ある旅行の間にのったANA国際線のビデオプログラムで「おくりびと」が上映されていたので見てみた。この映画,最近,第81回アカデミー賞外国語映画賞を受賞したのでその後で見た人たちも多いであろう。ひさしぶりに,いい日本映画を見た。
本木雅弘演じる主人公が納棺師として,誇りを持って働くようになる過程を通して,人の最期に関わる職業の誇りを上手に描いている。
●おくりびと(Wikipedia)
(あらすじがあるので,ネタバレ注意。まだ見ていない方は読まないでください
)
失業した主人公は募集広告をみて納棺業者に就職する。次第に遺族に喜ばれるようになり、主人公は少しずつ納棺師の仕事に充実感を見出し始めていたが、妻や友人からはもっとまともな仕事につけと,その仕事を否定される。挙げ句の果てに妻は実家に帰ってしまう。小さい頃に主人公と母を捨てて逃げた父親が亡くなったので,ある港町に引き取りに来て欲しいという知らせが入る。主人公は,妻とともにその遺体を引き取りに行くのだが,その納棺を見て,自分がすると申し出る。妻は,そのときはじめて主人公の納棺師としての誇りを目の当たりにする。その納棺の方法は,非常に丁寧で,死者を旅立たせるのにふさわしい姿に仕上げていく手つきは見ているものを魅了する。だれもが,この人にやってもらいたいという気にさせる。この人にやってもらいたいと思われるような仕事こそが,プロの仕事なのである。
この元になったの原作は,「納棺夫日記」であると云われている。
映画では,久石譲さんの音楽もすばらしく,感動を呼ぶ。