初期研修医向け

K-Yゼリーとキシロカインゼリー

K-Yゼリーとキシロカインゼリーの違いをご存じだろうか?数年前から私の勤務している病院では、麻酔科の使用する潤滑剤はキシロカインゼリーからK-Yゼリーに変わっている。管理人が以前勤務していた病院でも、手術室からはキシロカインゼリーは数年前になくなりK-Yゼリーに変わっていた。潤滑剤としてK-Yゼリーとキシロカインゼリーを比べた場合、遜色ないのなら、わざわざキシロカイン入りのものを使う必要はない。だいたい、価格はK-Yゼリーの方が安い。K-Yゼリーは医薬品でないので薬剤部扱いではなくなる。
そもそも、キシロカインゼリーをラリンジアルマスクに塗ると嚥下機能が障害されるのではないかという疑問からK-Yゼリーへの見直しは始まった。気管挿管チューブのカフまたは先端にキシロカインゼリーを塗らなければならないんだろうか?何のために塗っていたのだろうと考えると、キシロカインゼリーである必然性はなくなった。


最近では何でもK-Yゼリーに取って代わっている。経食道エコープローベに塗る潤滑剤、体温測定用のプローベ、胃管の潤滑剤など。キシロカイン中毒ならぬK-Yゼリー中毒状態である。手術室では何の違和感もなくK-Yゼリーを使っている。時に、老練の外科医が「キシロカインゼリーをくれ!」とのたまったりする以外は、キシロカインゼリーの出番はなくなっている。とはいえ、その時にもK-Yゼリーを出しているのだが…
そうそう、言い忘れたのだが、管理人がK-Yゼリーにただ一つ不満がある。入っている容器が昔の歯磨きの入っていた金属のチューブである点である。入れ物のチューブの材質だけはキシロカインゼリーが勝っている。

Visited 99 times, 1 visit(s) today

「月刊アスキー」、臨時休刊で「脱PC」へ前のページ

超音波ガイド神経ブロック・ワークショップ次のページ

PAGE TOP