オトーリと小話

宮古島にはオトーリという酒を飲むときの風習がある。参加者で「親」となるものが口上を述べた後、隣の参加者に自分が飲み使用したのと同じ杯に酒を注ぐ、注がれたものはその杯を飲み干す(女性は、男性に代飲を頼めるが、男性は、原則飲み 干さなければいけない)。それが、一巡すると「親」の隣の参加者が、新しい「親」となり、同じように口上を述べたあと、隣の参加者へと杯が続いていく(Wikipedia宮古島より)。
オトーリをするには酒に強いことももちろんだが面白い口上も述べられる必要がある。いきなり、指名されて面白い話をするというのは、普段からのトレーニングが要求されるところだ。とくに、酔ってきてもそれができるとなると、かなりの実力をつけなければならない。この口上に似た状況が、セミナーや学会での司 会者の立場である。演者が準備がまだのとき、聴衆が退屈しないように、とっさのときの小話ができなければならない。オトーリとセミナーの司会者には、共通 点があるのだ。