術集会で 緊急公募していた、会長企画"私のテクニック:工夫とロジック"に管理人の「新人への気管挿管事前トレーニング~喉頭鏡の握り/素振りとエア挿管~ 」が採用された。喉頭鏡の握り/素振りの指導法をはじめて公開します。お楽しみに。

6月13日 (金)13:30~15:15 中央特設会場

日本麻酔科学会[会員専用パスワード要]

2008年5月 7日

RE:福井大学での講義

AP通信に「福井大学での講義」という記事が掲載されている。ここに書いてあるとおり、Tsunetan先生の次が、京都大学の瀬川先生、その次が管理人ということで、福井大学に招かれて講義を担当させていただいた。特別講義は、偉い教授を招いてするものだと相場が決まっているが、さすが重見先生、よいアイデアであると感じた。学生には、どううつったかはわからないが、管理人はかなりの手応えを感じた。珍しかったのであろう。講義に動画と音声を導入してみた。動かないスライドで言葉で訴えても響かないのならマルチメディアでというのがよかったのかもしれない。Tsunetan先生がかかれているように、ほぼ全員が出席している感じ。さらに、午後おそくの講義にもかかわらず、つまらなそうにしている学生は少なかった。重見先生からの注文は、"麻酔科の臨床実習の前にカツを入れる"のと"麻酔科の魅力を語る"ことであった。管理人としては、あまりしゃべりすぎない。内容を盛りだくさんにしない。ことに注意をして構成したつもりだ。
麻酔科の魅力として、麻酔科の仕事の広がりや、麻酔科医のQOL、これからの麻酔科について希望のもてる内容にしたつもりであったが、果たしてどうとらえたのだろうか。マルチメディアで説明したのは、管理人の最近の十八番である"麻酔トレーニング"シリーズ中で最強の"気管挿管トレーニング"である。学生にもうける内容であったようだ。麻酔科医の得意とする身近な内容を自信をもって話せば、よいと思った。
Tsunetan先生のようにしゃべり倒したというほどではないが、いつも通りの調子で講義ができました。また、呼んで欲しいです。

2008年5月 4日

がんばりましょう

全身麻酔を導入しようとしていると、患者に向かって「がんばりましょう」という人々がいる。管理人は、この「がんばりましょう」を許容できない。全身麻酔状態になっている患者が何をがんばるのか?
通常、患者さんに向かって「がんばりましょう」というのは、せいぜい「一緒に、がんばりましょう」というべきであろう。それも、入院とか治療とかを始める前にかける言葉である。これから、全身麻酔を導入しようとしているときに「がんばりましょう」というのは、大抵、お気楽な中堅以下の外科医である。それも、こういっては悪いが、手術はあまりうまくない。研修医がそれをまねしているのを見かけることもある。がんばるのは、医療サイドであって全身麻酔で手術を受ける患者さんががんばるのはおかしい。口癖でいっているのであろうが、ちょっと考えて欲しい。
もう一人、手術室に入ろうとしている患者に「がんばってください」と声をかける病棟看護師もいる。何か言わないと気が済まないと思っているのだろうが、これも変である。
「がんばる」以外の日本語を知らないのだろうかと、思ってしまう。もし、声をかけるなら「安心してくださいね。きっとうまくいきますよ」とか「日勤中に終わったら、私が迎えに来ますからね」とかいくらでもかける言葉はあるだろう。「がんばる」というのは、一見べんりな言葉のようだが、手術直前の全身麻酔を受ける患者さんに向かっていうのは、ちょっと許容できないのである。

2008年4月25日

モ源病,ふたたび

"モ源病"とは「モニターに出た数値のみを信じて,それに振り回され本質を見失う状態になることをいう」(byさぬちゃん)である.このモ源病,研修医がよくかかっているのだが,ある程度できると思っている先生も最近はかかるらしい.どうしたら,モ源病にかからないようになるか.それは,きちんとモニターの原理を知っておくこと.何が起こっているかを確かめることである.それには,自分の五感で確認することである.見ればわかること.聴けばわかること.触ればわかること.など,モニターから出てくる数値とはあわないことはないかどうかを確かめることである.見るのは波形であり,術野であり,画像であり,トレンドであり,センサーであり,患者である.もっとほかにも見るだけでわかることがある.また,手術の状況や術野の操作などはモニターより術者が知っていることもある.これは聴くというより聞くかも知れない.

2008年4月16日

レーザーポインター論

プレゼンの時にはレーザーポインターがあると便利である。画面が動いても、適当にレーザーポインターで追いかけて示すことができるからである。しかし、最近、レーザーポインターを使わない(使えない)講演を依頼されることがある。それは、別の部屋で同じ画面を見ている場合や、2面同時に同じ画面を左右に置かれている場合である。横長の会場とか、複数部屋の会場の時には、演者がひとつの画面をレーザーポインターで示しても、もう一方の画面では指し示したものが、何かわからないのである。そこで、こういった場合にはプレゼンの画面に指し示したいものをマークする必要がある。静止画の場合は簡単だが、動画の場合はプレゼンファイルを作成しなおすのが面倒である。レーザーポインターはなくても、指し示しているものがわかるような工夫は、はじめから盛り込んでいたほうが良い。これが、管理人の最近のプレゼンである。
どうしても、途中でレーザーポインターが欲しければ、そこだけレーザーポインターを使えばよい。
レーザーポインターは赤ではなく緑がやさしいし、流行である。管理人も以前、msanuki.orgで紹介したように緑のレーザーポインターを使っている。最近は、赤も持っていて2刀流でやることもある。
赤でよければBluetoothマウスに内蔵されたmicrosoftの製品がお勧めである。

以下は何れもmsanuki.orgの記事
緑レーザーポインターとバリアフリープレゼン
レーザーポインターと3面のスクリーン
レーザーポインターを使うプレゼン
レーザーポインターを使わないプレゼン
レーザーポインター(その後)

2008年3月31日

英語でプレゼン:発音よりも語彙よりも大事なこと

2008/3/29の研究留学ネットでも取り上げられているのですが、英語でプレゼンテーションするときの"はずしてはいけないこと"についてです。元ネタは、マイコミジャーナルのエンジニアのための英語術(42) 発音よりも語彙よりも大事なこと - 英語でプレゼンテーション その1 と エンジニアのための英語術(43) 論理のルールに従って主張を整理する - 英語でプレゼンテーション その2 です。Ruby開発者のまつもとゆきひろ氏が、ネイティブの前で英語で行ったプレゼンテーションが1時間ものプレゼンテーションをそつなくこなしているのに、ネイティブから「英語を勉強した方がよい」と批判を受けていることに始まります。"プレゼンテーションをするにあたって「英語を勉強したほうがいい」といわれると、日本人は一生懸命、発音のトレーニングをしたり、英語の言い回しを覚えたりしますが、実は、発音よりもプレゼンテーションの構成を英語流にするほうが重要なのです。"というのがその理由です。

重要なのは自分の主張であるthesisを決めて、プレゼンテーション時にはっきりと言うことです。たとえ情報提供のプレゼンテーションであっても、自分が情報を提供することで主張したいのは何か、これを言うのが英語です。
"かなり、きつい指摘ですが、"THESIS"がしっかりしていないと構成も変化します。英語でキチンと受け答えできる=プレゼンテーションがうまい、ということではないということです。

2008年3月23日

「術中覚醒」が議論を呼んでいる

術中覚醒が麻酔ディスカッションリストで話題になっています。事の発端は、The New England Journal of Medicineが術中覚醒とBISに関する論文(Anesthesia Awareness and the Bispectral Index. N Engl J Med 2008; 358 : 1097 - 108 )を取り上げられた事によります。しかし、この論文は結論の導き出し方に、かなり無理があります。読んでいただければわかります。2000例を対象に2群に分け各群の術中覚醒の頻度は2名ずつです。発生率が少ないので、とても2000例から導き出すには統計学的にも無理があります。
術中覚醒の問題点は、術中覚醒を体験した患者がPTSD(Post-traumatic stress disorder)になる可能性があるということです。すべての患者が、PTSDになるわけではありません。たとえば、わざと術中に覚醒させて機能をみる手術(awake craniotomy)などでは、PTSDになる患者はいません。術中に覚醒したことが、PTSDになる状況でない場合には、術中覚醒してもPTSDにはなりません。術中に覚醒させることをあらかじめ話しておいて、覚醒していた状況が本人にとって苦痛でなければ問題ではありません。術中覚醒してPTSDになる状況は、覚醒した時に苦痛であると感じている必要があります。通常は、麻酔科医が術中覚醒が起きていることに気づかなくて、不意に覚醒している状況でおこります。麻酔薬や鎮痛薬がうまく投与されておらず、覚醒状態になってしまって動けない、痛い、つらいといったような状態です。麻酔科医が覚醒していないと信じていて、種々の麻酔処置や手術操作が加わっている状況です。また、手術の真っ最中でなくて、麻酔のかけ始めだったり、麻酔からの覚醒間際にも、覚醒していて患者さんがPTSDになりうる状態があるのではないかと想像されます。
管理人は、麻酔のかけ始め麻酔からの覚醒間際で明らかに覚醒していないであろうと思っても、必ず、患者さんに「大丈夫ですからね」、「○○しますよ」と声をかけている。術中覚醒は、術中のすべての時点で覚醒しているわけではありません。麻酔が浅い状態になったとき、麻酔のかかりはじめや麻酔のさめぎわに、覚醒している可能性があるからです。
全米で昨年末に公開されたawakeという映画が、2008年には日本でも公開される予定です。それによると、700人に1人は術中覚醒を体験しているとされますが、通常、術中覚醒にきをつけて麻酔管理をおこなっている管理人にとっては大変、頻度が高い数字であるという印象です。

2008年2月19日

麻酔導入後の声かけ

麻酔科医は他の麻酔科医の麻酔を見る機会は少ない。最近、自分の症例の入室までに余裕のあるときには、できるだけ他の麻酔科医(麻酔専門医以上)の麻酔導入を見ることにしている。自分の参考にもなるし、どのような対応をしているかがわかる。麻酔導入法やテクニックを見ているのではない、一挙手一投足、立ち振る舞いを見ているのである。
本日、管理人以外で、はじめて、普通では意識がないと考えられる(BISが40程度までさがっている)患者さんに、声をかけながら医療行為を行っている麻酔専門医をみた(当院以外では初めてではない)。BISが40であっても必ず意識がないかといえば100%ではないことはお分かりであろう。しかし、その患者さんに声をかけていますか。管理人は、覚醒している可能性は少なくともなにか行う前には、必ず声をかけて行うようにしている。周りからはすこし変な目で見られることもあるが、以前より術中覚醒とPTSDのことを考えて、管理人はそのように対応するようにしたのである。おそらく、管理人と同じ考えであると思うが、初めてそのような麻酔科医を見た。だれかって?ヒミツです。
皆さんも、時間の空いているときには他の麻酔科医の麻酔導入や麻酔覚醒場面を見ると勉強になるかもしれません。

2008年2月18日

よくできる(ようにみえる)研修医のコツ

よくできるように見える研修医がいる。管理人がこれまで見てきた研修医で、よくできる(ようにみえる)研修医に共通したことがある(管理人が観察できたこと)。それは、プレゼンがスムーズ。患者さんや指導医との会話がスムーズである(話がうまい)。声量がある。この特徴はどこから生まれるのか?自信である。ある程度勉強している自信。ある程度練習している自信。である。その研修医にプレゼンはどうしているかと聞くと、練習していると答える。よくできる(ようにみえる)ためにはそれなりの努力をしているのだ。
よくできる(ようにみえる)と書いたのは、研修医としてはよくできるという意味である。
よくできるように見えるとよいことがあるのは、ある程度、上級医からの信頼が得られ、いろいろなこと(医療行為)をさせてもらえる可能性が高い。
これとは対照的に、なぜか自信満々だが、よくできるようには見えない研修医もいる。この特徴も共通点がある。(実践的、実際的な)勉強していない事が多い。ポイントをはずしているのだ。
おそらく、勉強した実感はあるのだが基本的に時間が足りていない場合もあるかもしれない。

2008年1月29日

最近の気道確保器具雑感

200633-01.gifのサムネール画像ここ数年で、気道確保の道具がいくつか売り出された。最近(でもないか)、使っているのはペンタックスのエアウェイスコープである。似た道具で、先日、電脳麻酔ブログでも話題になった、エアトラック(AIRTRAQ)(MERAが取り扱い)がある。この2つの違いを、比較してみよう。といっても雑感としてである。現時点での使用感(管理人の印象)としてお読みいただきたい。

2008年1月27日

下あごの位置

msanuki.orgでは以前から,"歩き","常歩(なみあし)"について話題にしてきた."なみあし"とは"なんば歩き"などの2軸歩行のことである.さて,その常歩について扱っているブログ「常歩無限 -驚異のスポーツ上達法-」「下あごの位置」という記事が掲載された.

超一流のスポーツ選手の顔をみると、下あごが大きく見える
選手がおおいです。
 例えば、ハンマー投げの室伏選手、イチロー選手、松井秀樹
選手、さらにはスケートの荒川静香選手・・・・・・・。
 下あごが大きく見えるのは、何故でしょうか?。実は、下あごが
前方にスライドしています。この状態をあごを緩めるといっています。
多くの選手たちに見られる操作です。
(中略)
宮本武蔵は「おとがいを出せ」といっています。おとがいとは
あごのこと。一般には、あごを出して顔が少し上を向くと
解釈されていますが、そうではなく下あごを前方にスライド
させることを言ったのかもしれません。

というものですが...要するに気管挿管時のスニッフィングポジション(アイ~ン)のことです.
こうすることで,気道が開通し呼吸が楽になるのではないかということです.
この下顎をスライドする動きは,気道を開通させるために大切な動きです.
管理人も,スポーツの時にも気管挿管の時にもスニッフィングポジションを大切にしています.

2008年1月28日

他人とは違った教え方ができる能力

IT理論というのを以前紹介したことがある。思い出していただけただろうか?
ITとは、Impression×Times=記憶の定着であった。ようするに、印象深ければ繰り返し学ばなくても記憶に定着しているが、そうでなければ繰り返し学ばないと記憶に定着はしないというものである。プレゼンでも、学習でも同じである。学んだことを1回で脳に定着させるには、非常に印象深いプレゼンや教え方をしないといけない。学習する側の問題ではなく、教える側の問題ということになる。そう考えるならば、うまく教えるということを特技とするのは非常に価値がある。教師としては一流というわけである。このIT理論が正しいとするならば、一定期間経過後に記憶に残っている度合いをテストをしてみればうまく教えられたかどうかがわかるのではないだろうか。
いずれにしろ、他人と違った教え方、それも印象に残る教え方ができるというのは、いつの時代も、必要とされる能力であろう。こういった、教える側の能力はもっと評価されてもよいのではないだろうか。

2007年12月19日

眠りと目覚めの間 - 麻酔科医ノート -

眠りと目覚めの間 - 麻酔科医ノート -とは、北里大学医学部麻酔科教授の外 須美夫 先生がMedical Front International LimitedというサイトにWEB連載されている、麻酔についてのエッセイである。非常に好感の持てる内容で、麻酔に興味があるなしにかかわらず一読されることをおすすめしたい。現在では第1回(麻酔は必要悪)から第6回(意識)まで掲載されている。内容もさることながら、文章の明快さには感服する。そして、指導者らしくきちんと方向性を示してくれている。
管理人が大いに共感するのは第6回の締めの言葉である。脳機能の研究の最後で「日本麻酔科学会学術集会で大きなテーマとして取り上げられたにも係わらず,麻酔機序の講演やシンポジウム会場には若い麻酔科医の出席が少なかった。一方,最近発売された麻酔薬の使い方や麻酔機器のハンズオンセッションは大入り満員であった。多くの麻酔科医の意識が実用的なほうに向かっている。研究に興味をもたない麻酔科医が増えていることに対して,危機意識まで麻酔させてはならない。」
若い先生方にかかわらず、中堅の方々も、実用的なお手軽簡単なものだけを選んで満足していないだろうか?

2007年11月28日

丸石製薬の配布している麻酔情報誌

最近(少し前から),丸石製薬が発行している麻酔情報誌のバックナンバーがPDFで入手できるようになっている.Anet(Anesthesia Network)である.もうひとつAnesthesia21Centuryというのもあるが,こちらは一部のみインターネットに公開されている.冊子体だけではなく電子メディアでも公開されていることは大変感謝したい.
また,麻酔薬に関する冊子などもPDFで入手可能である.このようなサイトでの公開は広く知られるようになれば,われわれ麻酔科医にとって大きな財産になる.

麻酔・鎮静領域情報(丸石製薬)

2007年11月18日

動脈ラインのゼロあわせ

動脈穿刺には非常に興味があり率先して,穿刺に手をあげる積極的な研修医が多い.麻酔科だけではない救急領域でも同様である.しかし,準備に関しては興味が無い.穿刺前に動脈圧とモニターとの接続コードの接続がなされていないことが多い.動脈穿刺後,カニュレーションをして圧トランスデューサーのラインをカテーテルに接続しても圧波形が出ない.その時点で,接続コードがつながれておらずゼロ合わせもされていないことに気づく.何度も同じ光景が見られる.何のために動脈穿刺を行っているのかがわかっていない.手技だけマスターしたいということの表れだろうか.気管挿管の場合も同様の傾向が見られる.気管に入ればOK,入らなければダメ.それだけでは,かなりさびしい.何のための,誰のための気管挿管だろうか.研修医の練習のため?ではない.そこから認識して研修を行うことが大切である.ただでさえ,医療側のミスやトラブルには敏感な時代である.手技(穿刺や挿管)だけできても,できたとはいえないのである.

2008年2月15日

1分間プレゼンと3分間プレゼン

1分間でまとまった内容を話そうとするとき、語句の選択以外に話す順序も吟味する必要がある。もちろん、止まったり、よどんだりすることは許されない。当然、練習も必要である。同じ内容を3分で話す場合には、考えてゆっくり話しても何とかなることがある。しかし、準備すれば1分で話すことができる内容を3分かけて説明するのは疑問である。3分かけて説明した場合と、1分で説明した場合の説得力はどうだろうか。比較してみると良い。
いくら、普段から意識せずに使っている日本語であってもプレゼンとなると、一段階、いやそれ以上の洗練した内容が要求される。
プレゼンは学会発表や毎日の症例カンファレンスのためだけではない。人を相手にする職業の人たちはすべてプレゼンがきちんとできなければ、上司や部下への報告もpoorになる。相手の理解が悪いのは、自分の伝え方が悪いのではないかとまず考えよう。

2007年11月 8日

最近のプレゼン

5年ほど前に「デジタルプレゼンテーション」という書籍を共著で出版した管理人だが、最近ではデジタルプレゼンテーションは当たり前になっている。デジタルプレゼンでないのを見つけるのが困難な時代である。最近では、文字をあまり使わず感性に訴えてプレゼンをするために動画が頻繁に使われるようになった。動画プレゼンも当たり前になりつつある。この動画プレゼンテーションであるが、動画をパワーポイントに貼り付けるだけのものからナレーションを含んだ手の込んだものまでいろいろな表現方法が考えられる。動画を撮影することはできるが、どうやってプレゼンに利用したらよいかを考えたことがあるだろうか。DVDになら動画を記録できるが、プレゼンに使える動画は難しい。その理由は、限られた時間に一目見てそれとわかるシーンを写す必要があること。強調したいところ、絶対に聴衆に寝てほしくないところに動画を入れる必要があること。長々と動画だけで内容を構成できないことである。内容があって、それに見合った動画を撮影する必要がある。そこら辺にある動画をつないで、プレゼンができるようになるには日頃から動画を撮影しておく必要がある。撮りためていればいざというときには困らない。
日々、目が肥えてくる聴衆を満足させるには、演者も日々、プレゼンを楽しくする工夫について考える必要がある。
日々是丹精!

2007年10月25日

オーディオブックでNHK徹底トレーニング英会話

電脳麻酔ブログにも以前紹介されたことのあるipodやitunesで聞くことができるオーディオブックに、今年になってからNHK徹底トレーニング英会話が加わった。聞き逃した週のチェックや復習によいかもと思って購入してみた。自分が録音したAM音源よりはずいぶん音がよい。それもそのはず書店で販売されているCDと同じものとの解説がある。ちょっと邪道であるが、AMがあまりきちんと入らない地域の方には重宝されるかもしれません。
オーディオブック-番組&定期刊行物

2007年10月23日

目標を設定する(2)

目標を設定し,達成できたかどうかを評価する.自己評価と他人の評価の両方が必要である.自己評価は自分で可能であるが,甘い評価になりやすい.必ず他人による評価を併用する.この他人による評価であるが,指導医が最もよい.この評価をもらうためには,指導医との関係を良好に保つ必要がある.指導医は研修医の目標設定のチェックとともに達成度を評価し,できていない場合は修正をかける必要がある.これは,当たり前のことであるが,周りを見るとできていないことが多いので,ここに書いてみた.

2007年10月22日

目標を設定する(1)

研修での目標を設定することは良く行われています.そのなかでも,毎日の目標や症例ごとの目標を設定することを行っていますか.目標を設定する.そしてそれが達成できたかどうかを評価するという過程が大切なのです.よく,大目標を達成した後は目標を見失ってしまうことがあります.その目標は最終目標であったということです.人が生きている限り,最終目標など無いはずです.必ず,目標を設定して物事を始めないと忙しさに流されてしまいます.

2007年10月 7日

経食道心エコー 撮り方,診かたの基本とコツ

beginer_TEE.jpg超初心者向けのTEEの手引き書.これまでにあったものとは格段に質が違う.日本周術期経食道心エコー認定委員会(JB-POT)資格試験を受験しようという場合には,はじめに押さえておくべき本であることには間違いない.まだTEEを始めていない方,始めていてももう一つわかっていない場合には非常に役立つ本になると思う.管理人も一通り読んでみたが,非常によくできている.わかりやすい.初心者には超おすすめ.

カラー写真で一目でわかる 経食道心エコー 撮り方,診かたの基本とコツ
岡本浩嗣,外須美夫(羊土社)

A4判  120ページ  ISBN 9784758106375
2007/09発行 定価 5985円

2007年10月10日

クロスフィンガーの新指導要領

名前が誤解を生んでいるかも知れないので,クロスフィンガーの指導要領を変更します.
(1)180度のクロスフィンガーで,奥歯を支えます.
(2)そのとき力を入れるのは親指方向ではなく,人差し指方向にしてみてください.
(3)決して90度~180度に口の中で角度を変更しようとしてはいけません.はじめから180度です.
(4)180度方向にしか力を加えてはいけません.
(5)口の中で角度を変更しようとすると,上顎と下顎の軸がひねられて,くちがうまくあきません.
(6)最大のポイントはクロスフィンガーをする前には下顎が上顎より上にある状態(スニッフィング)で,口を少し開けて,180度にクロスフィンガーした指を入れましょう.
(7)クロスフィンガーで口を開けるのではなく,少しあけた口に180度のクロスフィンガーの指を入れて,(1)ー(6)の要領でささえるのがポイントです.

2007年10月 3日

研修医の75%が学術誌論文の統計解析について全く理解できていない

ケアネット.comに「研修医の75%が学術誌論文の統計解析について全く理解できていない」というJAMA誌9月5日号の引用報告が出ている.それほど,驚くべき結果ではないが,日本でも同様ではないかと想像される.自分が研修医の頃を思い出してみれば納得するであろう.統計解析などは必要に迫られないと身につかないものである.そこで,第11回広島麻酔エキスパートセミナーでは「論文を読むために必要な統計学」を企画している.ぜひ,研修医だけでなくエキスパートも参加してほしい.

2007年10月 2日

麻酔科研修の特徴を一言で言いあらわす

麻酔科研修の特徴を一言で言い表すと,「インタラクティブ」である.少なくとも管理人の元で行う研修は「インタラクティブ」である.見学のみの麻酔科研修はおもしろくない.かといって,手技のみをマスターするためだけに行う麻酔科研修もおもしろくない.気管挿管や静脈ライン確保,動脈ライン確保のみのために麻酔科研修を行うつもりなら,おもしろさ半減,いや1/100だと思う.インタラクティブとは国立国語研究所のホームページによると「送り手と受け手が双方向に作用し合う様子」だそうだ.「双方向的」とも言い換えられる.つまり,どんな症例であれ指導医と研修医が1対1に配置されるならば双方向的な教育ができる環境である.特に,術中で症例が落ち着いているときなどはインタラクティブなやりとりが可能である.もちろん,指導医や研修医のコミュニケーションができる状態でなければならない.つまり,研修医が何も疑問に思わず,指導医も研修医の存在に気遣わなければそんなインタラクティブな指導はあり得ない.
麻酔科研修がつまらない思うあなた,原因はどこにあるのかよく考えてみましょう.もしかすると,インタラクティブな環境が与えられていないのかも知れません.

2007年12月26日

使える医者

管理人の研修医時代の目標は「使える麻酔科医になる」であった。「使える麻酔科医」というのは、「あいつに任せておいたら大丈夫」と思ってもらうことである。他科の医師や先輩に信頼を得ることである。今思ってみれば、研修医としては、かなり大きな目標であったように思う。以前にも書いたが、「使える研修医」というのは、あくまで「研修医」としての信頼をえることであり、一人前の医師として認められるわけではない。しかし、「研修医」であっても他人、特に先輩医師の信頼を得るのは大変なことである。自分が評価者ではなく他人が評価者であるからである。麻酔科医は他科の医師の信頼を獲得する必要があるので、常に客観的な評価を得る必要がある。その評価とは公表されるものではないので、目標の達成についても終わりはない。はたして、「使える麻酔科医」「使える医者」として自分は評価されているのだろうか。

2007年9月28日

ヤブ医者の定義

ヤブ医者とは何だろうかと考えてみた.「できない医者」のこと?と考えてみたところで,ネットで調べた.知泉Wikiによると,”「薮」というのは当て字ではないか?と言う説が現在は有力で、もともとは『野巫:やぶ』だったらしい。この『野巫』とは「田舎者の巫女:みこ」の事を意味している。当時の日本では薬学もあまり発達していなかった為に、病気になった場合、巫女が祈祷をして治すと言う習慣がまだ残っていた。そこであまり上手に病気を治せない巫女は田舎者とされていて「下手な医者」のことを『野巫』というようになったらしい。”とのこと.そして最近では藪にもなれない医者を”筍(タケノコ)医者”と呼ぶらしい.
さて,その薮医者であるが,初期研修医は”薮医者”ということになるのだろうか.ということである.いつの時点で,できなければ"藪"と認定されるのだろう.たしかに,研修医でも医師免許を持っており,保険医なので患者さんの診療を行っている.特に,夜の救急外来などでは初診を見る施設もあるだろう.
...初期研修医はまだ修行中なので”藪”ではなく”筍”という説もある.後期研修医はどうであろうか.やはりできなければ”藪”かも知れない.しかし,まだ猶予期間である.
管理人の意見は,こうである.「専門医という資格があってもできなければ,藪である」.むしろ,専門医という資格にふさわしくない力量の持ち主が藪であると思う.今の専門医制度は,基本的に再試験がない.また,我が国には医師国家試験にも再試験がない.その医師の,その時点での力量を公平な目で判断するものは何もない.患者さんの風評のみである.薮といわれないように,実力を維持していくことが大切であると思う.

2007年9月25日

指導医の進化

研修医も進化するが,指導医も進化する.同じ指導医に習ったとしても2年前と今とでは指導内容が違う.少しずつわかりやすいように指導法を変えているはずである.少なくとも管理人は,2年前とは指導内容が違う.相手にあわせて進化する必要がある.その指導が受けない場合は,ネタを変える.何度も同じ事を教えていると,指導する側も指導に変化をつけたくなるというのも真実である.
 キチンと勉強してくる研修医には教えられることが多い.勉強してくるから,疑問も湧いて質問が必ず出る.管理人は,その質問により良い答えができるよう心がけている.その心がけが,指導医を変化させるきっかけになる.

2007年9月24日

上手なプレゼン,わかりやすいプレゼン,楽しいプレゼン

プレゼンの要素で最も大切なのは,聴衆をいかに楽しませるか(学会なら感心させるか)ということだと思う.もちろん,スライドの要素も大切だが,聴衆の反応を見てプレゼンをすすめることが大切である.プレゼンは対話であると思う.管理人が尊敬するジョブズの新型iMac紹介のプレゼンをごらんいただきたい.ここには勉強すべきプレゼンの心構えが満載である.ぜひ,このプレゼンから上手なプレゼンはわかりやすいプレゼンであり楽しいプレゼンであることをみてほしい.

2007年9月20日

黒子のように動く?

今年の4月に大学病院に転勤してから,以前の病院の初期研修医とのモチベーションの違いを感じることが多くなった.管理人のポリシーは,研修医が大切なことに気づかない場合は,”黒子のように動いて”,患者さんに迷惑をかけないように何事もなかったかのようにすることである.前の病院にいた頃は,黒子のように動く頻度は少なかったのだが,今は頻繁である.明らかに違う.ここまでくると,殿様麻酔である.研修医の研修のために時間が流れていると感じることさえある.
愚痴を言っている故ではないが,もう少し,「麻酔科研修チェックノート」を読み込んできてほしい.麻酔科研修が始めるまでに,最低1回は読んでおいてほしい.

2007年9月19日

デジタル文献整理術 第3版

克誠堂からデジタル文献整理術 第3版が9月18日に発売されました.EndNote WEBの使い方を追加して,バージョンX11までに対応しました.

2007年9月11日

レミフェンタニルの感触(200709)

最近,レミフェンタの使い方がすこしわかってきた.皆さんが困っていることに対して,管理人も困っていたが,これも少し解決しつつある.コツがわかったという感じだ.効能書きどおりにレミフェンタニルを使用しているうちは,どうも具合が悪かったのだが,工夫を重ねるうちになんとかなる様になってきた.コツはムキにならないこと.レミフェンタに頼りすぎないことである.

2007年9月10日

サヌキャップ

日経メディカルオンラインとカデット第3号(2007年9月5日発行)に"サヌキャップ"が紹介されています.Cadettoはイタリア語で弟の意味。『日経メディカル』の弟分である若手医師向け雑誌『日経メディカルCadetto』です。U35ドクター向けのキャリアアップ関連情報をお届けします。
■日経メディカルカデットの冊子体はここから申し込みができます.(医師であれば無料で送付されます).ただし,今からの申し込みでは第4号からになります.

2007年9月 9日

ACLSヘルスケアプロバイダーコース(G2005)

先週に引き続いて,ACLSヘルスケアプロバイダーコース(G2005)を9/8-9/9と受講した.なんと,後になって気づいたが,本日は救急の日である(9月9日).それはさておき,感想を忘れないうちに書いておきたいと思う.
BLSとACLSの違いは”身体で覚える”割合かなと思った.先週のBLSでは,ほとんど頭は使わなかった.判断を要求される場面が少ない.ひたすら有効なCRPとAEDである.心電図も読む必要はなくAEDにお任せ.こちらは,前回も書いたがビリーのブートキャンプのノリで押していけば,受講生はついてくると思う.しばらくは...ある意味,やりやすい.
年齢を超えて,職種を超えて同じノリで大丈夫だと思う.
しかし,本日のACLSはちょっと頭も使う.decision makingの場面でも,時折,悩ましいことがある.院内のチームのリーダーであるので,多くの人に遅滞なく指示を出さなければならない.G2005でのおきまりの手順に従う必要があるので,G2005を覚えたての管理人にとっては,考えながらの指示だしになる.ちょっとぎこちない.これらの,アルゴリズムを完璧に何も考えなくても反射的にできるようになるには,すこし実務が必要だと感じた.機会があれば,何回かコースを見てみたい.
もう一つ,ACLSとBLSで参考になったのは,他人のチームリーダーぶりを見ながら何回も繰り返し勉強できるという点である.これで,けっこうイメージトレーニングができる.自分がリーダーをやっているときには気づかないことを,冷静に見ることができるので,自分の番では注意して行うことができる.繰り返し学習することの大切さが,1回のコースを受講しただけで身にしみてわかった.
そして,受講生もけっこーハードだがインストラクターはもっとハードだということもよくわかった.大変ありがとうございました.
さて,これだけでは読者が満足しないので,管理人がコース中に考えていたことを少し書きたいと思う.胸骨圧迫に使う筋肉(や関節)はどこかということである.ご存じのように胸骨圧迫(心マとはいわない)は100回/分のペースで行うのであるが,もうひとつ,押したら完全に戻さなければ次を押してはいけないのである.押すときは体重がかかっているので,きんにくはそれほど使わないが,戻すときが問題である.遅滞なくリズミカルに100回/分のペースで有効な胸骨圧迫を行うには戻すときに,筋力をつかうのである.リズミカルに行うには押した後に,戻すことが常に頭になければならないのである.これは,まさにスポーツのように使用すべき筋肉,鍛えるべき筋肉を論ずるべきであろう.かりに,うまく胸骨圧迫ができるようになった疲れにくいプロバイダーを.心マスター(心マ・マスター)とよび,要領よく心マを指導できるインストラクターを心マニア(心マ・マニア)とでも呼んだらおもしろいかもしれない.さて本題に戻ろう.胸骨圧迫の時に使う筋肉であるが,押すときはどこから曲げると楽かといえば股関節である,背骨,とくに腰椎を曲げるイメージを持つと腰を痛めてしまう.戻すときは,腕が肩胛骨からついていると認識すると,肩胛骨を動かして引き上げればよい.いかがであろうか.これが管理人が2週に渡って考えていた心マスターへの道である.

2007年9月 7日

セボフルラン1.5%キャンペーン

”セボフルラン1.5%キャンペーン”というのが始まっているそうだ.ちょっとちょっとである.
電脳麻酔ブログに解説があるが,管理人もフェンタニル,レミフェンタニルを十分併用の状況では1-1.5%でよいと思っている.萩平先生の以前の解説でも1.5%はいらなかったように思う.少なくとも,吸入麻酔薬濃度を計測している限りにおいては1.5%はいらないだろう.覚醒の危険性があるのでというなら,1%以下にしないというので,よいのではないか?そもそもプロポフォールと違ってセボフルランでは術中覚醒は発生率が低く,1%を1.5%にすれば発生率が下がる?というのはどうであろうか.たしかに,濃度を上げれば鎮静は強くなるだろう.しかし,十分に鎮痛がなされている状況においては血圧も低下する.麻酔科医にとっても麻酔の維持をするのが困難な状況になるのも確かである.一律に1.5%にしようというのはいかがなものか.それよりも,きちんとモニタリングをして,いずれの条件もみたして患者さんの麻酔状態を整える濃度で使用するというのが,本来の使い方であろう.ケースバイケースである.個々の患者さんの状態を把握することができる麻酔科医の責任において濃度を上げるべきであって,一律に1.5%にしようというキャンペーンには賛成しかねる.

2007年9月 2日

BLSヘルスケアプロバイダーコース(G2005)

本日,AHAのBLSヘルスケアプロバイダーコース(G2005)を受講した.来週はACLSプロバイダーコースを受講する予定である.AHAのG2005を再履修する目的でうけてみた.以前,といっても5年も前にACLSプロバイダーコース(当然AHAではない)をうけていたのだが,最近,思うことがあって再履修する気になったのだ.DVDでデモを見せながら,一緒に実践するという形式で,まるでビリーのブートキャンプである.ちょっと違うのが,ビリーよりやっている内容が深刻だということ.DVDを見ながらグループでトレーニングを行うことに関しては,ビリーと同様の効果があるのではなかろうか.ビリーも,スタジオでいつも開催されれば続けられる人も多くなってくるのでは?と思った.ビリーの続けられないのは,自宅でできるのだが,チェックする人がいないところ.最近,ビリーのDVDを手に入れて自宅のDVDの前でTRYしようとしているのだが,見ているだけで満足してしまう.実際はやっていないのだが,やっている気になる,できた気になる.そんな効果があるように思われる.ノリはビリーほどでもないが,本日のBLSコースはビリーを,会場でそれもチェックするプログラムつきで行っている,実践プログラムであった.
そんなわけで管理人は,大変満足して帰ってきた.インストラクターの皆様に感謝します.医療系のプログラムで,久々に楽しかった(もちろんインストラクターやコース責任者のかたがたのしゃべりも大きく関与している).

2007年8月30日

お金の取れる麻酔...つづき

昨日のつづきである.
タイミングよく,お金の取れる麻酔を実践している様子を描いた記事が出ている.「膝関節鏡と大腿神経ブロック(電脳麻酔ブログ)」である.管理人の目指している「お金の取れる麻酔」そのものである.患者だけではない,外科医からもリクエストがもらえる麻酔である.
皮肉なことに「お金の取れる麻酔」は,実際には「お金を稼げる麻酔」ではない(意味が違う).「お金をいただいても,はずかしくない麻酔」である.これを実践するには,日頃からの勉強とスキルの維持・向上が必須である.さらに,常に新しいことに挑戦する勇気も必要である.新しいことというと,JK大学泌尿器科の内視鏡手術を想像するかも知れないが,そんなできそうもないことでなく,実力に見合った範囲内での新しいことである.

2007年8月29日

お金の取れる麻酔

むかし,先輩の先生から「お金の取れる麻酔ができる麻酔科医になれ」と言われた.最近,このことを思い出したので,ここに書いてみる.
管理人が研修医の頃,大学病院から市中病院に出向になった.そこで,今はすでに亡くなられた先輩に,「気管挿管ができるだけの医者はいらない!」といわれた.まさにその通りだと思った.決して,管理人が気管挿管のできる医者を目指していたわけではないのだが,その言葉を聞いて「これだ」と思った.要するに,専門性である.専門性をもてということ.気管挿管ができるというのは,べつにたいしたことではない.判断ができるようになることが大切である.どういう状況で,どういう患者にということの方が大切である.手技をマスターするということのみに終始してはいけない.その判断ができるようになり,特殊な手技を上手にできるようになることが本当に,気管挿管をしてお金の取れる医者ということ.
気管挿管をしてくれと依頼されて,ただ気管挿管ができるだけというのはあまりに寂しい.気管挿管の周囲にあることを多く学んで,それをできるようになるという過程が大切.その周囲にあることを深く掘り下げることが,専門性(専門医としての道)につながる.
できるとかできないとかといったことだけを考えているうちは,到底,専門性はもてない.何科であっても意味は同じであろう.
これを,麻酔という行為に当てはめてみると,全身麻酔を依頼されて全身麻酔を行うことができる.というレベルを維持するだけではいけない.同じ患者に,どのように麻酔を行えば,合併症がなく快適で満足のできるレベルの麻酔を提供できるかが大切.この満足できるというのは,時代やここの患者により異なるのである.ここまででよい,と勝手に自分で決めつけないようにしたい.
これが,「お金の取れる麻酔」であると思う.昔,麻酔を習ったので麻酔ができると思っているかた.今の麻酔ができるだろうか?このことは,自分自身でも考えて続ける必要があることだと