天使の挿管と悪魔の挿管
最近,力づくで気管挿管を行って,患者さんの歯を折ったり,唇をきづつけたりする挿管を,「悪魔の挿管」と呼んでいる.逆に,きちんと合併症の無いように配慮して上手に行う挿管は「天使の挿管」と呼ぶ.麻酔科研修で教えるのは後者であるべきで,「悪魔の挿管」ができるのを挿管ができるとはいわない.とにかく「できればよい」,手技を学ぶだけという態度ではいけない.患者さんへの配慮があってはじめて研修といえる.「悪魔の挿管」は人形で経験すればよろしい.まず,「悪魔の挿管」を行っている(あるいは教えている)人は,「医療行為とは」ということから考え直す必要がある.