2010年7月16日

九州じゃんがらに学ぶ新人教育

秋葉原での昼食は、九州じゃんがらラーメンで決まりだろう。そこでの、研修中の新人に対する、指導の仕方のおはなし。とくに、指導法のマニュアルがあったりするわけではなさそうであるが、ある日、チーフ(フロア係)が研修中の新人に注意をしているシーンで、参考になるものがあったので、書いておこうと思う。研修中の新人は、昼時で混雑している状況で、外に並んでいるお客の並びを整理しつつ注文を聞いて伝える仕事をしていた。その新人君、丁寧な言葉でお客さんを誘導しつつ注文を取っていた。それを、フロアにいたチーフが店の中から様子を気にしつつ仕事をしていた。新人君が中に入ってきたとき、どこが悪いかをチーフは、ひそひそ声でなく比較的はっきりした言葉で、新人君に伝えていた。管理人も入り口付近でその様子を見ていた(聞いていた)。「注文を取る前に、必ず、いらっしゃいませと言いなさい」、これだけの注意だったのだが、お客さんの前で、聞こえるように注意を与えていた。ひそひそ声でなく、強くしかるわけでなく、いじめているような語気でなく、いやみなく短い言葉で、注意を与えていた。これだけでは、なかなか雰囲気が伝わらないと思うが、管理人は共感した。状況にもよるが、必要なことは、その場でその都度教えることができている。忙しい中で、どのように教育するかという命題に答えていると思った。医師の教育も同様である。教育する内容にもよるが、その都度言わなければならないことを言わないまま、放置している状況を見かける。そんなことはないだろうか。
話は変わるが、ここの九州じゃんがらラーメンのスタッフの一人一人の対応が気持ちよい。マニュアル風ではなく、きちんと声を発して、自分の仕事に誇りを持っているように見受けられる。客への対応の良さはそこから生まれるのではないだろうか。ラーメンがうまいだけではなく、気持ちがよいラーメン屋なのである。

2010年6月28日

麻酔科薬剤ノート2010年6月28日の正誤表

麻酔科薬剤ノートの2010年6月28日付の正誤表です。

麻酔科薬剤ノート 正誤表(羊土社)

2010年5月28日

独りよがり麻酔症候群?

プロ麻酔科医さんのところに「独りよがり麻酔症候群」という記事が出ている。

この記事によると、「独りよがり麻酔症候群」とは
>初期研修医では稀だけれど,麻酔科後期研修医では経験年数とともに徐々に頻度が増す疾患。
この一群は指導医とともに麻酔を担当しているにもか関わらず,あたかも指導医がその場を離れるのを見計らっているかのようなタイミングで指示していないことを行なってみたり,指導医に相談すべき事象が発生した際に自分の判断で治療を行なってしまうのが特徴。
ほとんどの場合,誤ったことはしていないため,強く修正しずらいし,叱責する必要も無い。
少ない経験を根拠としているため,自分が行なっていることが確信に変わっていく可能性がある
>鬼ほども恐ろしい指導医であったり,指導医を強くリスペクとしている研修医では見られない症状であある。
どちらかというと後者の関係は健全だし,美しい。

同じような経験は、管理人にもある。もちろん、指導医としてだが。。。
いろいろ、やってみたいと思うのはわかるが、根拠に乏しく、直感や風習にとらわれた行為であることが多い。
間違っていないかというと、考えが間違っていると思うこともある。
管理人は、大抵のことは許容するが、明らかに考えが間違っていることに対しては、厳しく指導する。
特に、患者を危険な目に陥れた場合には、鬼よりも怖いと言われている(これまでに、管理人を激怒させたのは2人しかいない)。
根拠があって、説明ができて、それが思った通りに運べば、やり方が異なっていても問題はない。ただ、なんとなくやってみた。根拠はない。そして、失敗したというのは大問題である。

大抵は、○○先生に習った。○○先生のやり方といういいわけが、多いのも事実である。○○先生の本質を理解しないで、うわべだけをまねた結果であることが通例である。
不完全な故に間違った行為を行ってしまっている。本人は正しいと思い込んでいるのだから、修正はむずかしい。
しかし、真意を聞き出し正しい考え方を伝授するのが、指導医である。放置するのはいけないと思う。

最近、若手の先生が危険なことをしていても、注意しない指導医を見かける。気づかないのか、注意をすると関係が悪くなるとおもっているのかわからないが、こういった指導医は問題である。間違っていることは間違っている、正しいことは正しいと、修正できないのは指導医ではない。どういった方法で、教えるかが大切である。
○○先生の真意を汲んだ方法を教えてあげるのがよい。また、うまくいかなかった理由も説明できると、指導医としての評価は高まる。

るなさんのコメント
プロ麻酔科医さんの「自分も成長するために」

を読むと、指導医としての方向性は同じだと思い、安心する。

2010年4月29日

ひろしま麻酔科研修ネットが中国新聞に紹介されている

ひろしま麻酔科研修ネットワークが,2010/4/29付け中国新聞に紹介されている.
 不足する麻酔科医を育てるため、広島、呉、尾道、廿日市各市の計9病院が「ひろしま麻酔科研修ネットワーク」を結成した。複数の病院で経験を積む全国でも珍しいプログラムで、県内外から麻酔医を呼び込む。参加希望者向けの説明会は6、10月に開く。
詳細は以下で...

麻酔科医育成で9病院が連携 「ひろしま研修ネット」結成(中国新聞 2010/4/29)

ひろしま麻酔科研修ネットワーク

2010年4月26日

PK/PDことはじめ(1)

薬理学の話かと思えば、研修医にはつまらない(薬理学の先生、すみません)。うまく麻酔をかけることができるようになる手法の話だと興味がわく。吸入麻酔薬を使っていた時代はあまり、PK/PDなど興味がなかった。静脈麻酔薬を使い始めてPK/PDを考えるようになった。
それは、なぜか。
吸入麻酔薬は、何%に気化器のダイアルを設定して人工呼吸を続けていれば、いずれはその濃度付近に落ち着くのである。吸入濃度≒血中濃度である。今では、呼気ガスの麻酔薬濃度もガスモニターで常時測定ができる。
もう10年ほど前になるがインハレーションボーラスなる言葉が流行した。吸入濃度を急激に上昇させて効果部位(それだけではないが。。)の濃度を速く上昇させて、急激な侵襲に備えようとするワザである。しかし、後追いになるか、早めに対処をしたとしても予想した侵襲がなく、無意味に濃度を急上昇させる結果になった(管理人はそうであった。もっとうまくできた先生もいたかもしれない)。結局、吸入麻酔薬を鎮静薬として使用していたのではなく、生体反応を抑える(血圧をコントロールする?)ことに使用していたからに他ならない。現在の様に、鎮静薬として割り切って使用していればインハレーションボーラスなどというワザを多用する必要はなかったと思う。

プロポフォール発売以前の静脈麻酔といえば、基本的にチオバルビツレートで、さます麻酔をしたいのならば、麻酔導入にしか使用できなかった。持続で使用する場合は、さます気がないか、麻酔以外の作用を期待する場合である。チオバルビツレートは、排泄半減期は5−11時間と長い。しかし、(効果器以外への)再分布により覚醒は速やかで、数分程度で覚醒する(分布半減期は3分ぐらい)。それに、呼吸抑制や循環抑制が強くリスクの悪い(よれよれの)患者さんには、使用しにくいため静脈麻酔を使用する機会は限られていた。ケタラールやミダゾラムもあったが、持続で積極的に使用してみようと思うほど、麻酔からの覚醒はよくなかった。やはり、導入に使う薬であるという認識だった。
1995年頃にプロポフォールが導入されると、静脈麻酔薬のくせに覚醒がよく(覚醒の質がよい)、管理人の静脈麻酔薬に対する印象を大きく変えた。たぶん、管理人だけではなく日本全国のプロポフォールファンの麻酔科医がたくさん出現した。
発売当初の頃は、プロポフォールの使い方は10−8−6 mg/kg/hrと導入時にステップダウン(Prys-Robertsの3段階投与法)し、麻酔維持にはその付近で、何となく上げ下げする方法であった。麻酔時間が短いと、覚醒は良いのだが、長時間になると覚醒遅延がおこる症例があった。覚醒遅延を起こすたびに血中濃度を測定するか予測する方法があればいいのにと考えたものだった。しばらくすると、事前に血中濃度をエクセルのワークシートで計算しておいて麻酔に入ればいいのではないかと思うようになった。この方法では、毎回、事前作業が伴うために面倒になった。そうこうしているうちに、pEEGなる脳波計が発売され、これをみながら投与速度を少しずつ下げてみる方法を見いだした。この方法では、血圧や脳波をみながら減量するのだが、ある程度鎮痛がしっかり効いていないと、急激に覚醒してくる。ここで、メインとなる鎮痛薬は、1990年代後半なのでフェンタニルである。というか、フェンタニルしかない。フェンタニルをたくさん入れると覚醒しなくなる神話が、いろいろなところで残っていた頃である(現在も残っているところがあるかもしれないが...)。フェンタニルとプロポフォールの組み合わせの麻酔を、BISモニターなし、TCIポンプなしで行っていた時代である。
どうしても、フェンタニルとプロポフォールの血中濃度が知りたい。反復投与しても持続投与しても大丈夫なお手軽な、術中に使える静脈麻酔薬の血中濃度シミュレータが欲しい。
そんな期待に応えて、当時、国立循環器病センターに勤務されていた内田整先生が開発されたPalmacokineticsが発表され、フリーソフトウェアとして配布された。Palmacokinetics=Palm+Pharmacokineticsの造語でPalmでPharmacokineticsという意味である。Palmとは現在は日本では入手しにくくなったが、SONYが発売していたCLIEという電子手帳が搭載していたOSである。このCLIEも製造中止になりPalmacokineticsが動くPalmが日本にないことから、Palm版は昔からのユーザーしか使用していない。その状況を見てWindowsMobile版を開発中とのことである(ほぼ完成しているらしい)。

2010年2月25日

麻酔科研修チェックノート 改訂第3版

麻酔科研修チェックノート 改訂第3版(羊土社) が2010年3月10日に発売されます。羊土社のホームページからはすでに購入可能です。
多くの項目を追加しました。コンセプトは変わりません。
それに伴って、麻酔科研修チェックノートのサイトを開設しました。URLは、なんと。http://checknote.info です。よろしくお願いします。

麻酔科研修チェックノート 改訂第3版(羊土社)
http://checknote.info
麻酔科研修チェックノート 改訂第3版(Amazon)

2010年2月 3日

脇を締める(再び)

「脇を締める」というのは「脇を閉める」のとは違う。前者の「脇を締める」というのは、「肘をあげない」ということで、自然体にかまえる時に使う言葉である。「脇を閉める」というのは、カメラをかまえるときにぶれないように、本当に脇を体幹にしっかりくっつけることである。こちらのかまえ方は、カメラを持つときの基本であるが、手を使った作業や手技を行うときには窮屈である。この2つの動作を混同している人がいるため、再び登場させてみた。いかがだろうか。

脇を締める(msanuki.net)

2010年1月19日

超音波ガイド下中心静脈穿刺手技(RE:ソフトとハード)

電脳麻酔ブログで取り上げられている「ソフトとハード」の意見に管理人も同感である。超音波で見て穿刺すれば安全か?といえば,その本質を理解していない人がすれば安全ではないのである。研修医がはじめて鎖骨下静脈穿刺を超音波ガイド下にする場合,エコーを左手でもって,針を右手に持って両方の手をきちんとコントロールしつつ穿刺ができるとはとうてい思えないのである。いずれの手技にもなれていて,それを今まで別々に行っていた人が,同時に初めて行う場合にも,何らかの練習は必要で,いきなり行えばうまくいくはずがない。うまくできる人が,かみ砕いて教えてそれを何度も練習してうまく行うことができるようになるのである(これが教育)。静脈穿刺では必ず両手を使う。針をどう動かすかというのと同時に,どのように組織を固定するかということが,大きな課題である。基本的に両手はふさがっているのであるが,そこにエコープローベが登場すると悩ましい。まさに,ハードウェアがあっても,それを使う方法を知らなければ役に立たない。使う方法を知っていても,簡単にできるとは限らない。ハードではなくソフトの問題なのである。手技というのは,その手技を行う人のスキルによってうまくいくかどうかが決まるのである。道具ではないのである。手術がそうでしょ。弘法は筆を選ぶが,全員が弘法ではない。

2009年11月24日

俺の後ろに立つな

管理人が麻酔を担当して術野をみているときに,管理人の真後ろにたつ者がいる。通常は内科系の医師か,研修医である。管理人は術野をみているときには真後ろにそのまま下がるクセがある。特に足台に乗っているときには後ろ向きに足台から降りる。そのときに真後ろにたっていると,引き倒してしまう。以前,管理人の真後ろにたっていて壁まで飛ばされた人がいる。もう一つ,硬膜外麻酔を穿刺しているときに真後ろにたって見るのも危険である。コロ付きのいすに座ったまま真後ろに下がる。管理人の後ろに立つ時は,ななめ後ろにたつようにすることである。
前にたてばよいと思う人もいるかもしれないが,決して前には入れない。前に入れると,点滴類やコード類を引っかけたりするからである。

2009年10月27日

ひろしま麻酔科研修ネットワーク(hiroshima-masui.net)

ひろしま麻酔科研修ネットワーク(hiroshima-masui.net)を立ち上げました。
実力のある麻酔科専門医を目指したい方。特定の麻酔科医局に入るのがためらわれる方。麻酔科医としてのスキルを磨きたいかた。など
6年間のプログラムが基本ですが,短期間でもご相談ください。
2009年11月28日(土)13:00-14:00に説明会を開催します。
詳しくは,以下のサイトにアクセスしてください。

ひろしま麻酔科研修ネットワーク(hiroshima-masui.net)

2009年10月25日

プレゼンテーションで声が小さいのは

症例プレゼンテーションを聞いていると、声が小さいと感じる人の共通点がある。必ず、うつむいて紙をみて(読んで)プレゼンをしている。これでは、発声がうまくできないのだ。麻酔科医なら、気道を開く(確保する)ことができていないと言えばわかるであろう。つまり、気道が閉塞しているために発声がきちんとできていないのである。背筋を伸ばして前を見て、気道を開けば発声ができるのである。このことをおろそかにしている。声楽家はうつむいて発声をすることはない。「気道を開く」がキーワードである。以前、msanuki.orgで気道を開くために姿勢を正すことを紹介したが、まさにそれである。前を向いて、スニッフィングポジションをとる必要がある。それを自然に行おうと思えば、msanuki.orgに紹介したような肩甲骨の外放が必要になるのだ。

前を向いて肩甲骨を外放するとき,あごと頚の力を抜いてみると,少しあごが前に出て気道が解放される感じが出ます。下を向いている(あごに力を入れて引いていると)と,気道が解放される感じは出ません。前を向く視線が大事なんですね。

管楽器奏法の考察「オーバーブローを防げ」(msanuki.org)

2009年9月16日

麻酔科見学のお誘い

1253089132.jpg麻酔科医になるとどんないいことがあるのか?と初期研修医に聞かれました。どう答えたらよいのか,迷って,こう答えました。
「第一線の医師としてのモチベーションを維持させ続けることが出来る。」
かなり,抽象的な答えだと思いますが,本当にそう思っています。管理人の考える「麻酔科医としての心意気」を身に着けてもらえたならば,ずっと麻酔科医としてやっていく自身を身につけさせることが出来ると思っています。まずは,見学に来てください。管理人がどのように指導しているのか。どのように勉強したらよいのかを教えます。医療上のスキルを身につけるだけでなく,どう対応できるのかということも大切だと思います。文句ばかりいっていても良い医者にはなれません。隣の芝生は青く見えます。まず,自分が何ができるのかを評価して,次のステップに進むことが大切だと思います。自信がないから麻酔科医など出来ないと思っているあなた。ぜひ見学に来てください。麻酔科医は,病院の中でも今後ますます重要な立場になります。その麻酔科医としての第1歩を管理人のところではじめてみませんか。初期研修医でなくても,構いません。まずは以下に連絡をお願いします。
さぬちゃんの連絡先はこちら

2009年8月22日

"攻めの麻酔"の誤解

「攻めの麻酔」という言葉がよく理解されていないようである。"攻め"というのは、こちらから仕掛けていくというニュアンスであるが、仕掛けていくからにはその先も攻め続ける必要がある。一つ仕掛けて終わりということになっていないかどうかを考えてもらいたい。「薬剤を多めに投与する」というのが攻めだと思っている方もいるかと思う。しかし、多めに投与すれば次の一手にそれをフォローする必要が出くる。そうなった場合、その瞬間に別の事態が術野で引き起こされた場合、結局は「後手」に回る。「攻め」とは、安定したバランスで足下をすくわれないように、先を見越して仕掛けていくということである。決して単発の激しい行為ではない。「攻めの麻酔」は、常にエレガントでなければならない。

2009年8月13日

私の経験では...

An Anesthesiologist's Dayさんのところに「私の経験では...」という記事が出ている。管理人の気をつけている言葉でもあり、すこし意見を書いておきたい。この言葉は、滅多なことでは使う言葉ではない。基本的に管理人は使わない言葉である。というより使う場面がない。経験に基づく発言が許されるのは、その筋の第一人者だけであろう。かりに、つなぎ言葉として使っているとすれば、別の言葉で代用可能である。「これまでの症例では・・・」「今回の検討では...」で十分である。
気をつけたい。

2009年7月30日

死☆BOM ローリー

スミルノフ教授の久々の麻酔ネタが発表されています。スミルノフ先生の麻酔ネタの傾向として、ローリーが登場します。ローリー=麻酔ネタという図式があります。ローリーネタは大好きです。ローリーさんを登場させてください。

死☆BOM ローリー元題は、「麻酔バッグの運命」だったらしい

2009年7月19日

セボフルランのにおい

管理人はセボフルランのにおいが、あまり好きではない。特に、小児のいわゆるSlow導入(セボフルランはSlowではないと云う人もいるが...)では、結構、麻酔科医自身にもにおいが感じられる。どんなにおいかというと「カビくさい」のである。幸いなことに、ますいをしたこどもの患者に「カビくさい」と云われたことはない。2回目に麻酔を受けるこどもが、Slow導入がいやだといって困った話が、ながれの麻酔科医さんのところに書かれている。「う○ちとゴミが混ざったような臭い」というのである。こどもは、カビのにおいなど知らないので、このような表現になるのだろう。確かに、ゴミののにおいというのは当たってるかもしれないと思った。こう書くと、セボフルランのイメージが悪くなってしまうのだが、決してゴミは入っていない。純粋なセボフルランである。それも、日本製で山口県で製造しているらしい。においで麻酔薬を選んではいけない。
しかし、静脈麻酔薬は、においなどは問題にはならないので、こんな悩みはない。
これまで、管理人はこどもに麻酔をするときマスクにバニラエッセンスを大量につけてアイスクリームのにおいだよと云ってだましていた。確かに、アイスクリームの感じではあるが、これは暗示かもしれないと思っている。この暗示によって、管理人がセボフルランで麻酔導入をしたこどもは、いいにおいだったと云ってくれたのであろう。そう思えてきた。

2009年7月 9日

麻酔中の加温~寸暇を惜しんで加温する

手術室で麻酔科管理で行う手術においては、患者さんをはじめから加温するというのはすでに常識になっていると思っていた。外勤先の病院では、何も言わなくてもさっさと加温を開始してくれる。麻酔導入後、外科医が手洗いに行っている間にも温風式加温装置が作動している。寸暇を惜しんで加温するという言葉がぴったりである。
しかし、お膝元の病院で、ある日、かなり経験豊富であるはずの看護師が、体温が36度になったら加温しますね!というのを聞いて驚いた。おもわず「えっ??」と声が出てしまった。すでに体表面は冷たい。体温が下がってからでは遅いのである。麻酔中にはかっているのは中心温(中枢温)で腋窩温とは違う。おまけに、これから行われるのは開腹術である。
温風式加温装置は加温ではなく蓄熱である。加温すればすぐに体温が上がるのではなく、熱が体内に入って循環しなければ中心温はあがらないのである。
一昔前はどうやって体温が下がらないようにするかで悩んでいた時代があった。今は、よい加温器具が普及して方法も確立していると思っていた。まだまだ啓蒙が足りないと感じた。

2009年6月 1日

下顎挙上と頭部後屈のちがい

下顎挙上と頭部後屈の違いは何か?管理人は次のように考える。
座った状態で考えると、目は前を向いて、あごを前にスライドさせるのが下顎挙上で、目が天井をむいて頸の前面をまっすぐ伸ばした状態が頭部後屈である。
これを、仰臥位の患者さんにたいして、下顎挙上や頭部後屈をさせるとき、どのよう操作してその状態を作るかということである。
下顎部分を両手で持ち上げてアイ~ンさせる、"いわゆる、スニッフィングポジション"を作る行為が下顎挙上をする(させる)ということで、前額部(額)に手を当てて下前方に押す行為は頭部後屈をする(させる)ということになる。
頸椎の曲がりに注目してみると、下顎挙上では上位頸椎のみがすこし動いて、頸椎のその他の部分はほとんど動かない。頭部後屈では、上位頸椎だけでなく、頸椎が広範囲に動いている。
これを認識していない人が多いのには驚かされる。気管挿管時の頭位の基本はスニッフィングポジションだと思うのだが、気管挿管前あるいはその途中で、患者の前額部を手で押して後屈させようとする動きをみることがある。うまく上位頸椎のみが動いてスニッフィングポジションに近い形になればよいのだが、たいていは勢いが強すぎて頸椎全体が動いて頭部後屈と同じ状態になる。マッキントッシュ喉頭鏡で気管挿管をするには、角度が強すぎてかえって見えにくい状態になるのである。
過ぎたるは及ばざるがごとしである。

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2009年5月31日

クロスフィンガーの直前

クロスフィンガーで口を開ける。というのはまちがいではない。では、その直前はどのように手を使っているのだろうか。右手は?左手は?
最近、気管挿管実習をさせるときに特に注意して教えるポイントである。
これが、実はきちんと気道を開くことができるかどうかのポイントであるのだ。

以前、クロスフィンガーの新指導要領(msanuki.net)にもヒントを書いたのだが。。。
その直前は、両手をどのように使っているかということである。

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2009年5月29日

さぬキャップの発売元

「さぬキャップはどこで売っているのか」という質問を多くの方からいただいた。さぬキャップは、もともと開口操作をするための補助器具ではなく、事務用紙めくりである。名称はロイファーフィンガーキャップで、発売元は丸善らしい。管理人は、広島の東急ハンズでGETした。たぶん、東急ハンズまで出かけなくても、ちょっと気の利いた文具店ならおいているはず。

ロイファーフィンガーキャップ
さぬキャップ復活(msanuki.net)

2009年4月29日

イメトレのすすめ

管理人は、これまでにいろいろなところでイメージトレーニングやオフライントレーニングの重要性を力説してきた。もっとも人気があったのは気管挿管トレーニングにおける喉頭鏡の素振りである。ここに来て、イメージトレーニングが効果的であることが証明されつつある。「イメトレは思った以上に効果的? 米大学が実験」という記事がITmedia2009/4/16付け記事で確認して欲しい。学生を被験者とし、ディスプレイ上に映った特定の文字を探し出す課題をさせた。被験者には、課題の際に「両手でディスプレイをつかんでいる自分の姿」または「両手を後ろに回している自分の姿」を想像するよう指示した(実際にそのポーズを取るのではなく、想像するだけにとどめることを強調した)。その結果、ディスプレイをつかんでいる姿を想像するよう指示された被験者の方が、文字を探すのに時間がかかったという。このことは身体近接空間(体の周りの空間)が、想像の中の姿勢にまで広がることを示唆している。このことは、「スポーツ心理学者やジョン・レノンが支持してきた『想像には現実を形作る並はずれた力がある』という考え」を確認するものであるとも述べている。
Davoli CC, Abrams RA: Reaching out with the imagination. Psychol Sci. 20(3):293-5,2009.

2009年4月 7日

今の臨床研修目標はレベルが低すぎる

今の臨床研修目標はレベルが低すぎる-山形大学医学部付属病院長・山下英俊氏に聞く◆Vol.1 学ぶべきは「プライマリ・ケア」ではなく「ファースト・エイド」
が、m3.comに医療維新に出ています。管理人も同感です。

2009年4月 4日

ハイテク麻酔?

ずっと以前に麻酔科で研修を受けた外科医が,「今の麻酔はハイテク麻酔ですね。昔は,モニターも少なくて,もっと簡単だった。」と話す。たしかに,15年前に麻酔科研修をした先生に教えた麻酔とはまったく違う。何がハイテクかというと,モニターや麻酔器などの電子機器がかっこよくなったらしい。さらに,今は,自動麻酔記録装置まである。特に,薬剤の血中濃度のシミュレーターなどで予測の血中濃度が表示されたり,バイタルサイン以外の脳波や筋弛緩の連続モニターなどの情報が,表示されるところが,とてもハイテクであるというのである。シリンジポンプに電子パネルがついており,薬剤をセットするだけで血中濃度が表示されるなど,当時はまったく考えもしなかった。麻酔器はただ手動換気を代わってくれるだけで,換気量などを合わせるのは大変だった。吸入麻酔薬の濃度だって測定はできなかったので,バッグを外して中の匂いをかいで,今,何%ぐらいと推測したものである。
今の麻酔は,機器に表示される情報をきちんと読み取り,それらを判断材料に,もっと綿密な調節を要求される。自動麻酔記録装置などは,モニターのデータを自動で取り込んでくるために,下手な麻酔をすると記録に残されてしまう。昔の麻酔ならできるけど,今の麻酔にはついていけないそうである。
昔の麻酔と今の麻酔の本質は変わっていないけれど,考え方が代わってきたのは確かである。
今風の麻酔(ハイテク麻酔)ができるかどうかが,麻酔科専門医の証であると思っている(外科医談)。

2009年3月29日

研修医の「さしすせそ」

るなのひとりごとさん のところに,研修医の「さしすせそ」が出ている。
管理人もこれは昔から知っていたが,すこし変化しているようだ。
オリジナルは,
■年功序列の中で生きるための「さしすせそ」


さ: さすがですねえ
し: しりませんでした。勉強になります。
す: すいません
せ: せんせーのおかげです
そ: (なにか手技を披露した後で)そんな、こんなの大したことじゃあありませんよ

だと思います。
■学会の「さしすせそ」というのもあります。

さ: さぁ
し: 知りません
す: すみません
せ: 先生
そ: そうだったんですか

と答えておくと,一通り切り抜けることができるというワザである。しかし,これを知っている質問者には通用しないことを忘れないようにしたい。
管理人は,研修医に対応するときも学会の時にも上記の対応には気をつけるようにしている。結局,何も答えになったいないわけだから評価は良くないだろう。
最近は,ビジネスのクレームに対する「さしすせそ」が気に入っている。こちらの方がずっと誠実である。
■クレーム対応の「さしすせそ」

さ: 最善を尽くす
し: 知ったかぶりはしない
す: するな!議論をお客様とは
せ: 誠意を持って応対せよ!
そ: 即刻  関係部署 近隣へ ホウレンソウ

クレーム対応の極意は  さしすせそ で覚える(研修事業部長 山根暁のブログ)
クレーム対応「さしすせそ」(クレーム処理・対応研修)

2009年2月19日

手術室モニタリング攻略ガイド

opeguide.gif管理人が編集させていただきました,「ナースのための手術室モニタリング攻略ガイド」(メディカ出版)が,2009年2月24日に発売されます。手術室モニターに関して,かなりのエキスパートが執筆しています。ナースのために平易な言葉で書かれていますが,内容は研修医はもちろん麻酔科医にも十分に役立つと思っています(それだけこだわって書かれています)。第1章が手術室モニターの基礎知識,第2章が手術室モニター機器の各論です。各種モニターの解説だけではなく,それらから読み取るべきことと,異常時の対応を載せています。第3章の主な術中トラブルと対処法では,麻酔科医の対応と看護師の対応を別々に記載しています。これまでにはなかった本ではないでしょうか。

追伸:イメージイラストが各項目に描かれているのですが,めちゃめちゃかわいいです(管理人おきにいりのイラストです)。

「ナースのための手術室モニタリング攻略ガイド」(Amazon)
「ナースのための手術室モニタリング攻略ガイド」(Yahooブックス)

続きを読む "手術室モニタリング攻略ガイド"

2009年2月10日

第9回麻酔科学ウィンターセミナー

9thwinsem.jpg2月6日-8日の3日間の日程で新富良野プリンスホテルで第9回ウィンターセミナーが開催された。スキーのためにそんなところで開催するんでしょ。と思っている方がいるようですが、それはあたっていません。このようなところに合宿していると、否が応でも他の施設の麻酔科医と話をするようになります。それがいいところだと思っています。
昼間のリフレッシュタイムにスキーをしている人は半分もいないような気がします(ちょっと残念ですが...)。ウィンタースポーツだけでなく、さまざまな、時間のすごし方があるようです。今回は、主管である旭川医大の先生たちの計らいで多くの公認オプショナルツアーが企画されていました。ワカサギ釣りツアー、美瑛付近のグルメツアー、吹き上げ温泉ツアーなどです。旭山動物園ツアーはありませんでしたが、結構、入っていたようです。これらのオプショナルツアーの目的は全国レベルの麻酔科医の交流だと思います。リフレッシュタイムは、学会でいえば"ロビー活動"です。学会に行く意義は"ロビー活動"にあるといっても過言ではありません。
さて、本来のセミナーは朝と夕方に行われ、通常の学会にはない有用な情報が手に入ります。日本麻酔科学会総会などでもおなじみのスター選手の講演がずらりと並んでおり、どれをとってもつまらないものはありません。また、プレゼンの手法がすばらしく、いわゆる"偉い先生"の講義の様な文字ばかりのスライドは一切ありません。管理人も、他の先生のプレゼンがすばらしいので、ウィンターセミナーではプレゼンに結構、気を遣います。
第1日目:夕方からTEEのセミナー2本、3Dエコーの有用性のセミナー(平崎先生)は、非常に短期間に多くの症例のデーターを集められており、その涙ぐましい努力に感動しました。世界的なTEEの大家であるコンスタット先生が来日され、大動脈疾患の講義をしていただきました。2004年の東京での国際心臓麻酔学会以来の講義を聞きました。
この後、ウェルカムパーティーが行われました。その後、風のガーデンで使われた医院(看板を白鳥医院に変えて撮られた)の2件隣のそば屋で2次会があり、他施設の麻酔科医との熱い討論が繰り広げられました。
第2日目:朝は佐藤先生の机上でのスキーの理論と旭川医大の鈴木先生の気道確保のセミナーでした。佐藤先生のスキーの理論はウィンターセミナーのテキストに収録されており、それなりの人が読むとエッセンスが詰まっていることがわかります。朝は、スライドを使わずに秋田なまりの標準語で、ポイントを話されました。管理人は、よく理解できました。スキーをしない人たちにもインパクトは強かったようです。「スキーは麻酔管理と同じです。」と管理人も思います。
AP通信でも書かれていましたが、鈴木先生は今回もおもしろいプレゼンをやってくれました。いつ本題にはいるかと思いましたが、本題に入ってからのテンポもよく、短時間の間にめまぐるしく話題が変わってもずっと聴衆をプレゼンに釘付けにしていました。さすがです。広島から参加した後期研修医くんたちは、目が点になっていました。
夕方はTCI関連のセミナーが目白押しでした。各講師の先生のプレゼンもよくブラッシュアップされており、あたりのランチョンセミナー4連発といった感じです(学会のランチョンセミナーには、はずれも多くあります)。このあと、風のガーデンの演出家の宮本さんの講演でした。講演は、もちろんPowerPointのようなプレゼンフィルは使わず、演壇から語りだけでずっと講演をされました。絵がないと、音声に注目するしかなく、受け手がずっと話を聞かなければいけない状況を作りますね。この手法、話がうまくないとできないですね。風のガーデンのドラマ作りにはフジテレビ50周年記念ドラマであったこともあり、通常より多くのお金と時間を使って、本物に近づけようとスタッフ全員が努力していた様子が伝わってきました。管理人はこの、ドラマはブルーレイディスクに撮って何度もみました。麻酔科医の監修として日本医大の坂本教授と旭川医大の岩崎教授が関わっておられましたが、岩崎教授は出演されていませんでした。坂本教授は第1話の救急の場面で横顔が出ていたのと、声もでていましたね。
その直後に、時間の関係から懇親会に突入してしまい、管理人はその懇親会中に初期研修医セッションの司会を笹川先生とともに担当しました。今回、一緒に参加していた、(麻酔科医志望の)小学生の娘が、その様子をみてますます「麻酔科医になりたい」と言ってくれたのは非常にうれしく思いました。
懇親会中にポスターセッションと研修医セッションの表彰があり、賞状とAmazonの商品券が授与されました。今回のポスター演題は29題でした。内容もデザインもレベルアップしていて、選定に苦労しました。採点は、世話人全員に配布される採点表を集計して行われています。
第3日目:自動麻酔記録に搭載された静脈麻酔の血中濃度シミュレータのセミナーを金沢大学の坪川先生と管理人で担当しました。これで解散です。
3日間という短い時間ですが、他の施設の麻酔科医と交流できるチャンスであり、いろいろな考え方に触れることができます。そこから、麻酔科医を継続していく意欲がわきますし、新しいことをやってみようという意欲もわきます。毎年、ウィンターセミナーでは「やる気」をもらって帰ってきます。
来年は、記念すべき第10回のセミナーで、主管は長崎大学です。会長の澄川先生、よろしくお願いします。現在のところ、2010年2月11日(木)-2月13日(土)が予定されていてトマム・アルファリゾートが候補地にあがっています。確定ではありません。いまから、楽しみです。

2009年1月25日

後手後手(ごてごて)の麻酔

久しぶりに、すごい「ごてごて」のますいを見た。「こてこて」ではなく「ごてごて」である。「こてこて」とは関西人の度合いを示すものであると認識しているが、その「こてこて」ではなく、「ごてごて(後手後手)」である。「ごてごて」には、(1)「こてこて」を強めていう語。ごってり。(2)くどくどと言うさま。という意味もあるので、漢字で「後手後手」と書いた方が、いいだろう。
「後手後手」の麻酔は、管理人がもっとも嫌う麻酔である。なぜ、後手に回るのか?それは、術野で何をするのか、患者がどのように変化するのかが理解できていないか、麻酔薬の使い方がわかっていないか、モニターの見方がわかっていないか、そのすべてがわかっていないかである。そうでないとすれば、後手の麻酔であることが日常茶飯事で、そのことを重要視していないかである。はじめの方の理由であれば、教育をすることで治る可能性はあるが、後ろの方の理由では教育も無理である。まず、自分の麻酔をブラッシュアップしようという気持ちがなければ治らない。常に、これで良かったのだろうかという振り返りの気持ちが大切なのである。上手な麻酔を見学して、自分の麻酔を振り返るチャンスが必要なのかもしれない。
あまり「ごてごて」いいすぎると嫌われるのでこの辺で・・・

こてこて用語の基礎知識こてこてらんど

2009年1月 9日

エアラリマ

エア挿管は、教えているがエアラリマは教えているところは少ないだろう。エアラリマだって、エア点滴確保やエア動脈ライン、エア内頚静脈穿刺だって可能である。エアものの注意点は、手技の確認だけにならないで欲しいということである。どこで何をとって、何をいれるだけではいけないのである。エアギターが、本当に弾いているかのように見える、いや、本物以上に臨場感があるのはその特徴をよく捉えて、オーバー気味に動作を目立つように、かつウソっぽくないように微妙な手つきで行っているためである。それと同様に、本物のエア挿管やエアラリマだって、本当にやっている様に見せて欲しい。エアができるのは、本当にその手技のコツを理解しているからだと思っている。
よく見ていると、初心者のエアものは、"手つきが怪しい"。この手つきの怪しさが、なくなったとき、その手技をまともに理解していると評価してよい。指導の皆さんは、エアものの評価をするときにもう少し、コツや感覚などを入れて教えてはいかがだろう。エアものを教えるだけでも、研修医の先生たちと細かい話ができますよ。
それからもう一つ、エアものははじめ、道具を使ってやってみたのち、道具なしでできるように練習するのが王道です。道具や人形(模型)を使ったエアラリマから道具を使わないエアラリマへという流れです。

2009年1月 8日

あらためて、攻める麻酔

ある日の話。場所は不詳。麻酔科専攻医(3年目)の先生が麻酔を終了してリカバリールームで、患者さんがシバリングをおこしていた。そこに、通りかかったある麻酔科専門医先生が、厳しいコメント「術中から攻めとるんか?」。アルチバだからというのはいいわけにはならない。体温の低下があればアルチバでなくてもシバリングは起きる。「術中から攻める」というのは、管理人も常日頃行っていることだが、攻めの姿勢がない場合は、覚醒してからそのようなイベントが生じる。
「術中から攻める」ことは、当たり前であるが、麻酔に集中していなければ、攻めることはできない。また、どんなことを、どんな対応をすれば攻めることになるのかというのも、麻酔科専門医として考えるべき問題である。「術中から攻める」というのは、そのときそのときにできることを、きちんと積み上げたときに出る結果であって、何も変化がないように見える麻酔管理のなかで、常に自分が「攻めている」実感をもてることが大切である。なにか起きたときには、その前の対応がまずいのである。
「術中から攻めとるんか?」:これは、使える言葉である。

2008年12月28日

チームバチスタの栄光のドラマ版も終了

ドラマ版のチームバチスタの栄光も先週で終了してしまった。こちらは、医療ミステリーという位置づけだ。映画版とは犯人も異なるし展開が異なる。こちらは心臓血管外科医の須磨先生と天野先生が監修である。最後まで見た方はおわかりかと思うが、外科医がいつメスを置くかということ、技術を伝えて手術ができる医師を増やす(外科医の教育)ということ、チーム医療で手術を成し遂げたときの充実感などがサブテーマとして盛り込まれていた。映画版よりこちらの方が考えさせられる内容だったと思う。トリックもこちらの方が巧妙でよく考えられていた。

チームバチスタの栄光(関西テレビ)

2008年12月19日

臨床研修、1年に短縮を提示 医師不足で厚労、文科両省

2008/12/18付けの共同通信に「臨床研修、1年に短縮を提示 医師不足で厚労、文科両省」が出ています。2010年の導入を目指す提案になっています。いつまでも理想は追いかけている場合じゃないということでしょうか。

2008年12月12日

脇を締める

「脇を締める」か「脇を閉める」かで意味が違うことにお気づきだろうか。研修指導をしているとき、たとえば「マスク換気」や「喉頭鏡操作」、「末梢静脈穿刺」あるいは「硬膜外穿刺」「中心静脈穿刺」などで、「脇を締めて!」と管理人が言うことがある。それを、「脇を閉めて!」ととる研修医が多い。「閉める」とは「閉じる」ことで、まさに脇が体幹にくっついた状態をさす。「締める」とは「引き締める」ことで、決して脇を体幹にくっつけると云うことではないのである。肘があがっているので、「脇を締めて」と云っているつもりであるが、よく伝わらない。こういったとき、管理人は「箸を持つとき」をたとえに出す。箸を持つとき肘をあげていては、うまく指先に力が伝わらない。脇を体幹にくっつけてしまっては、窮屈でしかたない。だから、肘を下げて脇を自然な形で構えることを、「脇を締めて」と云うんだと説明する。これが、すべての基本であると思っている。細かい操作、しなやかな操作をするときに「脇を締める」というのは、自然に構えるということです。姿勢を正しく構えると云うことです。

2008年11月14日

修羅場る(しゅらばる)

"しゅらばる"と読む。修羅場を辞書でひくと「戦いや争いが激しい場所」が転じて「戦いの激しい場所や血なまぐさいことが行われる場所」を言うようになった。管理人の関連する領域では、手術中に麻酔科医が、あわただしく処置に追われ、休む間もなく輸血や薬剤を準備し投与を継続しなければならないような状況をさす。生死を分かつ状況と言ってもいいかもしれない。麻酔科医が処置の手を止めれば、死んでしまう状況ともいえる。
この修羅場った状況で、いかに冷静さを保って処置を続け、的確な指示が出せるかが、麻酔科医の実力だと思っている(修羅場ったときに、本当の麻酔科医の姿が見られます)。
先日、他科のポリクリ(手術見学)で廻っていた学生が、修羅場って処置をする麻酔科医をずっと観察していた。手術見学はそっちのけで。。。その麻酔科医は、学生の視線には気づいていない様子だったが、管理人はうれしく思った。

2008年11月 6日

麻酔を失敗する

「手術を失敗する」という言葉はよく聞くが、「麻酔を失敗する」というのはあまり聞かない。しかし、手術に関しても上手/下手(じょうずへた)が問題になるのだから、死ななければよいという時代ではない。麻酔に関しても同様である。麻酔も上手/下手が問題になっているのである。とすれば、管理人はこれまで「麻酔を失敗する」という概念はなかったが、「麻酔を失敗する」という言葉を積極的に使っても良さそうである。麻酔科医には、常に麻酔は成功することを要求されている。「Failure is not an option」である。
実は、この「麻酔を失敗する」という話題は、日本麻酔科学会が本日発表した「「歯科医師による医科麻酔」に対する日本麻酔科学会の見解」の中に使われている言葉である。たしかに、下手な医師がやれば「麻酔は失敗する」のである。

2008年9月26日

エコーガイド下中心静脈穿刺

少し前に、麻酔ディスカッションリストで問題になっていたエコーガイド下中心静脈穿刺である。電脳麻酔ブログでもちょっとディスカッションになっている。管理人の意見は、エコーガイドですれば合併症は少なくなるかもしれないが、やはりこれまで同様のトレーニングが必要であると思う。中心静脈穿刺時の感触を大事にしなければ、見ながらやっても合併症を起こす可能性はある。エコーガード下で特にリアルタイム穿刺になると、両手使いになる上にエコーの特性を知っていなければならない。針が進んでくるのがエコーで必ず見えるわけではなく周りの組織が押しつぶされるのをメルクマールにして針を進める必要がある。さらに、アーチファクトについての理解も必要である。これらを考えると、初心者がすぐにできるというものではなく、十分に中心静脈穿刺ができるようになった人たちが、さらに確率を上げる(合併症の確率を下げる)ために利用するのがよいのではないかと思う。リアルタイム穿刺でなくて、観察だけであれば誰がやっても合併症起こさない(通常は)。いずれにしろ、一人で中心静脈穿刺ができない人がエコーを使ったからと言って中心静脈穿刺ができるようになるものではない。きちんとした指導者の下で学ぶ必要があるのだ。

麻酔ディスカッションリストとは麻酔科のメーリングリストです。登録をすればディスカッションに参加できます。

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2008年9月25日

SATチーム員募集中

SATチーム員を大募集中である。今後の麻酔科医は、新しいものにどんどん慣れていく必要がある。「あれは、難しいからいや、これは、めんどくさいからいや」などと言っていては、新世代の麻酔科医にはなれない。そこで、どんな新しい技術やどんな新しい機器が出ても,"物怖じ(ものおじ)"しない麻酔科医を養成します。SATチームはそんなチームです。
特に、初期研修医で麻酔科に興味のある先生がた、ご応募をお持ちしています。まずは、見学にどうぞ。こちらに、見学のお申し込みをお願いします。

SATの略は何かって?以下から選んでみて。
(1)Sanuki Anesthesia Technology
(2)Super Anesthesia Training
(3)Super Anesthesiologist's Trainers
(4)Sugoi Anesthesia Teaching
(5)Sekaino Analog Technique
(6)Superior Anesthesia Technicians
(7)上記のどれでもない

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2008年9月21日

スーパー麻酔科医

今、麻酔ディスカッションリストで、「スーパー麻酔科医」が話題になっている。「スーパー外科医」が、マンガやテレビドラマでは取り上げられるのに、どうして「スーパー麻酔科医」は取り上げられないか ?なぜ、麻酔科医は「麻酔科医」と一くくりで、外科医の場合は名人だけをとりあげるのかという疑問が話題になっています。
スーパー外科医は絵になりやすいけれども、スーパー麻酔科医は描きにくい、そもそも、どんなのを「スーパー麻酔科医」と定義するかということが一般人にはわかりにくい。もしかすると、麻酔科医の中にもわかっていない方がいるかもしれません。「スーパー外科医」は、俺はスーパー外科医だ!あるいは、カリスマ外科医だ!という自負を持っている方がいるでしょう。確実にいます。
しかし、「スーパー麻酔科医」の一般人に理解できるイメージがない以上、俺はスーパー麻酔科医だと宣言できる人もいなければ、まわりもスーパー麻酔科医を見つけることはできないのかもしれません。
そこで、管理人は「スーパー麻酔科医」のイメージを提案します。
「スーパー麻酔科医」とは
(1)どんな状況でも騒がない(冷静沈着)
(2)麻酔に関する手技はしらっとおわっている(かつ合併症を起こさない)
(3)麻酔導入や維持、覚醒に不安がない(きちんと時間通りに、理論的かつスマートに、先手の麻酔が実践できる)。もちろん、術後(状態、鎮痛)のこともきちんとカバーできる。
(4)術者をコントロールするのがうまい
(5)術前評価がきちんとできて、負ける手術は手術前に何とかする(いろいろな意味で)
(6)自分ができることを自慢しない
(7)仕事に悲壮感がない
(8)新しい技術や考え方を勉強し、常に実践できている
(9)状況に応じて対応できるので、道具や機器がなければないなりに行える
(10)外科系の医師や看護師、コメディカルからの信頼が厚い
時に、すごいことに気づく患者がいるが、当然のことのようにふるまえる
(もしかすると、これは絵になるかも)

2008年9月17日

戦いは、手術の前から始まっているぞ!!

先週、初期研修医が麻酔導入した後に、ボーッとしてたので、いつものノリで「戦いは、手術の前から始まっているぞ!!」と言ったら、研修医にではなく、そばで聞いていた看護師にえらくうけてしまった。「さぬちゃん語録」に記載されたらしい。
最近、研修医に説明していると看護師が耳をダンボにして説明を聞いているのがよくわかる。研修医向けの説明は、看護師にもちょうどいいぐらいの難易度らしい。それを逆手にとって、今の病院に職場が変わってからわざと、大きめの声で研修医に説明するようにしている。もちろん、看護師で耳をダンボにして聞いている人たちのためにだ。それが、今回はうけたらしい。
外勤先の病院でも、いろいろ聞かれることがある。初期研修医に教える程度の内容を、求められることが多くなった気がしている。たしかに、いろいろなレベルの看護師さんがいるが、以前よりバリエーションが出てきたのは事実である。うっかりすると、かなり高度な内容を要求されることがある。

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2008年9月 7日

サイバーチームとアナログチーム

管理人のチームは、当科では密かに「サイバーチーム」とよばれている。特に、「アナログチーム」の方々は、そう言った呼び名でよんでいる。「アナログチーム」は、それ以外の方を呼ぶかと言えばそうでもない。中間的な方々も存在するみたいである。
管理人には、「サイバーチーム」とわれても、あまりピンとこない。できれば、「SATチーム」ぐらいにしてほしい。サイバーとはWikipediaによると、「コンピュータの」「インターネットの」等を指す形容詞らしい。直訳すると、「コンピュータのチーム」となり、なんだかな~。
ちなみに、その「SATチーム」は現在、5名である。この方面で、来年から一緒にやってくれる麻酔科専攻医(いわゆる後期研修医)を大募集中である。できれば、2桁の構成員にしたい。
「SATチーム」のSATは何の略かって?いずれ発表したい。

2008年8月28日

【研修医必講】第2回麻酔科エキスパートセミナー in Hiroshima

初期研修医にも後期研修医にも役に立つ話題を扱います。最近、輸液の基本や循環作動薬の使い方を講義することは麻酔科領域では少なくなっていました。そこで、2008年8月29日(金)の第2回麻酔科エキスパートセミナーでは「術中体液管理と循環作動薬エキスパート」と題してセミナーを開催します。講師は福田秀樹先生です。すでに、申し込みが始まっています。金曜日の夕方ですので都合がつけば遠方からでも可能です。受講は無料ですので、是非お申し込みください。
「麻酔科を知る日」も引き続き受け付けていますので、一緒にいかがですか。

2008年7月25日

麻酔と救急のために 第7版

mtok7.jpg麻酔と救急のために 第7版が発行されました。
最近立て続けに発売された、麻酔科関連の薬剤を追加したことと、内容を薬剤に限定しました。
看護師さんなどにも使われていることを意識して、今回は表紙の色をピンク色としました。

2008年7月19日

初期臨床研修制度の不具合の修正?

 2008/7/18に開催された 厚生労働省の医道審議会医師分科会(医師臨床研修部会)で、来年度の研修から、スーパーローテーション方式の現行制度を見直し、特定の科に重点を置いた研修を実施できるようモデル事業を行うことが決まった。さらに、地域枠・奨学金を受けている医学生については、マッチング制度の対象外とすることが決まった。総合的に患者を診ることができる医師を養成するという卒後臨床研修の大義名分が崩壊するに等しい。スーパーローテーションではなく、実質的にストレート研修になるからである。管理人は、元々、総合医が2年で養成できるとほ思っていなかったのでスーパーローテーションには大反対である。形だけスーパーローテーションをしてみても時間の無駄である。むしろ、その分興味がある専門科の研修をした方がよっぽど、研修医には役に立つ。強制的に総合医を養成するという大義名分で2年間しばりつけてもならない。なぜ、総合医を養成したかったのだろう。地域医療のためだとすれば、本末転倒である。そうではないとしても強制的に総合医を養成するのではなく、総合医が魅力があることを示して、それに向いている資質の医師を養成すべきである。
 一方、スーパーローテーションを行うことで明らかになったことがある。それは、仕事がきつい診療科は人気がないということ。しかし、これもおかしな話で、仕事がきついから選ばないというのはいかがなものであろう。医師の仕事自体、きついものである。そういう職業であるはずだ。ある程度の負荷はあるはずだが、その先にはしっかりとした信頼できる医師像が形成できるはずである。あるレベルを乗り越えないと、きちんとした医師にはならない。何科を目指すにしてもそうであろう。
 さらに、おかしいのは初期研修医制度のみマッチングして、あるていど広くシャッフルしておいて、その後のコースは、ご自由にというところである。これでは、都会に偏在するのは目に見えている。誰も、地方都市にはあつまらない。しかし、医療というのは、その土地土地にローカライズされて存在していることを忘れてはならない。初期臨床研修のマッチングをある一定の範囲内(地域)にローカライズさせるべきではなかろうか。
 そのための、魅力ある初期研修プログラムとしては、独自のストレート研修でなかろうか。スーパーローテーションしたい研修医はそれを選べばよろしい。ストレート研修したい研修医はストレート研修をえらべばよろしい。どう見積もってもストレート研修の方が研修医も指導医もやる気が出るはずである。
 初期臨床研修プログラムのスーパーローテーションは、至る所で評判が悪い。
今回の不具合の修正は、大学病院限定の措置だが、もっと一気に日本国中の初期臨床研修病院で同じことをしてみるとよいのではないだろうか。
管理人は、新たな初期研修制度の動きに注目している。そして、スーパーローテーションのマッチングが最終的には廃止されるのではないかという期待を抱いている。

2008年7月 5日

麻酔科を知る日(初期研修医)

広島大学病院麻酔科では「麻酔科を知る日」という見学会を開催します。夏休みを利用して広島大学の麻酔・疼痛治療科に見学にきませんか。特に、初期研修医で麻酔科を十分に理解できなかった方々にきていただきたいと考えています。麻酔科の魅力を伝えます。随時、見学は受け付けていますので、まずはメールをお願いします。広島大学の麻酔科は退屈させません。また、広島で麻酔科医療をやってみたい先生も随時、見学を受け付けています。

◆「麻酔科を知る日」問いあわせ先(広島大学病院麻酔・疼痛治療科

2008年7月 3日

がんばりましょう、その後

以前に、「がんばりましょう」は全身麻酔を受ける手術直前の患者にはふさわしくないことを書いたが、その後に気づいたことがある。病棟看護師の中に、数人、「がんばりましょう」と言わない看護師がいる。数人のうち、何人かに聞いてみた。どうして「がんばりましょう」と言わないのか。やはり、がんばりましょうはおかしいとの答え。もう一つわかったことがある。ある一定期間、手術室での勤務経験があるということだ。たしかに、患者を受け入れる側の(ある程度経験のある)手術室看護師は「がんばりましょう」とは言わない。手術室看護師といえども、新人は別である。
これらを考え合わせてみると、手術室でどんなことをするのかが、きちんと理解できているということが、大切なのではないだろうか。中堅までの外科医は、やはり、手術や麻酔というものを(きちんと)理解できていないのではないか。という疑問がわいてきた。
しばらく、外科医と看護師の観察を続けてみようと思う。

2008年6月27日

麻酔科耳

「英語耳」と言う言葉がある。英語を聞き取れるようにするための耳という意味だそうである。
あるとき、麻酔科医が研修医に「がすとろか」と言ったそうである。研修はきょとんとして、何も返事しない。「がすとろか」と全身麻酔中に言ったらば、それは採血をするに決まっている。研修医は何度聞いても聞き取れない。なぜか。麻酔科耳が鍛えられていないためである。麻酔科の後期研修医に同じ発音で同じペースで言ってみる。100%聞き取れる。
「麻酔科耳」は、あきらかに存在する。同じ環境にいるものだけが、理解できる速度の言葉がある。

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2008年6月26日

かめぜ

研修医A「この患者さんは、かめぜがあります」???
指導医「・・・」
"かめぜ"ってなんだろう...
"亀ゼリー"なら知っているが、と指導医の頭の中には???が駆けめぐった。俺の知らない医学用語を最近の研修医は学生の頃習ったのだろうか。他科の先生に習ったのだろうか。
指導医は研修医に聞く勇気はなかった。
しばらく、???が駆けめぐっていたが何とか落ち着いてきた。まーいーか。
そうこうしているうちに、研修医どうしで「かめぜ」について話を始めた。
研修医B「朝のカンファレンスで発表していた"かめぜ"って何?」
研修医A「これこれ」「麻酔申し込みに"亀背(+)"」と書いてあるよ。
研修医B「それは、きはいと読むんじゃなかった。」
研修医A「え~。そうなんだ。猫背(ねこぜ)と言うのがあるので、てっきり亀背(かめぜ)と読むと思ってた。でも、朝のカンファレンスで誰も指摘しなかったね。」
研修医B「指導医の先生たち、意味がわからなかったんじゃないの?」
研修医A「ググってみようか。本当は"かめぜ"って読むかも?」

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2008年6月17日

空腹時血糖値100~109mg/dLは「正常高値」

日本糖尿病学会が委員会報告としてホームページに掲載した論文によると,これまで正常域としていた空腹時血糖値110mg/dL未満のうち,100~109mg/dLは「正常高値」とするのが適切だということである。

■日本糖尿病学会 糖尿病・糖代謝異常に関する診断基準検討委員会
 糖尿病・糖代謝異常に関する診断基準検討委員会報告―空腹時血糖値の正常域に関する新区分―(PDF)

「空腹時血糖値100∼109 mg/dl の領域は,将来の糖尿病への移行やOGTT 時の耐糖能障害の有無や程度からみて多様な集団である.従って,現時点では,空腹時血糖値が100∼109 mg/dl の者を一律に境界域あるいは空腹時血糖値99 mg/dl 以下と同一の正常域として取り扱うべきではなく,正常域の中で正常高値とするのが適切である」

2008年6月 9日

GasManのベータ版

GasManという吸入麻酔薬のシミュレーションソフトウェアが、新しいバージョンを出す予定らしくて現在、ベータ版のテストを行っている。ベータ版とは正規版をリリースする前にユーザにボランティアでテストを依頼することがある。ようやくVISTAとMac OS Xに対応するらしい。管理人がアクセスしたところ、ベータ版でバグが出たので、次のベータ版のリリースまでに数日かかるとのアナウンスがあった。このベータ版を使用するに当たっては、覚悟が必要。動かないだけでなく、もしかするとPCを破壊したりするような大きなリスクがあるかもしれない。それがいやなら、正規版がでるのを待って購入するしかないであろう。

2008年5月23日

高校生の目に映る麻酔科医

日本臨床麻酔学会雑誌の2006年 Vol26 No.4に「高校生の目に映る麻酔科医」(PDF)が発表されている。

2008年5月21日

バイバイキーン

病院の中での話。先日、外来から手術室に向かって歩いていると、細菌検査室の前に検査技師さんらしき人が立っていて、立ち話をしている。話をしている相手が帰るというので、もう一人の人は、なんと「バイバイキーン」と手を振って見送っていた。始め、管理人は耳を疑った。30過ぎ?(そう見えた)の大人が挨拶に「バイバイキーン」はないだろう。それも、結構人通りの多い廊下でである。耳を疑ったのは管理人だけではなかったようで、他の通行人もしばらく歩いたところで、首をかしげていた。言動には気をつけたいものである。

バイバイキーンとは、ばいきんまんが逃げるときに発する言葉

2008年5月20日

会長企画:工夫とロジック

第55回日本麻酔科学会学術集会で 緊急公募していた、会長企画"私のテクニック:工夫とロジック"に管理人の「新人への気管挿管事前トレーニング~喉頭鏡の握り/素振りとエア挿管~ 」が採用された。喉頭鏡の握り/素振りの指導法をはじめて公開します。お楽しみに。

6月13日 (金)13:30~15:15 中央特設会場

日本麻酔科学会[会員専用パスワード要]

2008年5月 4日

がんばりましょう

全身麻酔を導入しようとしていると、患者に向かって「がんばりましょう」という人々がいる。管理人は、この「がんばりましょう」を許容できない。全身麻酔状態になっている患者が何をがんばるのか?
通常、患者さんに向かって「がんばりましょう」というのは、せいぜい「一緒に、がんばりましょう」というべきであろう。それも、入院とか治療とかを始める前にかける言葉である。これから、全身麻酔を導入しようとしているときに「がんばりましょう」というのは、大抵、お気楽な中堅以下の外科医である。それも、こういっては悪いが、手術はあまりうまくない。研修医がそれをまねしているのを見かけることもある。がんばるのは、医療サイドであって全身麻酔で手術を受ける患者さんががんばるのはおかしい。口癖でいっているのであろうが、ちょっと考えて欲しい。
もう一人、手術室に入ろうとしている患者に「がんばってください」と声をかける病棟看護師もいる。何か言わないと気が済まないと思っているのだろうが、これも変である。
「がんばる」以外の日本語を知らないのだろうかと、思ってしまう。もし、声をかけるなら「安心してくださいね。きっとうまくいきますよ」とか「日勤中に終わったら、私が迎えに来ますからね」とかいくらでもかける言葉はあるだろう。「がんばる」というのは、一見べんりな言葉のようだが、手術直前の全身麻酔を受ける患者さんに向かっていうのは、ちょっと許容できないのである。

2008年4月25日

モ源病,ふたたび

"モ源病"とは「モニターに出た数値のみを信じて,それに振り回され本質を見失う状態になることをいう」(byさぬちゃん)である.このモ源病,研修医がよくかかっているのだが,ある程度できると思っている先生も最近はかかるらしい.どうしたら,モ源病にかからないようになるか.それは,きちんとモニターの原理を知っておくこと.何が起こっているかを確かめることである.それには,自分の五感で確認することである.見ればわかること.聴けばわかること.触ればわかること.など,モニターから出てくる数値とはあわないことはないかどうかを確かめることである.見るのは波形であり,術野であり,画像であり,トレンドであり,センサーであり,患者である.もっとほかにも見るだけでわかることがある.また,手術の状況や術野の操作などはモニターより術者が知っていることもある.これは聴くというより聞くかも知れない.

2008年4月16日

レーザーポインター論

プレゼンの時にはレーザーポインターがあると便利である。画面が動いても、適当にレーザーポインターで追いかけて示すことができるからである。しかし、最近、レーザーポインターを使わない(使えない)講演を依頼されることがある。それは、別の部屋で同じ画面を見ている場合や、2面同時に同じ画面を左右に置かれている場合である。横長の会場とか、複数部屋の会場の時には、演者がひとつの画面をレーザーポインターで示しても、もう一方の画面では指し示したものが、何かわからないのである。そこで、こういった場合にはプレゼンの画面に指し示したいものをマークする必要がある。静止画の場合は簡単だが、動画の場合はプレゼンファイルを作成しなおすのが面倒である。レーザーポインターはなくても、指し示しているものがわかるような工夫は、はじめから盛り込んでいたほうが良い。これが、管理人の最近のプレゼンである。
どうしても、途中でレーザーポインターが欲しければ、そこだけレーザーポインターを使えばよい。
レーザーポインターは赤ではなく緑がやさしいし、流行である。管理人も以前、msanuki.orgで紹介したように緑のレーザーポインターを使っている。最近は、赤も持っていて2刀流でやることもある。
赤でよければBluetoothマウスに内蔵されたmicrosoftの製品がお勧めである。

以下は何れもmsanuki.orgの記事
緑レーザーポインターとバリアフリープレゼン
レーザーポインターと3面のスクリーン
レーザーポインターを使うプレゼン
レーザーポインターを使わないプレゼン
レーザーポインター(その後)

2008年3月23日

「術中覚醒」が議論を呼んでいる

術中覚醒が麻酔ディスカッションリストで話題になっています。事の発端は、The New England Journal of Medicineが術中覚醒とBISに関する論文(Anesthesia Awareness and the Bispectral Index. N Engl J Med 2008; 358 : 1097 - 108 )を取り上げられた事によります。しかし、この論文は結論の導き出し方に、かなり無理があります。読んでいただければわかります。2000例を対象に2群に分け各群の術中覚醒の頻度は2名ずつです。発生率が少ないので、とても2000例から導き出すには統計学的にも無理があります。
術中覚醒の問題点は、術中覚醒を体験した患者がPTSD(Post-traumatic stress disorder)になる可能性があるということです。すべての患者が、PTSDになるわけではありません。たとえば、わざと術中に覚醒させて機能をみる手術(awake craniotomy)などでは、PTSDになる患者はいません。術中に覚醒したことが、PTSDになる状況でない場合には、術中覚醒してもPTSDにはなりません。術中に覚醒させることをあらかじめ話しておいて、覚醒していた状況が本人にとって苦痛でなければ問題ではありません。術中覚醒してPTSDになる状況は、覚醒した時に苦痛であると感じている必要があります。通常は、麻酔科医が術中覚醒が起きていることに気づかなくて、不意に覚醒している状況でおこります。麻酔薬や鎮痛薬がうまく投与されておらず、覚醒状態になってしまって動けない、痛い、つらいといったような状態です。麻酔科医が覚醒していないと信じていて、種々の麻酔処置や手術操作が加わっている状況です。また、手術の真っ最中でなくて、麻酔のかけ始めだったり、麻酔からの覚醒間際にも、覚醒していて患者さんがPTSDになりうる状態があるのではないかと想像されます。
管理人は、麻酔のかけ始め麻酔からの覚醒間際で明らかに覚醒していないであろうと思っても、必ず、患者さんに「大丈夫ですからね」、「○○しますよ」と声をかけている。術中覚醒は、術中のすべての時点で覚醒しているわけではありません。麻酔が浅い状態になったとき、麻酔のかかりはじめや麻酔のさめぎわに、覚醒している可能性があるからです。
全米で昨年末に公開されたawakeという映画が、2008年には日本でも公開される予定です。それによると、700人に1人は術中覚醒を体験しているとされますが、通常、術中覚醒にきをつけて麻酔管理をおこなっている管理人にとっては大変、頻度が高い数字であるという印象です。

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2008年2月18日

よくできる(ようにみえる)研修医のコツ

よくできるように見える研修医がいる。管理人がこれまで見てきた研修医で、よくできる(ようにみえる)研修医に共通したことがある(管理人が観察できたこと)。それは、プレゼンがスムーズ。患者さんや指導医との会話がスムーズである(話がうまい)。声量がある。この特徴はどこから生まれるのか?自信である。ある程度勉強している自信。ある程度練習している自信。である。その研修医にプレゼンはどうしているかと聞くと、練習していると答える。よくできる(ようにみえる)ためにはそれなりの努力をしているのだ。
よくできる(ようにみえる)と書いたのは、研修医としてはよくできるという意味である。
よくできるように見えるとよいことがあるのは、ある程度、上級医からの信頼が得られ、いろいろなこと(医療行為)をさせてもらえる可能性が高い。
これとは対照的に、なぜか自信満々だが、よくできるようには見えない研修医もいる。この特徴も共通点がある。(実践的、実際的な)勉強していない事が多い。ポイントをはずしているのだ。
おそらく、勉強した実感はあるのだが基本的に時間が足りていない場合もあるかもしれない。

2008年2月11日

第8回麻酔科学ウインターセミナー報告

第8回麻酔科学ウインターセミナーが、2008年2月8日(金)〜10日(日)に小樽市(朝里川温泉)で開催された。今年は、さっぽろ雪祭りの日程と重なったせいかどうかはわからないが、参加者は多い印象だ。11日(月)が祭日ということもあり、ゆっくりできる感があったのも良かったのかもしれない。さて、本題に移ろう。第1日目のプログラムは人工心臓の紹介と術中覚醒・術中記憶の話題である。初日から多くの質問やコメントが出て、本音で語るウインターセミナーのスタートとして相応しい話題であった。発言しやすい雰囲気があった。
第2日目、朝の講演は札幌医大金谷先生の「あかひげ診療所はなぜつぶれない」という講演。金谷先生は,夜間の小樽商科大学大学院でMBA(経営学修士号)を取得され,経営学から見た医療について話された。午後からは研修医セッション,ポスターセッション、心臓血管麻酔でのレミフェンタニルやTEEのセッション。いずれも,おもしろい話題であった。研修医セッションは、最近では研修医の話を聞いておじさんたちがどうしたら研修医の心をとらえられるかを勉強する場になっている。学会ではあり得ない企画である。管理人は、司会をしながら研修医の先生の心をとらえる方法を深く勉強できたと思っている。大変有意義であった。TEEやレミフェンタニルの話題は従来よりも噛み砕いた内容となっており、若手の医師にもついてこられるような配慮があった。ウインターセミナーが回数を重ねて成熟してきた証拠であろう。
その後に開催された懇親会で、研修医セッションとポスターセッションの優秀者の表彰があり、いずれも3位までには賞状が授与された。また1位には賞品も贈呈された。このコンテストは、来年からはマイレージ制度が導入される見込みである。つまり、過去のウインターセミナーでの参加点や発表点が審査に加算されるというもの。3年間有効で、最後に参加してから3年間参加しないと失効する(らしい?)。常連で、いつも発表されている先生に敬意を表するために考え出されたものである。詳細が決まれば、いずれ報告したい。このセミナーの合い言葉は"よく遊び,よく学べ"で、勉強するだけではいけない。そのような内容の参加点も加味されるという噂もある。
最終日の朝の講演は、例年通りテクノロジー系の話題。手稲けいじん会病院の片山先生のモニターに関する話題であった。内容は現時点での麻酔モニターの機能と比較であった。通常、決まったモニターしか使用しない方にとっては勉強になっただろう。管理人にはよくわかったが、テクノロジー系でない方には少し難しかったかもしれない。
なお、AP通信にも第8回ウインターセミナーの報告が出ている。

2008年1月29日

最近の気道確保器具雑感

200633-01.gifのサムネール画像ここ数年で、気道確保の道具がいくつか売り出された。最近(でもないか)、使っているのはペンタックスのエアウェイスコープである。似た道具で、先日、電脳麻酔ブログでも話題になった、エアトラック(AIRTRAQ)(MERAが取り扱い)がある。この2つの違いを、比較してみよう。といっても雑感としてである。現時点での使用感(管理人の印象)としてお読みいただきたい。

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2008年1月13日

第9回広島麻酔エキスパートセミナー

昨日は第9回広島麻酔エキスパートセミナーを開催した。今回は、広島以外からも参加枠を設けて広く参加できるようにした。困難軌道のセミナーで実習がメイン。研修医と専門医がともに学べるように工夫してあり、あるいみACLSより麻酔科にとってはおもしろかったかも。初期研修医の先生も結構楽しんでいた。大変、充実した時間が過ごせたとの意見をいただいた。来年もどう形式のセミナーを開催する予定です。今回参加できなかった方も、来年は是非。

2007年12月26日

使える医者

管理人の研修医時代の目標は「使える麻酔科医になる」であった。「使える麻酔科医」というのは、「あいつに任せておいたら大丈夫」と思ってもらうことである。他科の医師や先輩に信頼を得ることである。今思ってみれば、研修医としては、かなり大きな目標であったように思う。以前にも書いたが、「使える研修医」というのは、あくまで「研修医」としての信頼をえることであり、一人前の医師として認められるわけではない。しかし、「研修医」であっても他人、特に先輩医師の信頼を得るのは大変なことである。自分が評価者ではなく他人が評価者であるからである。麻酔科医は他科の医師の信頼を獲得する必要があるので、常に客観的な評価を得る必要がある。その評価とは公表されるものではないので、目標の達成についても終わりはない。はたして、「使える麻酔科医」「使える医者」として自分は評価されているのだろうか。

2007年12月24日

麻酔科研修チェックノート正誤表2007/12/4

麻酔科研修チェックノートの正誤表にエスラックスが追加されています。
羊土社のホームページから該当ページのPDFがダウンロードできます。

2007年11月28日

丸石製薬の配布している麻酔情報誌

最近(少し前から),丸石製薬が発行している麻酔情報誌のバックナンバーがPDFで入手できるようになっている.Anet(Anesthesia Network)である.もうひとつAnesthesia21Centuryというのもあるが,こちらは一部のみインターネットに公開されている.冊子体だけではなく電子メディアでも公開されていることは大変感謝したい.
また,麻酔薬に関する冊子などもPDFで入手可能である.このようなサイトでの公開は広く知られるようになれば,われわれ麻酔科医にとって大きな財産になる.

麻酔・鎮静領域情報(丸石製薬)

2007年11月18日

動脈ラインのゼロあわせ

動脈穿刺には非常に興味があり率先して,穿刺に手をあげる積極的な研修医が多い.麻酔科だけではない救急領域でも同様である.しかし,準備に関しては興味が無い.穿刺前に動脈圧とモニターとの接続コードの接続がなされていないことが多い.動脈穿刺後,カニュレーションをして圧トランスデューサーのラインをカテーテルに接続しても圧波形が出ない.その時点で,接続コードがつながれておらずゼロ合わせもされていないことに気づく.何度も同じ光景が見られる.何のために動脈穿刺を行っているのかがわかっていない.手技だけマスターしたいということの表れだろうか.気管挿管の場合も同様の傾向が見られる.気管に入ればOK,入らなければダメ.それだけでは,かなりさびしい.何のための,誰のための気管挿管だろうか.研修医の練習のため?ではない.そこから認識して研修を行うことが大切である.ただでさえ,医療側のミスやトラブルには敏感な時代である.手技(穿刺や挿管)だけできても,できたとはいえないのである.

2007年11月17日

基本姿勢

回復室での光景である.当院では,麻酔から覚醒させたあと回復室に移動してモニターをつけて患者さんの回復を少し観察する.そのためには,移動させなければならない.そのときの麻酔担当医(初期研修医)と患者さんの位置関係に関してである.移動させるところまでは,ほぼ問題なく対応ができているのに,モニターをつけた後,モニターばかりをみて記録している.麻酔チャートを閉めたり,回復室記録を書かなければならないのはよくわかるが,患者さんをみているはずの医師がモニターをみている.最もよくあるのは,患者さんにおしりを向けてモニターを見て記録ばかりしている光景である.記録台は軽くて自由に動かすことができる.それをモニターが見やすい場所に動かして記録している.当然,モニターも患者さんも見やすい場所に動かすというのが正解である.
術中と違うのは回復室では,麻酔から覚醒しているのが前提なので,患者さんに声をかけることが大切である.患者さんを観察して声をかけながらモニターをつけ,記録を完成させるのが通常である.
ほぼすべての初期研修医が,この状況を指導医の先生に指摘されている.患者を診るという基本姿勢が身についていないのが露呈されている.術中には患者さんが訴えないので,仕方なくモニターを使って観察しているという状況があるのだが,何かを訴えることができる状況になっても,それをしないのは基本姿勢を見失っていると言わざるを得ない.

2007年10月23日

目標を設定する(2)

目標を設定し,達成できたかどうかを評価する.自己評価と他人の評価の両方が必要である.自己評価は自分で可能であるが,甘い評価になりやすい.必ず他人による評価を併用する.この他人による評価であるが,指導医が最もよい.この評価をもらうためには,指導医との関係を良好に保つ必要がある.指導医は研修医の目標設定のチェックとともに達成度を評価し,できていない場合は修正をかける必要がある.これは,当たり前のことであるが,周りを見るとできていないことが多いので,ここに書いてみた.

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2007年10月22日

目標を設定する(1)

研修での目標を設定することは良く行われています.そのなかでも,毎日の目標や症例ごとの目標を設定することを行っていますか.目標を設定する.そしてそれが達成できたかどうかを評価するという過程が大切なのです.よく,大目標を達成した後は目標を見失ってしまうことがあります.その目標は最終目標であったということです.人が生きている限り,最終目標など無いはずです.必ず,目標を設定して物事を始めないと忙しさに流されてしまいます.

2007年10月10日

クロスフィンガーの新指導要領

名前が誤解を生んでいるかも知れないので,クロスフィンガーの指導要領を変更します.
(1)180度のクロスフィンガーで,奥歯を支えます.
(2)そのとき力を入れるのは親指方向ではなく,人差し指方向にしてみてください.
(3)決して90度~180度に口の中で角度を変更しようとしてはいけません.はじめから180度です.
(4)180度方向にしか力を加えてはいけません.
(5)口の中で角度を変更しようとすると,上顎と下顎の軸がひねられて,くちがうまくあきません.
(6)最大のポイントはクロスフィンガーをする前には下顎が上顎より上にある状態(スニッフィング)で,口を少し開けて,180度にクロスフィンガーした指を入れましょう.
(7)クロスフィンガーで口を開けるのではなく,少しあけた口に180度のクロスフィンガーの指を入れて,(1)ー(6)の要領でささえるのがポイントです.

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2007年10月 7日

経食道心エコー 撮り方,診かたの基本とコツ

beginer_TEE.jpg超初心者向けのTEEの手引き書.これまでにあったものとは格段に質が違う.日本周術期経食道心エコー認定委員会(JB-POT)資格試験を受験しようという場合には,はじめに押さえておくべき本であることには間違いない.まだTEEを始めていない方,始めていてももう一つわかっていない場合には非常に役立つ本になると思う.管理人も一通り読んでみたが,非常によくできている.わかりやすい.初心者には超おすすめ.

カラー写真で一目でわかる 経食道心エコー 撮り方,診かたの基本とコツ
岡本浩嗣,外須美夫(羊土社)

A4判  120ページ  ISBN 9784758106375
2007/09発行 定価 5985円

2007年10月 3日

研修医の75%が学術誌論文の統計解析について全く理解できていない

ケアネット.comに「研修医の75%が学術誌論文の統計解析について全く理解できていない」というJAMA誌9月5日号の引用報告が出ている.それほど,驚くべき結果ではないが,日本でも同様ではないかと想像される.自分が研修医の頃を思い出してみれば納得するであろう.統計解析などは必要に迫られないと身につかないものである.そこで,第11回広島麻酔エキスパートセミナーでは「論文を読むために必要な統計学」を企画している.ぜひ,研修医だけでなくエキスパートも参加してほしい.

2007年10月 2日

麻酔科研修の特徴を一言で言いあらわす

麻酔科研修の特徴を一言で言い表すと,「インタラクティブ」である.少なくとも管理人の元で行う研修は「インタラクティブ」である.見学のみの麻酔科研修はおもしろくない.かといって,手技のみをマスターするためだけに行う麻酔科研修もおもしろくない.気管挿管や静脈ライン確保,動脈ライン確保のみのために麻酔科研修を行うつもりなら,おもしろさ半減,いや1/100だと思う.インタラクティブとは国立国語研究所のホームページによると「送り手と受け手が双方向に作用し合う様子」だそうだ.「双方向的」とも言い換えられる.つまり,どんな症例であれ指導医と研修医が1対1に配置されるならば双方向的な教育ができる環境である.特に,術中で症例が落ち着いているときなどはインタラクティブなやりとりが可能である.もちろん,指導医や研修医のコミュニケーションができる状態でなければならない.つまり,研修医が何も疑問に思わず,指導医も研修医の存在に気遣わなければそんなインタラクティブな指導はあり得ない.
麻酔科研修がつまらない思うあなた,原因はどこにあるのかよく考えてみましょう.もしかすると,インタラクティブな環境が与えられていないのかも知れません.

2007年9月29日

「臨床研修マッチング」中間公表の全大学ランキング

「臨床研修マッチング」中間公表の全大学ランキングが日経メディカルオンラインに掲載されている.東大、医科歯科が相変わらず強い.中間発表の場合,1位希望人数順なので人気度を示すといっても過言ではないだろう.しかし,わがH大は50位とさんざんな不人気ぶり.がんばらねばならない.入学は結構むずかしいのに臨床研修は不人気というのは,いただけない.

2007年9月28日

ヤブ医者の定義

ヤブ医者とは何だろうかと考えてみた.「できない医者」のこと?と考えてみたところで,ネットで調べた.知泉Wikiによると,”「薮」というのは当て字ではないか?と言う説が現在は有力で、もともとは『野巫:やぶ』だったらしい。この『野巫』とは「田舎者の巫女:みこ」の事を意味している。当時の日本では薬学もあまり発達していなかった為に、病気になった場合、巫女が祈祷をして治すと言う習慣がまだ残っていた。そこであまり上手に病気を治せない巫女は田舎者とされていて「下手な医者」のことを『野巫』というようになったらしい。”とのこと.そして最近では藪にもなれない医者を”筍(タケノコ)医者”と呼ぶらしい.
さて,その薮医者であるが,初期研修医は”薮医者”ということになるのだろうか.ということである.いつの時点で,できなければ"藪"と認定されるのだろう.たしかに,研修医でも医師免許を持っており,保険医なので患者さんの診療を行っている.特に,夜の救急外来などでは初診を見る施設もあるだろう.
...初期研修医はまだ修行中なので”藪”ではなく”筍”という説もある.後期研修医はどうであろうか.やはりできなければ”藪”かも知れない.しかし,まだ猶予期間である.
管理人の意見は,こうである.「専門医という資格があってもできなければ,藪である」.むしろ,専門医という資格にふさわしくない力量の持ち主が藪であると思う.今の専門医制度は,基本的に再試験がない.また,我が国には医師国家試験にも再試験がない.その医師の,その時点での力量を公平な目で判断するものは何もない.患者さんの風評のみである.薮といわれないように,実力を維持していくことが大切であると思う.

2007年9月25日

指導医の進化

研修医も進化するが,指導医も進化する.同じ指導医に習ったとしても2年前と今とでは指導内容が違う.少しずつわかりやすいように指導法を変えているはずである.少なくとも管理人は,2年前とは指導内容が違う.相手にあわせて進化する必要がある.その指導が受けない場合は,ネタを変える.何度も同じ事を教えていると,指導する側も指導に変化をつけたくなるというのも真実である.
 キチンと勉強してくる研修医には教えられることが多い.勉強してくるから,疑問も湧いて質問が必ず出る.管理人は,その質問により良い答えができるよう心がけている.その心がけが,指導医を変化させるきっかけになる.

2007年9月24日

上手なプレゼン,わかりやすいプレゼン,楽しいプレゼン

プレゼンの要素で最も大切なのは,聴衆をいかに楽しませるか(学会なら感心させるか)ということだと思う.もちろん,スライドの要素も大切だが,聴衆の反応を見てプレゼンをすすめることが大切である.プレゼンは対話であると思う.管理人が尊敬するジョブズの新型iMac紹介のプレゼンをごらんいただきたい.ここには勉強すべきプレゼンの心構えが満載である.ぜひ,このプレゼンから上手なプレゼンはわかりやすいプレゼンであり楽しいプレゼンであることをみてほしい.

2007年9月20日

黒子のように動く?

今年の4月に大学病院に転勤してから,以前の病院の初期研修医とのモチベーションの違いを感じることが多くなった.管理人のポリシーは,研修医が大切なことに気づかない場合は,”黒子のように動いて”,患者さんに迷惑をかけないように何事もなかったかのようにすることである.前の病院にいた頃は,黒子のように動く頻度は少なかったのだが,今は頻繁である.明らかに違う.ここまでくると,殿様麻酔である.研修医の研修のために時間が流れていると感じることさえある.
愚痴を言っている故ではないが,もう少し,「麻酔科研修チェックノート」を読み込んできてほしい.麻酔科研修が始めるまでに,最低1回は読んでおいてほしい.

2007年9月19日

デジタル文献整理術 第3版

克誠堂からデジタル文献整理術 第3版が9月18日に発売されました.EndNote WEBの使い方を追加して,バージョンX11までに対応しました.

2007年9月10日

サヌキャップ

日経メディカルオンラインとカデット第3号(2007年9月5日発行)に"サヌキャップ"が紹介されています.Cadettoはイタリア語で弟の意味。『日経メディカル』の弟分である若手医師向け雑誌『日経メディカルCadetto』です。U35ドクター向けのキャリアアップ関連情報をお届けします。
■日経メディカルカデットの冊子体はここから申し込みができます.(医師であれば無料で送付されます).ただし,今からの申し込みでは第4号からになります.

2007年9月 9日

ACLSヘルスケアプロバイダーコース(G2005)

先週に引き続いて,ACLSヘルスケアプロバイダーコース(G2005)を9/8-9/9と受講した.なんと,後になって気づいたが,本日は救急の日である(9月9日).それはさておき,感想を忘れないうちに書いておきたいと思う.
BLSとACLSの違いは”身体で覚える”割合かなと思った.先週のBLSでは,ほとんど頭は使わなかった.判断を要求される場面が少ない.ひたすら有効なCRPとAEDである.心電図も読む必要はなくAEDにお任せ.こちらは,前回も書いたがビリーのブートキャンプのノリで押していけば,受講生はついてくると思う.しばらくは...ある意味,やりやすい.
年齢を超えて,職種を超えて同じノリで大丈夫だと思う.
しかし,本日のACLSはちょっと頭も使う.decision makingの場面でも,時折,悩ましいことがある.院内のチームのリーダーであるので,多くの人に遅滞なく指示を出さなければならない.G2005でのおきまりの手順に従う必要があるので,G2005を覚えたての管理人にとっては,考えながらの指示だしになる.ちょっとぎこちない.これらの,アルゴリズムを完璧に何も考えなくても反射的にできるようになるには,すこし実務が必要だと感じた.機会があれば,何回かコースを見てみたい.
もう一つ,ACLSとBLSで参考になったのは,他人のチームリーダーぶりを見ながら何回も繰り返し勉強できるという点である.これで,けっこうイメージトレーニングができる.自分がリーダーをやっているときには気づかないことを,冷静に見ることができるので,自分の番では注意して行うことができる.繰り返し学習することの大切さが,1回のコースを受講しただけで身にしみてわかった.
そして,受講生もけっこーハードだがインストラクターはもっとハードだということもよくわかった.大変ありがとうございました.
さて,これだけでは読者が満足しないので,管理人がコース中に考えていたことを少し書きたいと思う.胸骨圧迫に使う筋肉(や関節)はどこかということである.ご存じのように胸骨圧迫(心マとはいわない)は100回/分のペースで行うのであるが,もうひとつ,押したら完全に戻さなければ次を押してはいけないのである.押すときは体重がかかっているので,きんにくはそれほど使わないが,戻すときが問題である.遅滞なくリズミカルに100回/分のペースで有効な胸骨圧迫を行うには戻すときに,筋力をつかうのである.リズミカルに行うには押した後に,戻すことが常に頭になければならないのである.これは,まさにスポーツのように使用すべき筋肉,鍛えるべき筋肉を論ずるべきであろう.かりに,うまく胸骨圧迫ができるようになった疲れにくいプロバイダーを.心マスター(心マ・マスター)とよび,要領よく心マを指導できるインストラクターを心マニア(心マ・マニア)とでも呼んだらおもしろいかもしれない.さて本題に戻ろう.胸骨圧迫の時に使う筋肉であるが,押すときはどこから曲げると楽かといえば股関節である,背骨,とくに腰椎を曲げるイメージを持つと腰を痛めてしまう.戻すときは,腕が肩胛骨からついていると認識すると,肩胛骨を動かして引き上げればよい.いかがであろうか.これが管理人が2週に渡って考えていた心マスターへの道である.

2007年9月 7日

セボフルラン1.5%キャンペーン

”セボフルラン1.5%キャンペーン”というのが始まっているそうだ.ちょっとちょっとである.
電脳麻酔ブログに解説があるが,管理人もフェンタニル,レミフェンタニルを十分併用の状況では1-1.5%でよいと思っている.萩平先生の以前の解説でも1.5%はいらなかったように思う.少なくとも,吸入麻酔薬濃度を計測している限りにおいては1.5%はいらないだろう.覚醒の危険性があるのでというなら,1%以下にしないというので,よいのではないか?そもそもプロポフォールと違ってセボフルランでは術中覚醒は発生率が低く,1%を1.5%にすれば発生率が下がる?というのはどうであろうか.たしかに,濃度を上げれば鎮静は強くなるだろう.しかし,十分に鎮痛がなされている状況においては血圧も低下する.麻酔科医にとっても麻酔の維持をするのが困難な状況になるのも確かである.一律に1.5%にしようというのはいかがなものか.それよりも,きちんとモニタリングをして,いずれの条件もみたして患者さんの麻酔状態を整える濃度で使用するというのが,本来の使い方であろう.ケースバイケースである.個々の患者さんの状態を把握することができる麻酔科医の責任において濃度を上げるべきであって,一律に1.5%にしようというキャンペーンには賛成しかねる.

2007年9月 2日

BLSヘルスケアプロバイダーコース(G2005)

本日,AHAのBLSヘルスケアプロバイダーコース(G2005)を受講した.来週はACLSプロバイダーコースを受講する予定である.AHAのG2005を再履修する目的でうけてみた.以前,といっても5年も前にACLSプロバイダーコース(当然AHAではない)をうけていたのだが,最近,思うことがあって再履修する気になったのだ.DVDでデモを見せながら,一緒に実践するという形式で,まるでビリーのブートキャンプである.ちょっと違うのが,ビリーよりやっている内容が深刻だということ.DVDを見ながらグループでトレーニングを行うことに関しては,ビリーと同様の効果があるのではなかろうか.ビリーも,スタジオでいつも開催されれば続けられる人も多くなってくるのでは?と思った.ビリーの続けられないのは,自宅でできるのだが,チェックする人がいないところ.最近,ビリーのDVDを手に入れて自宅のDVDの前でTRYしようとしているのだが,見ているだけで満足してしまう.実際はやっていないのだが,やっている気になる,できた気になる.そんな効果があるように思われる.ノリはビリーほどでもないが,本日のBLSコースはビリーを,会場でそれもチェックするプログラムつきで行っている,実践プログラムであった.
そんなわけで管理人は,大変満足して帰ってきた.インストラクターの皆様に感謝します.医療系のプログラムで,久々に楽しかった(もちろんインストラクターやコース責任者のかたがたのしゃべりも大きく関与している).

2007年8月30日

お金の取れる麻酔...つづき

昨日のつづきである.
タイミングよく,お金の取れる麻酔を実践している様子を描いた記事が出ている.「膝関節鏡と大腿神経ブロック(電脳麻酔ブログ)」である.管理人の目指している「お金の取れる麻酔」そのものである.患者だけではない,外科医からもリクエストがもらえる麻酔である.
皮肉なことに「お金の取れる麻酔」は,実際には「お金を稼げる麻酔」ではない(意味が違う).「お金をいただいても,はずかしくない麻酔」である.これを実践するには,日頃からの勉強とスキルの維持・向上が必須である.さらに,常に新しいことに挑戦する勇気も必要である.新しいことというと,JK大学泌尿器科の内視鏡手術を想像するかも知れないが,そんなできそうもないことでなく,実力に見合った範囲内での新しいことである.

2007年8月29日

お金の取れる麻酔

むかし,先輩の先生から「お金の取れる麻酔ができる麻酔科医になれ」と言われた.最近,このことを思い出したので,ここに書いてみる.
管理人が研修医の頃,大学病院から市中病院に出向になった.そこで,今はすでに亡くなられた先輩に,「気管挿管ができるだけの医者はいらない!」といわれた.まさにその通りだと思った.決して,管理人が気管挿管のできる医者を目指していたわけではないのだが,その言葉を聞いて「これだ」と思った.要するに,専門性である.専門性をもてということ.気管挿管ができるというのは,べつにたいしたことではない.判断ができるようになることが大切である.どういう状況で,どういう患者にということの方が大切である.手技をマスターするということのみに終始してはいけない.その判断ができるようになり,特殊な手技を上手にできるようになることが本当に,気管挿管をしてお金の取れる医者ということ.
気管挿管をしてくれと依頼されて,ただ気管挿管ができるだけというのはあまりに寂しい.気管挿管の周囲にあることを多く学んで,それをできるようになるという過程が大切.その周囲にあることを深く掘り下げることが,専門性(専門医としての道)につながる.
できるとかできないとかといったことだけを考えているうちは,到底,専門性はもてない.何科であっても意味は同じであろう.
これを,麻酔という行為に当てはめてみると,全身麻酔を依頼されて全身麻酔を行うことができる.というレベルを維持するだけではいけない.同じ患者に,どのように麻酔を行えば,合併症がなく快適で満足のできるレベルの麻酔を提供できるかが大切.この満足できるというのは,時代やここの患者により異なるのである.ここまででよい,と勝手に自分で決めつけないようにしたい.
これが,「お金の取れる麻酔」であると思う.昔,麻酔を習ったので麻酔ができると思っているかた.今の麻酔ができるだろうか?このことは,自分自身でも考えて続ける必要があることだと思っている.

2007年8月22日

「英辞郎 on the Web」にスペルチェック機能

スペースアルクでは,無料のオンライン英和・和英辞書「英辞郎 on the Web」にスペルチェック機能やand検索機能などを追加し、β版として公開している.ぜひつかってみてください.

2007年8月17日

PCの日本語入力

最近は,医療情報システムに日本語入力する機会が多いが,きちんと日本語入力ができない医師や看護師がいる.かな漢字変換の仕方が我流である.システム端末の使い方は教えてもらったことはあると思う.しかし,日本語入力の仕方は教えてもらっていないのではなかろうか.そこで,そんな心配のある諸氏に本日は日本語変換のポイントを紹介したサイトを紹介したい.こっそり勉強してほしい.
■あなたの日本語入力は間違いだらけ
 快適!日本語入力(1)IME、ATOKの便利な使い方
 快適!日本語入力(2)間違いに慌てるな!入力・変換テクニック 
 快適!日本語入力(3)辞書の精度を下げない変換のコツ
いづれも,日経PCオンラインからです.

2007年8月13日

麻酔科関連のリソースのまとめ

麻酔科関連のリソースのまとめを「麻酔科医のお勉強?さぬちゃんのリソース集」に掲載しているのですが,このサイト意外に知られていないようです.
宣伝のために,ここに再掲します.どうぞよろしくお願いします.
Link集も近々,リニューアルする予定です.

2007年8月 7日

麻酔科研修チェックノートの正誤表

正誤表のありかを質問されることがあります.以下に,ございますので訂正をお願いします.

■麻酔科研修チェックノート 初版の正誤表
■麻酔科研修チェックノート 改訂第2版の正誤表

2007年8月 4日

麻酔科後期研修向けの書籍

ある出版社から来春発売(?)を目標に,麻酔科後期研修医向けの指南書を書いています(対象は麻酔科研修チェックノート程度は理解している人々).もの足らないと感じている初期研修医にも対応します.

2007年7月17日

第1回エキスパートセミナー参加御礼

第1回麻酔科エキスパートセミナーの参加者数は19名でした.雨の中,参加いただきましたありがとうございました.遠方から参加するために,土曜日が希望という意見もありましたが,今年度はまず金曜日を基本に行っていきたいと思います.なお,特別セミナーは土曜日に企画しております.こちらの方にも是非ご参加ください.特別セミナーは参加登録不要です.参加登録が必要なセミナーでは,テキスト(ファイル)の送付とセミナーでの質問の後日回答の際にE-mailアドレスを利用させていただきます.

2007年7月16日

NYHAは「ニーハ」と読む??

患者さんの状態を表現するのに、NYHA分類をカンファレンスで言うことがあります。以前からずっと気になっていたのですが「ニーハ」と読む人がいる。それなに?という発音ですが、最近はこれがまかり通っている。それもそのはず、インターネット上に「NYHAはニーハと読む」なんて書いてあるページがある。言葉は生き物なので、それもありなのかな。「NYHA」は「エヌワイエッチエー分類」と読んでいたと思うのだが、いかがであろうか。もしくは「ニューヨークハート」でもよいと思うが...

2007年7月15日

第1回麻酔科エキスパートセミナー後の補習

麻酔科エキスパートセミナーのあとに、焼鳥屋で補習を行いました。講師に対する質問の時間ですが、懇親会という意味もあります。参加者に楽しんでいただければという思いで補習を企画しましたが、ずいぶん楽しんでいただけたようです。第2回も補習を企画します。当分、大学近くの焼鳥屋かな?ここはうまい。

2007年7月14日

2007年第1回麻酔科後期研修説明会

現在,九州で猛威をふるっている2007年台風4号記事がWikipediaにはすでに書かれている.UpToDateとはこのことである.すごいぞWikipedia.
この台風のおかげで,本日,予定されていた湯酒屋「玉の井」はキャンセルされ,麻酔科後期研修説明会はこじんまり広島大学麻酔蘇生学図書室で行うことになったしまった.トホホ.
是非,第2回を計画してもらいたいと思います.なんとしても「玉の井」に行きたい管理人であります.

2007年7月11日

中途採用も可能

広島大学関連病院麻酔科後期研修係では,現在は別のところで,あるいは別の診療科で後期研修をしているのだが,やっぱり広島で麻酔科後期研修をしたいという方々にも対応しています.随時,見学や訪問を受け付けておりますので,お気軽に,広島大学関連病院麻酔科後期研修係にお問い合わせ(ここからメールが送れます)ください.

2007年7月10日

後期研修医説明会の麻酔科プロモーションビデオ

広島大学病院平成20年度後期研修プログラム説明会が,2007年7月14日(土)17:00?20:00(予定)に広島大学病院大会議室 (医科外来棟3階)で開催される.そこで,各科がプレゼンテーションをするのだが,そこで流すための麻酔科のプロモーションビデオを作成している.麻酔科のプロモーションビデオはちょっとかっこいい(自画自賛).かなり目立つ.初期研修医の皆さんは,現地で確かめてほしい.6分に紹介内容を凝縮した.
それで言い表せないことは,先に紹介した足湯のある湯酒屋「玉の井」で語ります.お気軽にお越しください.もちろん初期研修医は無料です.

2007年6月26日

広島大学病院麻酔・疼痛治療科後期研修説明会

2007年7月14日(土)に広島市中区三川町の「玉の井」で、20:00より広島大学病院麻酔・疼痛治療科後期研修説明会を行います。管理人も出席し熱く語ります。後期研修グループ病院の先生方の話も聞けますので、今後の進路決定に有益な情報が入手できます。麻酔科に興味のある初期研修医の方はぜひお越しください。現地集合です。湯酒屋のため足湯もできます。
なお、麻酔科研修チェックノートにサインもいたしますので、必要な方はお持ちください。
お誘いの言葉(PDF)/栞です
「来年から私と同じところで仕事をしませんか」
by msanuki

2007年6月22日

LiSA以前

最近の研修医の読む麻酔科の雑誌といえば,LiSA(メディカルサイエンス)である.LiSA以外の日本語の麻酔科学ジャーナルは知らない研修医も多い.まず何かあれば,LiSAなければ成書(教科書)である.しかし,それだけでは,寂しい.PubMedで文献検索をして英文文献を引けとはいわないが,翌日の症例の予習には,日本語文献,特に症例報告を探してほしい.LiSA以前はどうしていたかというと,赤い「臨床麻酔」(真興交易)「麻酔」(克誠堂)である.文献検索もネットでできなっかったので,研修医は「臨床麻酔」「麻酔」の12月号についている索引を何年分もコピーして持っていた.そのなかから症例報告や特集を探したものである.LiSAもお手軽でよいのだが,それしか知らないというのはちょっと残念である.
いまは,索引をコピーして持たなくても,医学中央雑誌WEBなんてものがあるので,それで検索して必要な文献を手元に持ってくればよい.

2007年5月30日

プレゼンのスライド

プレゼンのスライドについて有用なアドバイスが、電脳麻酔ブログに出ている。「最後の仕上げ」である。準備したスライドから一枚だけ省略することを考えてみよう。というもの。この一枚を減らすという作業ができるようになれば、もうプレゼンの達人は目の前である。時間配分に気をつけてプレゼンができるようになっている。この減らすという作業は、大切なアドバイスである。管理人ももう一度プレゼンファイルを見直して減らす努力をしてみる。

2007年5月21日

アイ~ンを検証してみた

今日は午後から外勤だった.本日の外勤先には,現在もれなく初期研修医2年目の麻酔科研修指導がついている.そこでマスク換気や気管挿管に悩んでいる研修医の先生に「アイ~ン」が通用するかどうか試してみた.結果は大成功.うけるだけでなく,教育効果絶大.きちんとできるようになった.「アイ~ン」は使える.下顎を持ち上げる操作を忘れている研修医の諸君が多いのだが,これで忘れないだろう.本日は確信を持った.回りの看護師さんにもうけていた.
結語:「アイ~ン」は,大衆の前で講義の際に使うより,実際の実技指導の場面でつかう方が効果的である.

2007年5月20日

アイ~ン

気道確保の時に下顎を前方に突き出す動作を,ある先生は「アイ~ン」と表現する.本日,ある麻酔看護セミナーでこの表現を聞いたとき,管理人はおかしくて笑いをこらえるのに苦労していたのだが,看護師さんには全然うけない.なぜなんだろう?志村けんのバカ殿様を知らない?と一瞬考えたのですが,そんなわけはない.やはり,「アイ~ン」の動作の意味がわかっていないのではなかろうか?管理人は「アイ~ン」と同様の動作をゴリラのようにとかオランウータンのようにとか表現することがある.(ゴリラさんとオランウータンさんごめんなさい.)それよりも,あの「アイ~ン」の方がぴったりする.下顎をつきだして下の歯が見える様子などは,まさに「アイ~ン」そのものである.この「アイ~ン」がわからない人は,おとがい挙上(スニッフィング)の意味がわかっていないのではなかろうか?

2007年5月14日

話し方のトレーニングができるDS用ソフト

なんと,話し方のトレーニングができるDS用ソフト『ビズ能力DSシリーズ 話心の素』がコクヨから7月26日に発売される.すごい,時代になったものだ.”ゲーム機で,トレーニング”である.スポーツのトレーニングではなくビジネスの基本を鍛えるトレーニング.プレゼンや人との対応能力を磨くために役立つに違いない.

2007年5月12日

PDAや携帯でPubmed

英文文献の検索にPubmedを利用することは日常になっていると思いますが,モバイルpubmedはいかがでしょうか.手元にあいているPC端末がないときにちょっと検索できます.PalmWindowsMobilePubmedを検索できるものが出ています.ご存じでしょうか.ソフトウェアをインストールするものとWEBブラウザの表示をモバイル用に変更してあるものがあり後者では機種に関係なく使用できます.PalmやWindowsMobileでない,たとえば管理人のようなnokia E61などのシンビアンOSでも後者が使えます.表示したホームページの右上の方法です.

2007年5月 9日

プロフェッショナルとオタク

先日、麻酔科を回ってきた医学生の人たちと話をしていて、オタクとプロフェッショナルの違いが話題になった。非常に専門的な話になると「オタク的な話」として、目が輝いてきて聞き流しモードになる。ありふれた話をすると、眠たそうな目になってしまう。管理人は、「オタク」という言葉よりむしろ「プロフェッショナル」が好きである。たしかに、独自性のある場合には「オタク」度は高いが、本当の意味では「オタク」ではない。仕事として認められているならば「プロフェッショナル」が正しい。Wikipediaでオタクを引いてみると”「広義のおたく」では「社会一般からは価値を理解しがたいサブカルチャーに没頭しコミュニケーション能力に劣る人」というネガティブな見解から「特定の事物に強い関心と深い知識を持つ一種のエキスパート」であるといった肯定的な主張まで、オタクの意味するところは人により大きく異なり定っておらず論争も多い。”との解説もあり、広義の意味で肯定的な用法とすれば、「プロフェッショナル」を「オタク」呼んでもまんざら間違いではない。
話が脱線したが、医学生を相手に解説するとき、ありきたりの話ではなく、すこし込み入った話を易しく解説することでずいぶんコミュニケーションがとれるようになる。いわゆる「お勉強」とは違った雰囲気を出すと、効果的である。医学生や初期研修医の相手が嫌いな(苦手な)先生は、相手を自分の土俵に引き込んではどうだろうか。

2007年4月30日

アルチバの血中濃度予測

アルチバ(レミフェンタニル)のコントロールにはTCIは必要ないという意見が多い。ただし、血中濃度がどれくらいになるかを知っていればの話である。麻酔電脳ブログでもかかれているのだが、
投与速度(μg/kg/min)の数字×25が平衡になった時の血中濃度(ng/ml)になると覚えておけばよい。
0.2μg/kg/minで投与するなら5ng/mlになるということである。もう少しいうと、μg/kg/min計算はアルチバを100μg/mlに希釈(2mgを20ml、5mgなら50mlに希釈)する場合、0.1μg/kg/min ⇒ 0.06×体重(kg) ml/hrである。50kgの場合3ml/hrで投与すれば0.1μg/kg/minである。0.5μg/kg/minなら 15ml/hrである。

2007年4月13日

麻酔科研修チェックノートの初版

麻酔科研修チェックノートの改訂第2版が出版されました。それに伴って、初版は売られなくなっていますが、Amazonではすでに値段が上がっています。コレクターにとっては、旧版は価値があるものなのでしょう。値段が高いです。

2007年3月19日

頭で理解し 身体で覚える 気管挿管トレーニング DVD

日経メディカルから「頭で理解し 身体で覚える 気管挿管トレーニング DVD」がいよいよ3月25日に発売されます。どうしたら気管挿管ができるようになるかを追求したDVDです。上記のURLからサンプル画像が見られます。初期研修医、救急救命士をはじめとして、普段、気管挿管をおこなっているがなんとなくやってきた医師にも対応しています。教科書には書かれていないトレーニング法を満載しました。やみくもに練習してもダメです。きちんとできるようになるには、それなりの知識が必要です。わかっているつもりでわかっていない方の”こそ勉”にも役立ちます。
指導者が,初心者にステップを踏んで教えるときにも役立ちます.これまで何気なく教えていた(教えられていた)ことが,DVDの解説により”すっきり”します.

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食道誤挿管

ちょっと前、食道誤挿管に気づかず患者を低酸素症に陥れ意識障害になったとの報道があった。CO2濃度が低かったが、重症ぜんそく発作と思いこんだとのことである。思いこみによる単純ミスともとれるが、真相はわからない。食道挿管した場合、CO2は全く出ないかといえば、そうではない。かすかに呼気CO2モニタでも山が出る。これを見て、重症ぜんそく発作と思いこんだのかもしれない。
幸いなことに、管理人はこれまで食道挿管に気づかずに放置したことはない。逆に、ぜんそく発作を食道挿管と思いこみ再挿管したことは何度もある。研修医の頃から、気管挿管後におかしかったら食道挿管を疑って何をさておいても、即、再挿管を実践してきた。自信が持てなかった時には、気管支ファイバーでのぞいてみたりもした。
重症ぜんそくなら、気道内圧は高く、呼気CO2がほとんど出てこないはずである。食道挿管なら気道内圧ははじめは低いはずである。よほど、マスク換気時に胃内にガスを送り込んでいなければはじめは低く、人工呼吸器で送っているうちに高くなるはずである。
きっと、ぜんそくの既往がある患者さんだったに違いない。ぜんそく、ぜんそくと既往症を復唱しているうちに思いこみ勘違いの悪いサイクルにはまったのではなかろうか。
このような換気ができないという危機的な状態で、パニックに陥ったときの心理は、計り知れないものがある。
とにかく、おかしかったら再挿管である。

2007年3月15日

初期研修におけるTEE

以前,初期研修医にTEEのどの画面でどんなことが判るのですかと聞かれた.簡単に説明したが,何か書物が欲しいという.本気で勉強する気になれば,TEEの教科書を薦めるが,そこまでの時間はないという.
困った.
An Anesthesiologist's Dayのブログを勧めたが,その時点ではぴったりした記事はなかったという.本日,その質問の答えとなる記事がUPされた.ここを参照して欲しい.
また,CABGだけに限っていえば”冠動脈バイパス術のTEEをいかに速く正しく記録するか ? ?ひとりTEEと麻酔科医?”日本臨床麻酔学会雑誌 25(7):616-625,2005.が決定版であるのでぜひ入手(PDF)してよんでおいてほしい.しかし,超凄腕の麻酔科医でなければ,麻酔をかけながら一人でTEEはできないので,そのつもりで.
麻酔科研修チェックノートの改訂第2版には, ASE/SCA のガイドライン(Anesth Analg 89: 874, 1999)の主要20断面を載せておいたので,4月以降に研修する諸君は,参考にして欲しい.いずれにしろ,初期研修医の段階では自分でTEEを操作する機会はないが,見学する機会があり,その場で指導医の説明を理解できれば良いだろう.積極的に質問して欲しい.

2007年3月 9日

気管挿管トレーニングについての答え

昨日、挿管人形では気管挿管はうまくならないと書いた。さらに、AP通信では"挿管人形ではうまくならない!"という記事を書いていただいた。実は、ここに書いてあるすべて+αの挿管人形の欠点について、3月25日、日経メディカルから発売予定の管理人が主演 兼 監修の「(頭で理解し身体で覚える)気管挿管トレーニングDVD」に動画で盛り込んであります。また、これまでの初期研修医の指導の中で、管理人が開発した気管挿管トレーニングの方法を詳細に述べました。msanuki.bizにある様な、素振りやエア挿管も入っています。これまで、麻酔科医が教えてなかったトレーニングです。
なぜ、研修医が気管挿管の上達が遅いかと言えば、まず第一に気管挿管実習に来る救命士とちがって切迫したものがないからだと思います。救命士の方々は、私がアドバイスする一言一言を大事にして次の挿管では、必ず欠点を克服しているのですが、研修医にはそれがない場合が多いのです。2ヶ月(うちの病院の麻酔科ローテーションは2ヶ月)もすればうまくなるだろうと思っているのかもしれません。スポーツと一緒で、うまくなろうと思えばオフトレが必要です。ここのオフトレが十分できているのが救命士、不十分なのが研修医です。やはりステップを踏んでトレーニングすることが重要なのです。
どうしてマッキントッシュ喉頭鏡で喉頭展開ができるのか。どの方向に入れてどうすれば展開がうまくいくのかがわかるには、静的な解剖だけでなく、動的な解剖がひつようです。それを前もって学習するには、注意すべき点を予習しておくことが必要なのです。また、麻酔科医(達人)が行う気管挿管を、鋭い目でじっくり観察することも必要です。
ですから、頭で理解し身体で覚える気管挿管です。マッキントッシュ喉頭鏡の構造や仕組みを知らずして気管挿管はできません。握り方、力を入れる方向を知らずして展開はできません。開口してから喉頭展開までのフェーズごとのポイント(チェックする点)を知らずして上達はありません。開口から喉頭展開までの一連の動作は、プロの麻酔科医が行えば一瞬でおわります。しかし、その一瞬をコマ送りにして頭の中でポイントをつかむことができれば、プロの麻酔科医の挿管のまねができます。
結局、救命士は時間をかけて事前に勉強している分だけ、このフェーズごとのポイントを克服する目がついているのです。それが気管挿管の上達の違いだと考えています。これが救命士と研修医の上達の違いの第二の理由です。

2007年3月 7日

挿管人形での実習

挿管人形での実習に関して、AP通信では少しふれている。挿管人形での実習をたくさんやったからといって、決して挿管は上手にならない。挿管人形のだめなところを認識していなければだめだ。管理人は、挿管人形で挿管ができた研修医には××をつけている。挿管人形の悪い点(実際のヒトと異なる点)を述べることができれば、点数は復活する。挿管人形での練習には限界がある、手順を覚えるという意味では有用だと思うが、挿管人形だけでは悪いクセがつくだけであると思っている。挿管人形での挿管は簡単である。逆に下手なヒトは、挿管人形でのコツがわからないだけである。実際のヒトでの気管挿管はバリエーションがあり、そのバリエーションを吸収して気管挿管ができなければ気管挿管ができるとは言わない。舌をよけることができない。舌がつぶれる。上位頸椎だけが異常に後屈できる。口が開けにくい(逆に首を思いっきり後屈して折ることで自然に?開口する)など、欠点をあげればきりがない。最近は、ちょっとましな黒い挿管人形が出ているようであるが、少しましな程度である。

2007年2月23日

プレゼンの3要素

学会発表,院内カンファレンス,麻酔科でのプレゼンテーション,指導医への報告,すべてがプレゼンだとすると如何に多くのプレゼンの機会があるか.
人にわかりやすく手短に説明するにはを追求すればプレゼンはうまくなる.そこで,プレゼンをする上での3つの要素について考えてみたい.
1.示すべき資料
2.口頭での説明
3.質問の受け答え
いずれ場面でも,何かを指し示して解説するには,資料と口述が必要で,その後には必ず質問形式の受け答えが必要である.1.は上司への報告やミニカンファレンスでは作成しない場合も多い.示すべき資料がない場合には,如何に口でうまく説明できるかが勝負である.3.の質問の受け答えでも資料は提示しないことが多い.資料の作成も重要だが,口頭での説明が上手でなければプレゼンはいつまで経っても上達しない.学会などの定型的な発表は最も簡単である.それに引き替え,口頭ですべてをすまさなければならないプレゼンほど実力が必要である.どの順番で,なにに重点を置いて話すか.どんな口調で話すかが大切である.資料を提示しない他人のプレゼンを聞いてみよう.わかりやすいだろうか.棒読み風ではないだろうか.強調すべき点はどんな調子で述べているだろうか.滑舌はよいだろうか.管理人は資料のないプレゼン(特に,朝の症例プレゼンテーション)では,目をつむって聞いている.そうすると,その人がわかりやすいプレゼンを意識しているかどうかが判定できる.

2007年2月21日

やってみればいいじゃん

初期研修ではどうしても見学が主体になってしまう診療科があるようです。そんな診療科を回った後に、当院の麻酔科に研修に来る研修医はたいてい、「ボク(ワタシ)がしていいんですか?」という反応を示す。難しい手技や合併症を起こすのでなければ、「やってみればいいじゃん」と答えている。特に、患者さんへの問診や診察は、きちんと受け答えできれば受け入れてくれる患者さんがほとんどである。研修医であることを堂々と告げればまず問題ない。医師免許を持っているのだから、研修医といえども医師に違いはない。ただ、患者さんに対する受け答えは前もって練習しておく必要がある。

2007年2月17日

第7回麻酔科学ウィンターセミナー盛り上がり中

第7回麻酔科学ウインターセミナーが,現在,ニセコで開催されている.AP通信でも実況中継をしているが,今年もすばらしい内容である.学会では質問できないことでも質問できてしまうのが,このセミナーである.AP通信の先生の講演もすばらしかった.ブログで早くからプレゼンの準備をしているといわれていたが,たしかに手の込んだプレゼンであった.緑のレーザーポインターを持っていたのは管理人とT先生の2人のみであったらしい.やはり,ちょっとだけレーザーポインターを使うのは有効な手法なようだ.緑だと,非常に見やすい.絶対,緑である.

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2007年2月10日

気管挿管トレーニングDVD

管理人主演、監修の気管挿管トレーニングDVDの制作が進行中です。かなりいい具合にできています。
4月までには某社から出る予定なので、もう少しお待ちください。素振りやエア挿管なども登場します。ポイントは「さぬちゃん」キャラが出てきて解説します。初期研修医の皆さんに教えてきたトレーニングの集大成です。救急救命士、初期研修医をはじめ、臨床研修できちんと学べなかった、何となく気管挿管をやっている方々にも基礎からみっちりトレーニングできます。気管挿管のイメージがつかめます。気管挿管のいわゆるオフトレです。DVDをみてポイントをつかんで実践できる内容です。「頭で覚え、体で感じるトレーニング」です。詳しい内容や紹介サイトができましたらまたお知らせします。お楽しみに。

2007年1月21日

センスがある

「センスがある」という言葉をつかうことがある。「あの先生はセンスがある」とか、「センスが感じられない」といった使いかただと思う。このセンスは、おそらく感性という意味を含んでいるのだろう。通常は物事の見方や考え方のスマートさに使う言葉であるのだが、臨床医学領域では(少なくとも私のなかでは)、先を見通せて現時点での手技や医療行為(または考え方)が理にかなっている状態をさすことがある。もてる知識の幅が広く、その知識をその時々に応じて適切な部分を引用しつつ、物事の推論や判断をできる能力ではないだろうか。また、手技や医療行為に関しては技術的なこつを心得ていると思わせるものがあることである。知識やコツは、ある程度の努力によって身につけることができるが、それらをどう組み合わせて適用するかは努力によっては身に付かない部分である。この部分が優れている人がセンスがいいと言うことになる。このセンスがいいというのは、要するにセンサー、sensoryがとぎすまされている必要がある。感覚神経といってもよい。物事(人がやっていること)をみてなにも感じないというのは、ちょっと問題である。感覚神経のとぎすまされた人は、常にsensoryが働いていて真剣に観察している。手技であれば、動作だけでなく力のいれ具合であるとか、方向、深さ、距離、わかれば筋肉のうごきなどである。また考え方に関しては途中が省略されて出力されることが多いので、その考えに至った途中の省略された部分を質問することで、そのセンスを身につけることができるのではないかと考えている。その、努力ができるかどうかもsonsoryの問題であるのでsensoryの欠如している場合は、どうしようもない。医師のセンスというのは、そのような努力を積み重ねてできるものであると思う。
最近、自分のなかで「センスがある」「センスがない」という言葉を使わない人たちがいることに気づいた。初期研修医に対しては「センスがある」「センスがない」と言ったことがない。「筋がいい」とか「よく勉強している」とかは言うが「センスがいい」とは使わない。「センスがある」と使っているのは後期研修医以上である。また、自分より上の先生でも「センスがない」と言うことはある(本人に向かってではない)。「センスがある」というのは上級医に対する最上級のほめ言葉であると思っている。

2006年12月30日

吸入麻酔薬からの覚醒時CO2

吸入麻酔薬の話題が「金沢大学大学院医学系研究科麻酔・蘇生学講座Blog」のイギリスの手術室(2)で取り上げられている.特に興味があるのは,CO2をコントロールできるシステムである.吸入麻酔薬空の覚醒時は吸入麻酔薬を体外に排泄するために,換気量を増やすと思いがちだが,これはやりすぎるとかえって覚醒遅延を引き起こす.換気量を増やすというのはできるだけ吸入麻酔薬を洗い流したいという考えからではあるが,換気量を増やすことによりCO2分圧は下がり脳血流が減ることにより逆効果であるからだ.そこで,CO2をとばさずに吸入麻酔薬を洗い流すためには,換気量を増加させるならCO2を負荷しながらnormocapniaに保つ必要がある.2005年の大阪の臨床麻酔学会で管理人と同じワークショップで講演したDerek Sakata(日本人のような顔だが日本語はなせない)先生が開発したデバイスQED-100が米国で発売されている.このデバイスはCO2を負荷するだけでなく吸入麻酔薬の吸着剤が入っていて麻酔回路にこのデバイスを装着すれば覚醒はものすごく速い.カタログによると1/2以下の時間で覚醒するらしい.このカタログを見ても判ると思いますが,換気量を増やすとCO2が下がるために通常の回路では問題があります.覚醒時のCO2のコントロールについてよく考えて欲しいと思います.

2006年12月29日

MACを捨てる(2)

MACを捨てるにはMACについてよく知らなければなりません。そこで、MACはどうやって決めるかご存じですか.諏訪邦夫先生の電子麻酔学教科書の「麻酔深度とMAC(マック)」に出ていますので,ご覧ください.
では1MACの2倍の2MACではどうかということになるのですが、これはMACの2倍というだけの意味しかない。MACはあくまでも統計上の値で個々の患者に適応するようなものではない。実際的でないというわけである。そこで50%のヒトで皮切で交感神経反応を抑制できるMAC-BAR(block autonomic response)や気管挿管が可能なMAC-EI(endtracheal intubation)、50%のヒトが覚醒するMAC-awakeなどが考案された。ちなみに、セボフルラン、イソフルランはMAC-awakeはMACの約1/3である。しかし、MAC-awakeをのぞいては吸入麻酔薬の何の作用を見ているかが明確ではない。そもそもMACを求めること自体が、吸入麻酔薬が全身麻酔の4要素をすべてカバーするものと考えていると思われる。現代の全身麻酔において、吸入麻酔薬単独で行える麻酔は限られているためその指標は、麻酔薬の何の力価を表しているかを表現することが必要であろう。バランス麻酔において笑気をのぞく吸入麻酔薬には鎮静作用を求めているものと考えるとそれに見合う指標が必要である。

2006年11月15日

今の麻酔は情報戦(2)

さて,術野の情報は見ればわかると先の記事では書いたが,本当にそうでしょうか.管理人が研修医から研修医を終えたぐらい頃,信じられない外科医がいた.もしかすると今からここに書くような外科医は、今でもどこかに存在するのかもしれない...その外科医は、出血していても手で隠していて、出血していないと言い張る。ガーゼに血がついていて、重さを量ってもほとんど水だと言い張る。つまり、自分は出血させていない。輸液が多いから腹水が出ると常に言い張るのです。まあ、そういう状況もありましょう。しかし、常にはおかしいわけで、明らかにガーゼが赤い。ガーゼ重量が、まともに重い。挙げ句の果ては血液が大量にしみた柄付きガーゼを手術の最後まで出さずに腹腔内に隠しておく。さいごに出したとしても、術野の外のバケツに絞ってしまう。たちが悪いのです。こんなことは、ある程度経験を積んでくれば当然、嘘だとわかる。明らかに、術野が赤い。手術が雑。ここで、この外科医の言葉を信じたとしましょう。そうすれば、どこかで周囲の状況と食い違ってくるのです。しかしそれを見破る力を持ち合わせていなかったとしたら、術野を見て、別のパラメータを評価したとしても、逆の雑音が含まれているため、惑わされるかもしれません。これが判断する力です。この判断が速く、雑音に惑わされない能力を身につけるべく切磋琢磨(はやりの四字熟語?)するのが今の専門医の一つの方向性であります。これが臨機応変です。さらにいえばマニュアルにあるからそのようにすると言うのではなく、(小泉前首相みたいなことを言いますが)状況に応じて適切に判断し適切に行動するのが臨機応変です。臨機応変とは別に、専門医のめざすべき方向性、Tubokawa先生がいうところの創意工夫とはちょっとニュアンスが違います...この創意工夫ができるフトコロの広い麻酔科医をめざすべきだと管理人は思います。創意工夫はなぜするかというと、その状況に満足できないからです。こうすればもっとうまくいく。こうすればもっとよくなるというのをめざすから創意工夫をするのです。創意工夫がないということになると、次の課題がないと言うことになってしまいます。確かに、昔(50年前)に比べると麻酔科領域の課題は克服されてきて、ある一定のレベルに達したのかもしれません。薬剤の進歩、医療機器の進歩、道具の進歩。麻酔法や麻酔管理技術の進歩、麻酔教育の進歩、それぞれの進歩は患者の安全性や麻酔の確実性もたらしたでしょう。これからは過去に追い求めてきた創意工夫とはレベルの違う創意工夫が必要なのだと思います。これでいいのだ。と思ったとき創意工夫は必要なくなります。ワクワクする状況、アドレナリンの放出される状況は、創意工夫を企てている時に起こるような気がします。この創意工夫が必要ないとなれば、まともな麻酔科医はいなくなるに違いありません。臨機応変だけでは、真の麻酔科医はワクワクしません。

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2006年11月14日

今の麻酔は情報戦(1)

昔話にトラックバックします.昔は,モニターと言えば心電図と血圧計(手動ではかる)ぐらいで,残りは五感を利用して麻酔をかけていた.今は,痛みと侵襲のモニターをのぞいては,数値で表現される一応の指標があるため,だれでも,ちょっとしたことでもその気になって見ていれば気づくのは可能.しかし,情報を統合して判断する能力が昔に比べると要求されるようになった.バラバラの情報を統合して,はじめて意味をなす.モニターだけでは,はっきりとはわからないこともある.たとえば,ビデオ画像や内視鏡などを使った術野の情報である.その事実を見るだけで,何が起こっているかわかることがある.まあこれも,情報の一つ.要するに,昔に比べて判断材料が増えているのだ.五感を利用していただけの時代に比べて,情報が多い分,何らかの異常を捉えることはできるようになったが,判断スピードも要求されるようになった.判断に時間がかかっていたのでは,後手に回ってしまう.
戦争を例に出すと,批判されるかもしれないが,昔の戦争と今の戦争の違いと同じだ.如何に早く,情報を捉え次の手を打つかにかかっている.昔は,遅れて行動していたことが,今ではそんなに時間を待たなくても,情報が統合できれば先手に出られる.しかし,モニターの解析能力が上がれば,情報を統合する必要はなくなるかもしれないが,最終判断すべきは人である.また,どんな行動を起こすかを考え実行するのも人であるうちは,情報を統合してどこにどの程度の重みを置いて判断し,行動する能力を磨くことは無駄ではないであろう.
50年後に麻酔科医がいなくなるどころか,進化した麻酔科医とそうでない麻酔科医の差は歴然とするのではなかろうか.麻酔科医間の格差ができればできるほど,他科の医師では判断しかねる状態も増えるのではなかろうか.50年後にこの記事を読んでいる人は,笑うだろうか.感心するだろうか.

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2006年11月 7日

アルチバ

変な名前である.アルチバとは来年の2月頃発売されるレミフェンタニルの商品名である.ヤンセンファーマのサイトに出ています.
レミフェンタニルのミニ講座が「電脳麻酔ブログ」や「金沢大学大学院医学系研究科麻酔・蘇生学講座 Blog」で始まっている.
また「麻酔科医のお勉強」の TIVA/TCI にも関連情報にたどりつくためのリストを掲載しています.レミフェンタニルを含めた薬品の添付文書は「麻酔科医のお勉強」の麻酔薬の添付文書と販売会社にあります.ひさびさの麻酔科領域の新薬発売が楽しみです.

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2006年11月 4日

なんちゃってキセる麻酔

なんちゃってTCI”よりもっとすごいのがある.”なんちゃってキセる麻酔”である.管理人の行っている”キセる麻酔”はセボフルラン+フェンタニルのフェーズとプロポフォール+フェンタニルのフェーズが同時に存在することはない.つまり鎮静剤をプロポフォール→セボフルラン→プロポフォールと切り替える.これを”キセる麻酔”という.最初と最後がプロポフォールで真ん中がセボフルランであることから,たばこの道具である煙管(キセル)になぞらえたものである.これを,いつの間にか誤解して(拡大解釈して),なんだかんだと理由を付けて,常にプロポフォール+セボフルラン+フェンタニルで麻酔をしている人たちがいる.これは”なんちゃってキセる”である.断じて”キセる麻酔”ではない.この”まぜまぜ状態”を”キセる麻酔”とは呼んでほしくない.”キセる麻酔”命名者としては拒否である.”なんちゃってキセる麻酔”は,許し難い.”キセる麻酔”と呼ぶのなら,(鎮静剤は)どちらかにしてくれ.

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2006年11月 3日

なんちゃってTIVA と アンバランス麻酔

なんちゃってTIVA”と"TIVA"は、似て非なるもので、全く違うものであることを説明した。TIVAをきちんと行うにはバランス麻酔の概念をきちんと理解して実践することが必要である。バランス麻酔とは鎮痛、鎮静、筋弛緩の3つの要素を個別に調節して全身麻酔を実現する方法だ。バランス麻酔とは読んで字のごとくバランスで成り立っている。筋弛緩はともかくとして、バランスの基本は鎮痛と鎮静のバランスである。アンバランス麻酔の極みは、( 鎮痛 <<<<<< 鎮静 )というもので、鎮静を極端に行うタイプである。現在のTIVAの主流はフェンタニル(鎮痛)、プロポフォール(鎮静)であるが、バランス麻酔の概念は吸入麻酔+フェンタニルという組み合わせでも実現可能である。この場合、フェンタニル(鎮痛)、吸入麻酔薬(鎮静)である。最近では、フェンタニル+プロポフォール+吸入麻酔薬という方法も存在するらしい。管理人は、プロポフォールと吸入麻酔薬を同時には投与しない(キセる麻酔とは異なる)のだが、このプロポフォール+吸入麻酔同時投与では鎮静薬の過量投与となっているのではなかろうか?つまり、鎮痛 <<<<<<<<<<< 鎮静 というアンバランス麻酔ではないだろうか。よく、大阪大学の萩平先生(BIS解析の大家)の講演によく出てくる、セボフルラン1-1.5%+フェンタニル適量という吸入麻酔+フェンタニルの組み合わせの”黄金処方”があるのだが、これに対比すると鎮痛が少なくて済むと思いこんでいるのでhなかろうか。血圧が下がれば麻酔が深い、動かなければ麻酔が深いと思いこんであるのではなかろうか?
不意に予期せぬ?手術侵襲で足下をすくわれたときには、一時的にはアンバランス麻酔は許されるかもしれないが、きちんとコントロールする(していると思っている)場面では、いかがなものであろうか。
もう一度、鎮痛、鎮静、筋弛緩のコンポーネントについてきちんと整理して考えてみよう。全身麻酔では何を指標に行うのがよいであろうか。もちろん、血圧や脈拍などのバイタルサインのコントロール、筋弛緩による不動化なども必要かもしれないが、麻酔の本質は何であろうか。20世紀の麻酔の指標をすてて、別の観点からきちんと麻酔を見直す必要があるのではないだろうか。我々、21世紀の麻酔科医(第3世代以降)は、アンバランス麻酔ではなくバランス麻酔が実践できる麻酔科医をめざすべきではないだろうか。
【参考書籍】
◆バランス麻酔:最近の進歩改訂第2版 ―エンドポイント指向型バランス麻酔―

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2006年11月 2日

白い心6

白い心6にTBします.
全くその通りだと思う.やり方や道筋,方法というのは複数あってどれがよいというのは,簡単には決められない.
よりよい方法,よりよい理論を求めていけば,結局,複数の方法をマスターする必要がある.
そのときに,生半可(いいかげん)にこんな感じという調子では,新しい方法をマスターできるどころでなく,自分自身の思いこみで誤った方法を作ってしまうことになる.本当はそんなやり方でないのに,自分でマスターしたと思いこんでしまうのである.そうならないためには(本質を理解するには),やはり白い心が必要である.頭を白紙にすることが必要である.
とにかく,自分のやっているものと違うのであれば,その方法や理論を”きっちり”勉強する(まねる)必要があるのだ.その際に,思いこみが強すぎると”きっちり”まねできない.
話は変わるが,最近”なんちゃってTIVA”が横行している.血中濃度(効果部位濃度)を意識していないと思われるTIVAである.BISをつけたら?と言えば,BISはいらない.フェンタニルをもう少し入れたらと言えば,醒めなくなるからといってプロポフォールを高濃度でずっと維持している.呼吸が速い状態で麻酔から覚めてきて,目が開かない.うーん.こういった場合,その医師にどのように声をかけたらいいだろうか?難しい.自分で気づくしかないのである.
”なんちゃってTIVA”おそるべし.プロポフォールが出て10年も経って,TCIにも慣れた麻酔科医がたくさんいる時代である.”TIVA”と”なんちゃってTIVA”は違うものである.これに気づかないのは”白い心”になれないからではないだろうか.

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2006年10月16日

断定的に教えること

またまた、電脳麻酔ブログの「白い心5」にTBします。研修医に断定的に教えることは管理人も反対です。断定的に教えることは、薬剤や医療行為の禁忌ぐらいで、こうしてはいけないということ。こうすべきだ、ということはありえないと思っています。内容が医療禁忌にあたらず、許容できることであれば「こうしたほうがよい」「こうしたらうまくいく」というように教えます。よく、指導する先生が「自分についたときは、こうしなさい」といっている場面を見かけますが、ナンセンスです。特に、単なる手順や方法はその場その場で変化しますし、時代により変化することが多いと思います。基本はこうだ!とか最近の流行はこうだ!というのはありだと思いますが、こうしなければならないということは少ないと思います。特に、初期研修医の時代には断定的に教えると、誤解をしたまま呪縛のようにとらわれてしまいます。管理人も研修医時代に1つ上の先輩に断定的に教えられたことに囚われて、10年以上も悩んでいたことがあります。これはつらかった。
その呪縛から解き放たれるには、それを否定するきっかけをつくることと、1から学ぶより非常に多くの学習を必要としました。ですから、特に研修医に教えるときには注意をしています。


 ← よろしくお願いします.

2006年10月11日

頭を白紙にして(つづきのつづき)

とあるインストラクターの言った言葉?「バックグラウンドを理解して...」に反応して管理人が,「教えてやる」の態度に見えると表現したことについて誤解であるということが判明しました.ここで深くお詫び申し上げます.インストラクターK先生の「学習と指導の極意」をごらんいただければ,本当の意味がわかると思います.管理人のめざすものと全く同じ方向性でした.

 ← よろしくお願いします.

2006年10月10日

頭を白紙にして受け入れる2

物事を学ぶ方法には2つある.一つはこれまで知っていることに新しいことを追加する方法.もう一つは,すべて新しく学んだことにする方法.である.全くしらない,ほとんど知らない場合には後者がよいが,かなりそのことについて知っている場合には前者になる.管理人が,白紙にしてといっているのは後者の場合ではなく前者の場合に行って欲しいと思うのである.教える側の真意を理解するには,既成概念をいったん捨ててしまった方がよい.とりあえず,教えている人の言うことをすべて聞きいれてみるのだ.そうした上で,真意が理解できたならば,既存の物に修正して追加すればよいと思う.真意を理解する上で,既存の知識が邪魔になることが多い.自分の知っていることはすべて正しいのならば,教えられる必要がない.

 ← よろしくお願いします.

2006年10月 9日

頭を白紙にして(つづき)

電脳麻酔ブログに白い心2として次のような文章が掲載されている.

この前、新しいことを学ぶときは白い心でという書き込みをしたら、sanuki先生からも同様の意見をいただいた。
そんなときに、AHAのBLSインストラクターコースというのを受講した。すでにインストラクターをやっているK先生から「白い心」に関して御意見をいただいた。人づてなので真意は明らかではないが、白だろうが赤だろうが黄色だろうが、その人のバックグラウンドを踏まえた上で教えるのが上手なインストラクションだよと私に伝えたかった?あるは学んで欲しい、という風に聞こえた(それでいいですか?)。
この前の書き込み自体は否定するつもりはないが、指導する側の技量や努力が大事なのはいうまでもない。学ぶ、教えるということについてこれからも考えていきたい。

もちろん,このインストラクターの言っていることは間違っているとは思えないが,バックグラウンドをふまえた上で教えるのは不可能である.想像した上でと言うのなら可能であるが...
管理人は,こういった場合には教えられる側と教える側(こちら)の間でのかけひき(やりとり)で,どの程度の知識を持っている人(バックグラウンド)なのかを判断(想像)するようにしている.すべての事柄について教えられる側が教える側よりも知らないということは,あり得ないと思う.
こういう言い方をすると非難を受けそうだが,このインストラクターの態度が”教えてやる”に見えて仕方がない.要するに上に立った物の見方だ.
教えるときに最も大事にしなければならないのは,自分の考えを理解してもらうべく,場の雰囲気を作ることである.自分の考え(これから伝えようとすること)が,きちんと伝わらないような素地を作るようではいけないと思う.大学の講義などでも"教えてやる"方式では学生には不人気であると思う.どうやって,聞いてもらうかということから,指導する側は考えておく必要がある(決して下手に出るという意味ではない).

 ← よろしくお願いします.

2006年10月 8日

日経メディカルCadetto(カデット)

日経メディカルCadetto(カデット)とい若手医師向けの雑誌が発刊されます.日経メディカルオンラインに登録することで医師であれば無料で購読できます.ぜひ,どうぞ.私も登録しました.

 ← よろしくお願いします.

2006年10月 5日

msanuki.biz

気管挿管を事前学習するサイトがmsanuki.bizです.じっくり見て,練習してから実際の研修にのぞんでください.喉頭鏡の握り方や練習方法も解説しています.挿管人形では絶対に練習できないコツも含まれています.

 ← よろしくお願いします.

2006年10月 2日

後期研修プログラムと○○科レジデント募集

後期研修やレジデント募集の締め切りが9月から11月のところが多いと思います.自分の働いてみたいと思うところのホームページを見てみましょう.
さて,後期研修プログラムと銘打って募集しているところとレジデント募集としているところがありますが,事実上,同じ内容の場合が多いと思います.中にはすべての科がローテートできるようにした初期研修の延長の様なところも見受けられますが,3年目以降の進路は,何らかの方向性を持った方が良いと思います.思い悩む日々が続くと思いますが,答えを一気に導き出そうとせず,いろいろな可能性を考えてみましょう.そのなかから,ひとまずでよいですからやりたいことを始めてみましょう.後になっても修正は可能です.
管理人は,「ここがよい.この病院,この科にいけばよい」というアドバイスはしません.かならず,自分で「こうしたい」と言うまで黙っています.
ここ2?3年の初期研修医の皆さんのなかで共通して見られる傾向として,ダイレクトに答えを求める傾向があるのです.医療や医学の内容に関してだけでなく人生の選択においても同様な傾向になっていませんか.ちょっと心配です.
結局は自分の道ですから,何らかの行動を自分から起こすことができるような感じになると良いのですが...
これが,方向性を決めることにもつながります.ちょっと,抽象的になりましたが,初期研修医の皆さんは何のことかわかりますよね.

 ← よろしくお願いします.

2006年9月24日

日経メディカルオンライン

日経メディカルオンラインに登録(医師であれば無料)すると過去の日経メディカルの記事がPDFで閲覧可能です.日経メディカル 2006年9月号のp.62-63に管理人が出ていますので是非ご覧ください.右のカラムのお役立ち情報BOXのなかにある「日経メディカル・過去記事検索 」から検索できます.
「特集 その手技、本流? ?あなたのやり方は間違っていないか?」という記事です.

2006年9月23日

時代が違う

Laryngoscopeさんのところに「時代が違う」という記事が掲載されている.以前は並列麻酔も,麻酔中にICUでの急変も対応していた先輩の話である.たしかに若い頃(かつての時代)はそれでも良かった.いまは,まともにやっていても失敗すれば刑事事件にされる時代である.並列麻酔やICUの患者が急変したときなど,自分の診ている患者が落ち着いていれば対応できるときもあるだろう.しかし,わざわざそのような状況を好きこのんで自ら作って,かりに自分が見ていた(放置した)患者が不幸なことになった場合,どう見ても救いようがない.並列麻酔を行って自分は医療事故など起こさないという強者もいまだにいるのは確かである.外科医が要求するから,病院が無理を言うから並列麻酔を行うという人々もいる.麻酔は誰のためにするか,何のためにするのかを忘れているのではないだろうか.もちろん生産性や効率もある程度は追求すべきだとは思うが,安全が担保できない場合には認めることはできない.そういう時代である.
かなり以前に「患者はこうして殺される(浅山健)」が出版されている(医者にメス掲載の目次).実際にあった話に忠実にかかれいると聞く.

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2006年9月22日

気管挿管時の枕

挿管時の枕について,日々の雑感さんが書かれていますが,枕は大切だと思います.高くて大きい枕はオトガイ部と甲状軟骨間の距離が短くなり気道が閉塞するだけではなく開口も困難です.また,肩に枕を入れるような場合には,頭部を後屈して開口するしか方法はありません.これがひどいと喉頭展開したときに下手をすると頭部が空中に持ち上がってしまいます.基本的にはスニッフィングになりやすいようにすればよいわけで,当院の手術室ではゼリー状の円座を使っています.この円座(fig1/2/3)は頭部のどこに置くかでしっくりくる位置に調節できます.
気管挿管を教えるときに,枕の大きさや位置などを考えずに頭部を適当においている(そのようなことには全く言及しない)指導者がいるのには驚かされます.枕なしでもかまわないとは思いますが,ない場合にも,頭部の位置については言及する必要はあると思います.

2006年9月20日

自分に厳しく他人に厳しい人

「自分に厳しい人は他人に厳しい」,この中身には2種類ある.自分に厳しいというのは常に自己研鑽を積むということを指している.他人に厳しいというのは2つを分けて考える必要がある.まず万人に厳しい人これはOKとしよう.部下に厳しく目上(または同僚)に甘いという人がいる.これが問題である.特に,部下の失敗を自分の責任と思わず,部下のみを叱りつけるのはサイテーだと思う.これは,自分に甘く,他人に厳しいと同等である.部下の失敗の原因は,自分の失敗であり,自分がうまく部下をコントロールもしくは指導できないから失敗するのである.このことがわからない指導医を時に見かける.

2006年9月16日

どうして麻酔科医になったかの答え

よく「どうして麻酔科医になったか」を聞かれることがある.「どうして」と聞かれても「好きだから」としか言いようがない.その「好きだから」にいろいろな理由があるのだと思う.「好きだから」というのは立派な答えだと思う.物事に向き合う上で「好きだから」というのは,最上の理由である.「好きだから」続けられる.「好きだから」がんばれる.「好きだから」新しいことに挑戦できるのである.
おそらく「どうして」と聞くのが研修医で,その研修医がメンターをもとめて問うている場合には,「好きだから」だけでは満足しない.聞く相手が,一般人あるいは上級医であれば「好きだから」だけで完結してよいと思う.私の場合,きっかけは「好きだから」なのであるが,そこから「おもしろい」に発展した.この「おもしろくなった」というのは今でも覚えている.麻酔科が「ただ単に麻酔をかけているだけではない」と言うことが実感できたからおもしろくなったと思う.手術の麻酔で”うまい麻酔科医”が麻酔をすると何事もなく終了する.この”なにごともなく”の裏にはどんな努力(ちょっと大げさか)があるかを理解できたなら麻酔科の魅力がわかるだろう.その努力というのが,ちょっと大人なのである.
ここを熱く語ればよいのではないかと思う.恥ずかしいのでこれ以上は書けないが,麻酔科の魅力を知りたい研修医の先生は私のところに研修にきてください.

2006年9月15日

msanuki.biz 麻酔科研修支援サイト

msanuki.biz 麻酔科研修支援サイトを2006年6月から立ち上げています.このサイトは麻酔科研修に役に立つような内容を発信していきます.現時点では,気管挿管の動画,麻酔の術前説明用ビデオを中心とした動画とファイバー挿管の手順などを紹介しています.今後,お勧め書籍や,おすすめサイトなどの研修に役立つものをここにまとめていく予定です.ご期待ください.msanuki.bizの動画はホームページで見ると音声はついていませんが,iTunesにpodcastとして取りこむとすべての動画に音声がついています.方法は別記事で紹介します.

2006年9月 7日

喉頭鏡挿入時には脇をしめる

喉頭鏡挿入時に脇をあけない.喉頭鏡のハンドルを強く握りしめて胸壁に,ハンドルの先端をあてない.というのはよく指導の時に言っていることです.しかし,研修医が「必ずうまくいく!気管挿管」に,”脇をあけて,肘をあげて喉頭鏡を挿入する写真”が出ていると云って,この本を持ってきます.これは,私が教えている喉頭鏡の挿入法とは違っています!!
喉頭鏡を挿入するときは脇をしめ(肘はあげない),ブレードを口腔内に落とし込むように自然に口腔内に挿入します.

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2006年9月 4日

日経メディカルの記事

9月10日発売の日経メディカルに管理人が出ます.写真付きです.
何の記事かは見てのお楽しみ.

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2006年8月31日

「予習しなさい」「勉強しなさい」はダメ指導医

臨床研修医が質問をすると「勉強しなさい」と答える指導医がいるらしい。わからないから質問をしているのに、「勉強しなさい」はないだろう。勉強の仕方を教える。どんなものを調べればよいのか、何というキーワードで調べたらよいのかなど、何らかの目標設定をしてあげるべきだと思う。これと同様で、「予習してきなさい」や手技に関して「イメージトレーニングしてきなさい」も論外である。きちんとその方法を教えた後で言うべき言葉だと思う。何を予習するのか、何を勉強するのか、どんなイメージを持ったらいいのか?指針を与えて初めて指導といえるのではないだろうか。

2006年8月23日

報連相(ホウレンソウ)と引き際

初期臨床研修医に最も必要とされる能力はなにか?「麻酔科研修チェックノート」にも書きましたが,ホウレンソウ(報告・連絡・相談)です.ホウレンソウをしない研修医は,評価は低く,信頼されません.研修医だけではありませんが,常に上級医とのコミュニケーションは大切です.これができなければ,よい研修はできません.つぎに,何でもやりたがる研修医がいます.もちろん,上級医は研修医ができることはさせてあげたいのですが,何の知識もなく実践と言うのはちょっと無謀です.患者さんに医療行為を行うとき,前もって知識をつけてくる必要があります.どういった合併症があるのか.どういうことに注意をすべきかといったことです.もし,それらの知識もなく,やってみなさいと言われたときは,どこまでやってよいのかを考える必要があります.通常は,危なくなれば上級医が止めるのですが,自分からもはっきりできない意志を示す必要があります.これが引き際です.ある意味,やったことがないことに果敢に挑戦する研修医は,積極性があると判断する向きもありますが,状況によっては引き際のわからないと判断される可能性もあります.
対患者さんと言う意味において,考えてみましょう.またホウレンソウ,引き際についても認識しておきましょう.

2006年8月 9日

選手としての指導と監督としての指導

眠らない麻酔科に「方策」という記事が出ている.このなかに,”「名選手は名監督にあらず」はジーコを見ても理解できるけど、やって見せると言う、これ以上の手本はない。”という行があるが,まったくその通りだと思う.私自身,自分のできないことはうまく教えられないし,やってみせられないことは教えても説得力が全くないと思う.まず,教えることができるのは自分がきちんとできると言うことが最低条件で,教えるためには,教えられる人の考え方や手技をみて,どこを直せばうまくいくか,間違った方向に考えているところはないかなどを分析できなければならないと思う.「名選手は名監督にあらず」とはよく言うが,選手である自分と同じ事を初心者に教えてすぐできる故ではない.選手はすでに特殊な技能を身につけてしまっているのである.初心者ができるようにするためにはどのようなアプローチで教えるかを,あらかじめ考えておく必要がある.また,初心者に見せる手本は初心者ができるようなわかりやすいスピード,わかりやすい手順などで見せる必要があり,選手としてのうまさ(上手で素早いだけの)を強調するような物をお手本として示すのはよろしくない.選手が監督になったとき,要求されるのは選手としての技量に加えて監督としての配慮であると思う.良い監督はこのような配慮ができることであり,このような配慮こそコーチングの基本であると思う.

2006年7月21日

麻酔科研修で得るもの

麻酔科初期研修で得られるものはなんだろうか。気管挿管手技、静脈ライン確保と答えるようでは、得るべきものの1割にも満たない。あくまでも、それは技術に過ぎない。一番見て欲しいのは「ものの考え方」である。「ものの見方」である。どのように問題点を捉え,どのように解決するかということである.診断をする,治療をするといった静的なものの見方ではなく,その時々の状態に対応できる動的なものの見方である.大物の先生ほど目の前のこと(一手先)だけでなく,何手も先を読んで行動する.ここを見て欲しい.

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2006年7月19日

K-Yゼリーとキシロカインゼリー

K-Yゼリーとキシロカインゼリーの違いをご存じだろうか?数年前から私の勤務している病院では、麻酔科の使用する潤滑剤はキシロカインゼリーからK-Yゼリーに変わっている。管理人が以前勤務していた病院でも、手術室からはキシロカインゼリーは数年前になくなりK-Yゼリーに変わっていた。潤滑剤としてK-Yゼリーとキシロカインゼリーを比べた場合、遜色ないのなら、わざわざキシロカイン入りのものを使う必要はない。だいたい、価格はK-Yゼリーの方が安い。K-Yゼリーは医薬品でないので薬剤部扱いではなくなる。
そもそも、キシロカインゼリーをラリンジアルマスクに塗ると嚥下機能が障害されるのではないかという疑問からK-Yゼリーへの見直しは始まった。気管挿管チューブのカフまたは先端にキシロカインゼリーを塗らなければならないんだろうか?何のために塗っていたのだろうと考えると、キシロカインゼリーである必然性はなくなった。

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2006年7月18日

気管挿管時の開口の流儀

今、なぜかネットで気管挿管時の開口の流儀が話題になっています。開口の流儀には、右手でクロスフィンガーを行う方法と右手を頭部後屈に使用する方法の2種類があるとスミルノフ先生が分類しておられます。
実際、msanuki.bizには開口の方法としてクロスフィンガーを紹介しています。ただ、クロスフィンガーの後に舌をしまいこむことが必要で、そのためには喉頭鏡を挿入する前にクロスフィンガーと反対の手(左手)で頭部を動かして上顎より下顎が上になるような形になるようにと指導しています。そのことを、スミルノフ先生は、喉頭鏡を挿入した後、右手で後屈を行っているように誤解しています。そうではなくて、「喉頭鏡を挿入する前に」行うと何度も先の日本麻酔科学会でも強調していました。喉頭鏡を入れてから右手で後屈を追加するのは下手な気管挿管(喉頭展開)です。喉頭鏡を挿入してから気管挿管チューブ挿入までに余計な時間がかかります。あくまでも、喉頭鏡挿入前に左手(クロスフィンガーと反対の手)で行ってください。
ツーアクションとなるのがダメだとか、格好悪いとかではなくて、きちんと喉頭鏡を挿入できるスペースを作る方法を覚えるべきです。クロスフィンガーだけでもうまくいく症例は多いのですが、きちんと喉頭鏡の挿入前に後屈を行えば、開口できるということも覚えるべきです。複数の方法を知っているべきですし、両方できて悪いということはありません。一番大切なのは、喉頭鏡操作に起因する合併症を起さないこと。歯を折った、唇や舌を切ったり腫らせた、気道狭窄、喉頭浮腫を起したなどということはもってのほかです。そのためには、喉頭鏡挿入前の仕事が大切で、そこをもっと教科書でも強調すべきだと思います。この手の研究はいろいろあって、どれも決定的であるとは思えません。いまだに、喉頭鏡を使用した喉頭展開時の研究は行われています。それが、喉頭展開の難しさを物語っています。

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2006年6月29日

BMI

BMI(Body Mass Index)の計算方法をご存知だと思います。
BMI=体重(kg)/(身長(m)×身長(m))
BMIの理想体重は22ですので、BMIでも増加率を計算できると思います。たとえばBMI29では、(29-22)/22=0.32で32%増となります。ちなみにJSA麻酔台帳では,肥満は+30%以上,やせは-20%以下を術前問題点のところで記入するようになっています.
「BMIに%なんかつかないぞ」と思われた方.上記の方法で,増減率を計算してください.
BMIでの理想体重は 22 という数値は覚えておくべきですね.

2006年6月28日

麻酔科後期研修説明会(1)

2006年7月15日(土)
東京女子医大麻酔科 後期研修説明会が開催されます.なんと丸の内のフォーシーズンズホテルです.
会場の選定では,地方からの参加も十分に配慮していますね.
管理人も行ってみたい.

麻酔科後期研修のジオログ

麻酔科後期研修のジオログ が立ち上がっています.URLもしゃれています.morton1846です.COOLです.
東京女子医大麻酔科の後期臨床研修医説明会のブログです.

2006年6月18日

msanuki.bizに術前説明ビデオ登場

msanuki.bizに術前説明ビデオを追加しました。PODCASTでは、フルサイズ(320×240)のものがダウンロードされます。サイト内のリンクをクリックして再生されるQuickTimeは160×120になっています。このビデオは、以前、勤務していた病院で管理人が作成したものです。現在でも、術前診察の前に患者さんに見てもらっているものです。2000年に作成したものであるので看護師のことを看護婦と表現していますが、それ以外は問題ありません。このビデオのフレーズから使えるものを自分のものにしましょう。

2006年6月12日

臨床研修修了後の進路は?

「臨床研修修了後の進路は?」という記事が,週間医学界新聞の第2686号 2006年6月12日に出ています.小児科,麻酔科は志望者が増え,産婦人科は微増,臨床研修の前後で進みたい診療科を変えた者は35.8%,変えた理由として「研修して興味がわいた」という回答が71.4%あったということ.これらは中間報告で,最終報告は今年の夏にまとまる.

2006年6月 4日

msanuki.biz

麻酔科研修支援サイト msanuki.biz を立ち上げました.第一弾として,初期研修医のために気管挿管事前学習のできる動画をupしました.ホームページでもQuickTimeがあれば閲覧可能です.また,iTunesがあればPodcastのアイコンをiTunesのpodcastingにドラッグ&ドロップすることで音声付きの動画をダウンロード可能です.iTunesに取りこんだものは,当然,ビデオの見られるiPodに入れて持ち歩くことができます.

2006年5月30日

喉頭鏡素振りとエア挿管のビデオ(videopod)

日本麻酔科学会で発表する予定のビデオサイトのほんの一部です。テストのために掲載してみました。
「気管挿管手技の事前学習サイトの構築」という演題発表後、本格的にインターネットに公開します。
発表は6月1日14:40〜 第13会場です。

下のRSSアイコンをiTunesのPodcastにドラッグ&ドロップしてください。iTunesでみることができます。またビデオが見られるiPodに転送もできます。
(1)(腰をいれた)素振り
(2)エア挿管
が収録されています。

Podcastingで動画配信中♪

(1)素振りのまえに行う「喉頭鏡握り」も含まれています。喉頭鏡を握るだけで、口腔内挿入時の傾きができていて、そのまま前方(上方ではない)に出すというのが正しい「素振り」です。スミルノフ先生の素振りとはちょっと違いますガ、腰を入れるのは同じです。これが、私が教えている素振りです。1日100本を義務づけています。立ち位置にも注意してください。左足半歩前です。左手首は喉頭展開時には後ろに返りません(手首がまっすぐ伸びたまま、喉頭鏡は前方に動いていることに注目してください。)。

(2)ゆっくり行っているエア挿管です。マスクベンチレーションから気管挿管までのイメージです。正確に考えずに素早くポイントを押さえたエア挿管が得点が高いです。

2006年5月20日

研修後の若手医師、大学病院敬遠 脳神経外科も不人気

asahi.comの2006年5月20日付けの記事に「研修後の若手医師、大学病院敬遠 脳神経外科も不人気」というのが出ている。人気順に、形成外科、皮膚科、麻酔科、耳鼻科、精神科の順で人気がある。逆に、脳外科、外科、小児科、整形外科、産婦人科、救急科の順に人気がない。このデータは、当院で初期研修を今年の3月に終えた研修医の進路とも一致している。この記事では、初期研修医の制度の影響と断定しているが、初期研修の各科での研修内容にも差があるのではないかと思う。いかに、研修医に満足のいく研修場所を与えられるか、興味を持たせるかが問題であると思う。もちろん、その科の医師の将来の姿を見せると言うことを含めて...
(上記記事内の資料にリンク

2006年5月15日

初期研修修了一期生が語る 後輩へのアドバイス

週間医学界新聞第2682号 2006年5月15日に「初期研修修了一期生が語る 後輩へのアドバイス(下山祐人氏 )」が出ています.「症例数の多さであるとか,当直が多い(のが嬉しいのは最初だけでした!)とかを,研修病院の選択基準として考慮する場合は,数が単純に能力に反映するわけではないと知っておいたほうがいいでしょう。また,「足りないものは補える」ことも強調したいと思います。外部の勉強会を利用すれば,高名な先生のご意見を聞けたり,活発なdiscussionに参加できたりします。 (処遇も含め)研修内容に完璧な条件を備えた病院を探す必要はないのではないかと思います。与えられた環境の中で存分に力を発揮できるよう,professionalたろうとすることこそ重要です。 」という心境になれたことは立派だと思います.このことに気づかずに隣の芝生にあこがれている研修医を見かけます.

2006年5月 7日

喉頭鏡素振りとエア挿管の違い

喉頭鏡素振りとエア挿管の違いが気になっている方がおられると思うので,ちょっと解説します.喉頭鏡素振りはあくまでも喉頭鏡の操作方向をイメージして行う,気管挿管一連動作の一部分です.特に,喉頭鏡の挿入?喉頭展開までをイメージしたものです.それに対して,「エア挿管」は,立ち位置,ベット(患者の頭)と施行者の身体の向きの関係,開口,喉頭鏡の受け取り,喉頭鏡挿入,舌よけ,喉頭鏡引き上げ(特に持ち方,握り方と喉頭鏡の操作方向,下半身の体重移動),喉頭の目的場所の確認,施行者の頭や目の位置,気管挿管チューブの受け取り?持ち方,挿管チューブの挿入方法,(スタイレットの抜去タイミング),喉頭鏡の抜去,チューブの保持,カフの注入(指示),呼吸回路の接続,陽圧呼吸と呼吸の確認までの一連動作をあたかも実際に行っているかのように行うシミュレーションです.喉頭鏡素振りもエア挿管も道具を用いたイメージトレーニングとも言えます.エア挿管では喉頭鏡と気管挿管チューブ(スタイレット入り)を使います.

2006年5月 2日

気管挿管の方法と真の実力

気管挿管の際にもっとも大切なことは何だろうか?もちろん,確実に気管に入ることである.間違ったところに入っている場合にそれに気づいて,きちんと対応することである.では,気管挿管の方法や注意点はどうだろうか?救命士の気管挿管と麻酔科医の気管挿管は同じだろうか?救急現場の気管挿管と麻酔科医が行なう手術室での気管挿管は同じだろうか?それを考えることから,初期研修医の気管挿管実習は始まる.
まず,喉頭鏡を入れる際に開口するかしないか.
私も救急現場で気管挿管をする場合には,開口しないでいきなり喉頭鏡を入れることがほとんどである.状況にもよるが,口腔内に手を入れること自体が危ない(どういう場合かは考えてほしい).しかし,手術麻酔で気管挿管する場合には,口を開けてから喉頭鏡を入れることを常としている.どうしてか,状況が違う.日常の麻酔では,気管挿管の前には喉頭展開をしやすい状況を作っている(どうやって作るかは実際にみてください).この違いは何か?どちらが,確実に喉頭展開できるか?どちらが,合併症を避けた挿管を行えるか?
死にそうな患者さんと歩いてきた患者さん.どこまで,気管挿管を丁寧に遂行できるかが勝負の手術室予定患者さんと気管挿管ができなければ,始まらない救急処置との違いを本当にわかっているか?である.

もう一つ,考えなければならないのは,初心者がいきなり,口を開けずに気管挿管ができるか.教えるとすればいきなり口を開けない気管挿管を教えるかということである.それも手術室での症例に...
ここら辺の意図をくみ取ってほしいと思いますが,わからない研修医の方も多くいるようです.
それに対して,私の最近の初期研修医指導コースでは,十分な喉頭鏡の使い方の説明,喉頭鏡の握りと操作法(1日100本以上),さらには喉頭鏡の素振り(1日100本以上),クロスフィンガーのシミュレーション練習をこなしてはじめて,気管挿管の空中テスト(エアギターならぬエア挿管)を見て,合格ならば初めて実際の患者さんにやってもらうことにしております.また,合併症を起こさない意識をもてるような指導をしています.おかげで,悪魔の気管挿管は最初の1週間で行わなくなります.はじめから実際の患者さんにできる故ではありませんが,きちんと理解した方にはどんどんやってもらっています.

気管挿管ができるといった場合,入ればよいというのではなく,状況に応じた対応ができるようにトレーニングすべきです.開口せずに行うことができるというのと,開口せずに行わなければならないというのは同義ではありません.できるにもいろいろなレベルがあります.この意味が,理解できるような研修医を育てたいと思っています.
実技だけでなく考え方も鍛える,トレーニングをする必要があります.

天使の挿管と悪魔の挿管をよんでみてください.

2006年4月29日

e-regident

医学生・研修医の視点で臨床研修先を検証する初の臨床研修情報サイト e-regident
ちょっと、商用の感じですが、利用できるところだけ利用してください。
お役立ち情報は、なかなかいいかも。あとは、ちょっとコマーシャルの匂いを感じます。

2006年4月27日

経鼻胃管挿入ビデオ

前回に引き続き,麻酔電脳ブログで知ったのですが、経鼻胃管挿入ビデオがNew England Journal of Medicine On Lineに出ています。英語ですが、わかりやすく紹介されています.

2006年4月14日

Arterial Line挿入ビデオ

電脳麻酔ブログで知ったのですが、Arterial Line挿入ビデオがNew England Journal of Medicine On Lineに出ています。英語ですが、わかりやすく紹介されています。4.Over-the-Wire TechniqueがインサイトーAを使うときのもの、5.Over-the-Needle Techniqueが通常の留置針を使うときのものです。
ちょっとこれに近いのですが、今年の日本麻酔科学会で「気管挿管手技の事前学習サイトの構築」という演題を発表します。ビデオ画像に解説を付け加えたものです。
抄録はここです(日本麻酔科学会員であればDATURAのIDとパスワードを入力して見ることが可能です)。

2006年4月12日

臨床研修と勉強法(1)

臨床研修制度が始まってすでに2年が経過しました。自分の頃と比べて、カリキュラムがきちんと決まっていて、うらやましいと思う反面、カリキュラムが決められているのはどこの科を回るかだけで、中身は研修医次第であると言う話も聞きます.もし,そうであれば昔から何ら変わっていません。当然といえば当然のことですが、研修内容や程度は、研修する側の問題が大きいのです。器だけあっても中身がない研修になります。あなたの病院はどうでしょう.
さて、今回は勉強法についてです。学生の頃の延長で、教科書だけを勉強している。あるいは、医学雑誌の特集記事のみを見ている方はいませんか。まとまった知識を得たいとき。常識的な知識を得たいときには、それでかまいません。しかし、ある程度の知識や技術が身についてくると、それだけでは物足らないことに気づくはずです。あることがマスターできたらそれで終わり?それでいけないと思ったときが、ステップアップのチャンスです。疑問に思ったことを解決してくれる,解決するための勉強法を知っていますか.それができなければ,研修でせっかく経験した症例も身につかず時間だけが無駄に過ぎていくということになります.焦る必要はありませんが,教科書や雑誌の特集だけの勉強だけではいけないということです.最近は,ACLSやBLSなど決められたことを覚えればそれでおしまいと考えている研修医も多く,その延長で臨床研修も捉えてしまいがちです.それではいけないと言うことだけ書いておきます.
では、どのように勉強を発展させるか.それは次回のテーマとします。