研修ワンポイント

術中からの術後鎮痛(3)

術中からの術後鎮痛(2)で示したグラフは、管理人自身が受けた手術の時のフェンタニルの効果部位濃度の推移です。この手術で,msanuki.orgにも報告しましたように1時間後から飲食ができています.吐き気も痛みもありませんでしたし,おなかも動いていました(これに関してはまた別の機会に述べます)。
さて、脊椎手術は効果部位濃度が高めで覚醒させて+NSAIDsでいけるとして、開胸、開腹で術後は硬膜外鎮痛を使用しない場合は、術後鎮痛にはフェンタニルのIV-PCAのような鎮痛が必要になると思います。この場合においても、術中からある程度高め(フェンタニルの維持濃度は3ng/ml-4ng/ml)の効果部位濃度(脊椎手術より高目の効果部位濃度が必要)で、覚醒させなければ、PCA持続だけでは足らない状態になり、痛みがでるためPCAのボーラスをおしまくるという状態になると考えられます。できるだけ術中からの鎮痛を考えることにより痛みのない状態を作り出すことが、術後鎮痛の成功につながると考えます。レミフェンタニルを術中に使用する場合には、とくに術後鎮痛への鎮痛薬の引継ぎを意識する必要があります(術後にレミフェンタニルは使えません)。術後にフェンタニルの余韻を利用するには、術中にフェンタニルを3ng/ml程度(それ以上)で維持して、覚醒時には2ng/ml前後をめざして下げてくるとうまくいくことが多いと感じています(高齢者では覚醒時濃度はもう少し低め)。

白血球除去製剤の供給開始と既存製剤の供給停止について前のページ

ニセコのふじ鮨次のページ

関連記事

  1. 学会案内

    第15回麻酔科学ウィンターセミナーの一般演題募集締切が延長されました!

    第15回麻酔科学ウィンターセミナーは2015年2月6日(金)〜8日(日…

  2. 医療全般

    風のガーデン最終回から

    先週の木曜日の風のガーデンの最終回には、麻酔科医として一度は誰しも考え…

  3. 医療全般

    エコーガイド下中心静脈穿刺

    2010年麻酔科エキスパートセミナー in Hiroshimaでもご指…

  4. セミナー

    麻酔科エキスパートセミナー in ひろしま2014は12月20日(土)です。

    参加登録は2014年12月19日までです。ハンズオンはキャンセル待ちで…

  5. その他

    「麻酔科研修チェックノート」正誤表の在処

    「麻酔科研修チェックノート」の正誤表は羊土社のホームページにあります。…

  6. プレゼン

    プレゼンのスライド

    プレゼンのスライドについて有用なアドバイスが、電脳麻酔ブログに出ている…

PAGE TOP