初期研修医向け

食道誤挿管

ちょっと前、食道誤挿管に気づかず患者を低酸素症に陥れ意識障害になったとの報道があった。CO2濃度が低かったが、重症ぜんそく発作と思いこんだとのことである。思いこみによる単純ミスともとれるが、真相はわからない。食道挿管した場合、CO2は全く出ないかといえば、そうではない。かすかに呼気CO2モニタでも山が出る。これを見て、重症ぜんそく発作と思いこんだのかもしれない。
幸いなことに、管理人はこれまで食道挿管に気づかずに放置したことはない。逆に、ぜんそく発作を食道挿管と思いこみ再挿管したことは何度もある。研修医の頃から、気管挿管後におかしかったら食道挿管を疑って何をさておいても、即、再挿管を実践してきた。自信が持てなかった時には、気管支ファイバーでのぞいてみたりもした。
重症ぜんそくなら、気道内圧は高く、呼気CO2がほとんど出てこないはずである。食道挿管なら気道内圧ははじめは低いはずである。よほど、マスク換気時に胃内にガスを送り込んでいなければはじめは低く、人工呼吸器で送っているうちに高くなるはずである。
きっと、ぜんそくの既往がある患者さんだったに違いない。ぜんそく、ぜんそくと既往症を復唱しているうちに思いこみ勘違いの悪いサイクルにはまったのではなかろうか。
このような換気ができないという危機的な状態で、パニックに陥ったときの心理は、計り知れないものがある。
とにかく、おかしかったら再挿管である。

空中で操作できるマウス前のページ

頭で理解し 身体で覚える 気管挿管トレーニング DVD次のページ

関連記事

  1. 初期研修医向け

    アルチバの血中濃度予測

    アルチバ(レミフェンタニル)のコントロールにはTCIは必要ないという意…

  2. 初期研修医向け

    黒子のように動く?

    今年の4月に大学病院に転勤してから,以前の病院の初期研修医とのモチベー…

  3. プレゼン

    1分間プレゼンと3分間プレゼン

    1分間でまとまった内容を話そうとするとき、語句の選択以外に話す順序も吟…

  4. 初期研修医向け

    第9回広島麻酔エキスパートセミナー

    昨日は第9回広島麻酔エキスパートセミナーを開催した。今回は、広島以外か…

  5. 初期研修医向け

    モ源病,ふたたび

    "モ源病"とは「モニターに出た数値のみを信じて,それに振り回され本質を…

  6. 研修ワンポイント

    血圧が上がるんですけど・・

    研修医A:「先生,セボの吸入濃度を3%まで上げても血圧が上がるんですけ…

PAGE TOP