2012年9月10日

Sanuki塾、入塾選抜試験

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sanucn.png私が麻酔を指導する症例についた初期研修医2年目や後期研修医にSanuki塾を開催している。あらためて、時間を取って講義しているのではなく、実際の症例についてその場その場で、麻酔管理の背景にあるものや技術的なポイント、医師、麻酔科医として考えるべきことなどを解説する。それを「Sanuki塾」と称する。最近は、「Sanu塾」ともいうらしい。この名称は、私がつけたモノではなく、自然発生的についたものである。さて、このSanuki塾の入塾選抜試験問題を公開しよう。筆記試験ではなく、口頭試問なので、要領よく答えなければならない。この試験の答えによって、どの程度の秘伝を公開するかどうかが決定する。さて、あなたはどの様な答えを述べるだろうか。時間にもよるが、このうちから2問程度を聞くことが多い。



「Sanuki塾入塾試験問題」(一部抜粋)

(1)手術の際にはなぜ麻酔をするのか?麻酔をせずに手術をすると何が起こるのか?順序立てて要領よく答えなさい。

(2)全身麻酔とセデーション(鎮静)の違いは何か?


(3)術直後(手術室内で)に全身麻酔から覚醒したと言って良い状態とはどの様な状態か。できなければならないこととできなくても良いことに分けて答えなさい。

(4)全身麻酔の際に、絶対に気管挿管をしなければ(しておかなければ)手術ができない症例とその理由をのべなさい(難問)。

(5)患者と術者にとって良い麻酔とはなにか。局所麻酔(区域麻酔)と全身麻酔のそれぞれについて答えなさい。それぞれの例を挙げて答える。術中と術後についても述べなさい(難問)。

2011年7月26日

第4回 麻酔科医による麻酔科医のためのシステム「ORSYS」

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アストラゼネカのWEBサイトに 第4回 麻酔科医による麻酔科医のためのシステム「ORSYS」 が出ています。管理人のところの病院のAIMS(Anesthesia Information management System)です。バリバリにチューンしたシステムもいいですよ。

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第4回 麻酔科医による麻酔科医のためのシステム「ORSYS」

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2011年1月19日

かけもち麻酔

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少し前に、関東地方のある病院で、麻酔器や生体情報モニターのアラームが鳴らなくて麻酔回路の外れていたことに気づかなかったと報道されたいた麻酔事故がある。後から言うのは、誰でもいえるのだが、あえて話題にしてみる。常識的に考えて麻酔を導入したのは麻酔科医なのに、その事故が起きたときにその場に麻酔科医がいなかったという。別の場所で、別の麻酔を指導していたとされている。事故調査委員会の報告書から麻酔科医だけでなく、その場で患者の全身状態を監視していたものは誰もいなかったことに気づかされる。これは、「かけもち麻酔」と言われる形態になっている。仕方なくそうなったのかもしれないが、2人の患者を同時に全身麻酔をかけていて1人のみしかみていない状態になっている。監視ができていなかった患者の方に事故が起きた。患者を監視していなかった外科医や看護師がアラームが鳴らなかったと証言しても、説得力はない。アラームが小さかったと言われても、患者を診ていなかった人々が、アラームに気をつけて聞くだろうか。少なくとも持ち場を離れるのなら、患者の状態を監視して責任がとれる人(医師)を、患者監視のために、そこに置くべきであろう。この状態とても、麻酔を導入ー維持ー覚醒させることができる能力がある医師(麻酔科医もしくはそれに準ずる能力を持った医師)でなければ、「かけもち麻酔」といわれるであろう。しかし、麻酔回路の異常がおきたとき、医学的知識があって患者の状態を表示するモニターが読めるのであれば、そこにいるのは麻酔科医でなくても異常にすぐに気づいたであろう。異常が起きたとき「すぐ」に対応できていれば、患者は重篤な状態にならなかったと考えられる。
似たような状況は、渡辺淳一の「麻酔」や浅山健の「患者はこうして殺される」に表現されている。いずれの描写も、あきらかに「かけもち麻酔」を表現している。
余談ではあるが、マイケルジャクソンの場合は、かけもちではなくプロポフォールを投与した直後にその場を離れて監視していなかったことが原因とされ、あきらかに「患者放置」が行われている。

「麻酔」渡辺淳一
「患者はこうして殺される」浅山健 (Amazon

2009年9月16日

麻酔科見学のお誘い

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1253089132.jpg麻酔科医になるとどんないいことがあるのか?と初期研修医に聞かれました。どう答えたらよいのか,迷って,こう答えました。
「第一線の医師としてのモチベーションを維持させ続けることが出来る。」
かなり,抽象的な答えだと思いますが,本当にそう思っています。管理人の考える「麻酔科医としての心意気」を身に着けてもらえたならば,ずっと麻酔科医としてやっていく自身を身につけさせることが出来ると思っています。まずは,見学に来てください。管理人がどのように指導しているのか。どのように勉強したらよいのかを教えます。医療上のスキルを身につけるだけでなく,どう対応できるのかということも大切だと思います。文句ばかりいっていても良い医者にはなれません。隣の芝生は青く見えます。まず,自分が何ができるのかを評価して,次のステップに進むことが大切だと思います。自信がないから麻酔科医など出来ないと思っているあなた。ぜひ見学に来てください。麻酔科医は,病院の中でも今後ますます重要な立場になります。その麻酔科医としての第1歩を管理人のところではじめてみませんか。初期研修医でなくても,構いません。まずは以下に連絡をお願いします。
さぬちゃんの連絡先はこちら

2008年9月 7日

サイバーチームとアナログチーム

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管理人のチームは、当科では密かに「サイバーチーム」とよばれている。特に、「アナログチーム」の方々は、そう言った呼び名でよんでいる。「アナログチーム」は、それ以外の方を呼ぶかと言えばそうでもない。中間的な方々も存在するみたいである。
管理人には、「サイバーチーム」とわれても、あまりピンとこない。できれば、「SATチーム」ぐらいにしてほしい。サイバーとはWikipediaによると、「コンピュータの」「インターネットの」等を指す形容詞らしい。直訳すると、「コンピュータのチーム」となり、なんだかな~。
ちなみに、その「SATチーム」は現在、5名である。この方面で、来年から一緒にやってくれる麻酔科専攻医(いわゆる後期研修医)を大募集中である。できれば、2桁の構成員にしたい。
「SATチーム」のSATは何の略かって?いずれ発表したい。

2008年7月 5日

麻酔科を知る日(初期研修医)

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広島大学病院麻酔科では「麻酔科を知る日」という見学会を開催します。夏休みを利用して広島大学の麻酔・疼痛治療科に見学にきませんか。特に、初期研修医で麻酔科を十分に理解できなかった方々にきていただきたいと考えています。麻酔科の魅力を伝えます。随時、見学は受け付けていますので、まずはメールをお願いします。広島大学の麻酔科は退屈させません。また、広島で麻酔科医療をやってみたい先生も随時、見学を受け付けています。

◆「麻酔科を知る日」問いあわせ先(広島大学病院麻酔・疼痛治療科

2008年3月21日

TIVA教育アンケート(中間報告)

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msanuki.comでTIVA実施状況と教育のアンケートを1週間ほど前から行っています。対象は(後期研修医を含む)卒後3年目以降の麻酔に従事する医師(約200名を目標)です。TIVAの実施状況と初期研修医や後期研修医以降の先生に教えるときのことをお答えいただくものです。
現在までに約100名の方にお答えいただいております。40歳代、50歳代の先生からのお答えが多く比較的若手の先生の回答が少ない傾向です。卒後3年目以降の先生が対象ですのでTIVAを行わない先生もご参加いただければ幸いです。

尚、この結果は2008年6月12日(木)に第55回日本麻酔科学会のTIVA教育に関するランチョンセミナーでご報告します.よろしくご協力のほどお願い申し上げます.

以下のURLをクリックして開始してください.

http://msanuki.com/TIVAe.html

2007年10月26日

広島大学関連病院グループ麻酔科後期研修医募集

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広島大学関連病院グループの麻酔科後期研修医の募集枠が若干空いています.広島の地で麻酔科後期研修を受けてみませんか.懇切丁寧に指導します.必ず,第一線の麻酔科医として活躍できるように指導します.また,後期研修の後の選択も自由です.興味がある方は以下のホームページからご連絡ください.他科からの転科や広島への帰省研修も随時受け付けています.病院見学も随時受け付けています.
[文責]讃岐美智義@広島大学病院麻酔・疼痛治療科

広島で麻酔科医として後期研修を始めてみませんか(PDF)
連絡はこちらから ←ここをクリック

2007年9月29日

「臨床研修マッチング」中間公表の全大学ランキング

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「臨床研修マッチング」中間公表の全大学ランキングが日経メディカルオンラインに掲載されている.東大、医科歯科が相変わらず強い.中間発表の場合,1位希望人数順なので人気度を示すといっても過言ではないだろう.しかし,わがH大は50位とさんざんな不人気ぶり.がんばらねばならない.入学は結構むずかしいのに臨床研修は不人気というのは,いただけない.

2007年9月 9日

ACLSヘルスケアプロバイダーコース(G2005)

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先週に引き続いて,ACLSヘルスケアプロバイダーコース(G2005)を9/8-9/9と受講した.なんと,後になって気づいたが,本日は救急の日である(9月9日).それはさておき,感想を忘れないうちに書いておきたいと思う.
BLSとACLSの違いは”身体で覚える”割合かなと思った.先週のBLSでは,ほとんど頭は使わなかった.判断を要求される場面が少ない.ひたすら有効なCRPとAEDである.心電図も読む必要はなくAEDにお任せ.こちらは,前回も書いたがビリーのブートキャンプのノリで押していけば,受講生はついてくると思う.しばらくは...ある意味,やりやすい.
年齢を超えて,職種を超えて同じノリで大丈夫だと思う.
しかし,本日のACLSはちょっと頭も使う.decision makingの場面でも,時折,悩ましいことがある.院内のチームのリーダーであるので,多くの人に遅滞なく指示を出さなければならない.G2005でのおきまりの手順に従う必要があるので,G2005を覚えたての管理人にとっては,考えながらの指示だしになる.ちょっとぎこちない.これらの,アルゴリズムを完璧に何も考えなくても反射的にできるようになるには,すこし実務が必要だと感じた.機会があれば,何回かコースを見てみたい.
もう一つ,ACLSとBLSで参考になったのは,他人のチームリーダーぶりを見ながら何回も繰り返し勉強できるという点である.これで,けっこうイメージトレーニングができる.自分がリーダーをやっているときには気づかないことを,冷静に見ることができるので,自分の番では注意して行うことができる.繰り返し学習することの大切さが,1回のコースを受講しただけで身にしみてわかった.
そして,受講生もけっこーハードだがインストラクターはもっとハードだということもよくわかった.大変ありがとうございました.
さて,これだけでは読者が満足しないので,管理人がコース中に考えていたことを少し書きたいと思う.胸骨圧迫に使う筋肉(や関節)はどこかということである.ご存じのように胸骨圧迫(心マとはいわない)は100回/分のペースで行うのであるが,もうひとつ,押したら完全に戻さなければ次を押してはいけないのである.押すときは体重がかかっているので,きんにくはそれほど使わないが,戻すときが問題である.遅滞なくリズミカルに100回/分のペースで有効な胸骨圧迫を行うには戻すときに,筋力をつかうのである.リズミカルに行うには押した後に,戻すことが常に頭になければならないのである.これは,まさにスポーツのように使用すべき筋肉,鍛えるべき筋肉を論ずるべきであろう.かりに,うまく胸骨圧迫ができるようになった疲れにくいプロバイダーを.心マスター(心マ・マスター)とよび,要領よく心マを指導できるインストラクターを心マニア(心マ・マニア)とでも呼んだらおもしろいかもしれない.さて本題に戻ろう.胸骨圧迫の時に使う筋肉であるが,押すときはどこから曲げると楽かといえば股関節である,背骨,とくに腰椎を曲げるイメージを持つと腰を痛めてしまう.戻すときは,腕が肩胛骨からついていると認識すると,肩胛骨を動かして引き上げればよい.いかがであろうか.これが管理人が2週に渡って考えていた心マスターへの道である.

2007年9月 8日

第4回広島麻酔エキスパートセミナー

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昨日,レミレンタニルの症例検討会という目的で第4回広島麻酔エキスパートセミナーが開催された.広島地区の麻酔科医65名が集まって大盛況だった.広島地区は全国でもレミフェンタが多く出ている地区なのだそうだ.そのなかで,ちょっと考えさせられる演題があった.レミフェンタの導入で術中の麻酔薬剤の消費量とコストはどうなったか?というもの.使い始めの調査なのでレミフェンタノ使用量が多いのは否めないが,平均の投与速度は0.2-0.25μg/kg/min,セボフルレンの併用症例ではコストは若干下がっているがセボフルレン自体のコストは低下せず.しかし,全体の使用比率は半分になっている.鎮静剤にプロポフォールの症例が増加傾向.症例内でのプロポフォールのコストは若干低下.フェンタニルは術後PCAで使用しているためそれほど,コスト的には下がっていない.レミフェンタノ分だけがコストとして上乗せになっているという感じである.
この中で,昨日につづきセボフルレンの件であるが,症例自体の濃度は少し下がっている.全体の使用量が下がっている要因は,セボフルレンの症例が減っていることによるものである.
これは仕方ない.以前はフェンタとプロポフォールを上手に使うことができなくてTIVAをあきらめていた麻酔科医が,レミフェンタ+プロポフォールでTIVAを始めたのが原因ではないかと思う.
セボフルレンの使用量は平均すると症例内では減っていないと書いたが,おそらくセボフルレンの症例は,てんかんの手術などでセボフルレンの濃度を高濃度で維持する症例が含まれていて,その影響が出ていると思う.要するに,通常のセボフルレン+レミフェンタの症例ではセボフルレンの維持濃度は大きく下がっているとも考えられる.というのが管理人のその演題に対する考察である.
レミフェンタの使用に関しては,もう少しなれた段階の調査では,もう少し低い維持で行っているのではなかろうか.ということで,この調査年次的な経緯を見るとおもしろいと思った.各施設で行うべき調査であると感じた.薬剤使用量と使用薬剤の調査は,自動麻酔記録の導入されているところでは簡単なので,もう少し詳細なデータが出るものと思う.全国レベルでの続報を期待したい.これはもしかすると,日本麻酔科学会がまとめるべき調査なのではないだろうか.

2007年8月23日

第2回広島麻酔エキスパートセミナー

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2008/8/17(金)に行われた第2回広島麻酔エキスパートセミナー「静脈麻酔/TCIシミュレーションソフトウェアを活用する」は,PK/PDから静脈麻酔薬の特性の話まで含んだ,これまでの麻酔科のどの講演でも聴いたことのないオリジナリティーの高い話だった.管理人は,非常に満足であったが,後期研修医の先生には少し難しかったかも知れない.あの内容なら全国ブロードバンドで流しても恥ずかしくないと感じた.今後も質の高いセミナーを維持していきたい.講師の先生方,よろしくお願いします.

2007年7月14日

2007年第1回麻酔科後期研修説明会

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現在,九州で猛威をふるっている2007年台風4号記事がWikipediaにはすでに書かれている.UpToDateとはこのことである.すごいぞWikipedia.
この台風のおかげで,本日,予定されていた湯酒屋「玉の井」はキャンセルされ,麻酔科後期研修説明会はこじんまり広島大学麻酔蘇生学図書室で行うことになったしまった.トホホ.
是非,第2回を計画してもらいたいと思います.なんとしても「玉の井」に行きたい管理人であります.

2007年7月11日

中途採用も可能

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広島大学関連病院麻酔科後期研修係では,現在は別のところで,あるいは別の診療科で後期研修をしているのだが,やっぱり広島で麻酔科後期研修をしたいという方々にも対応しています.随時,見学や訪問を受け付けておりますので,お気軽に,広島大学関連病院麻酔科後期研修係にお問い合わせ(ここからメールが送れます)ください.

2007年7月10日

後期研修医説明会の麻酔科プロモーションビデオ

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広島大学病院平成20年度後期研修プログラム説明会が,2007年7月14日(土)17:00?20:00(予定)に広島大学病院大会議室 (医科外来棟3階)で開催される.そこで,各科がプレゼンテーションをするのだが,そこで流すための麻酔科のプロモーションビデオを作成している.麻酔科のプロモーションビデオはちょっとかっこいい(自画自賛).かなり目立つ.初期研修医の皆さんは,現地で確かめてほしい.6分に紹介内容を凝縮した.
それで言い表せないことは,先に紹介した足湯のある湯酒屋「玉の井」で語ります.お気軽にお越しください.もちろん初期研修医は無料です.

2007年3月15日

初期研修におけるTEE

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以前,初期研修医にTEEのどの画面でどんなことが判るのですかと聞かれた.簡単に説明したが,何か書物が欲しいという.本気で勉強する気になれば,TEEの教科書を薦めるが,そこまでの時間はないという.
困った.
An Anesthesiologist's Dayのブログを勧めたが,その時点ではぴったりした記事はなかったという.本日,その質問の答えとなる記事がUPされた.ここを参照して欲しい.
また,CABGだけに限っていえば”冠動脈バイパス術のTEEをいかに速く正しく記録するか ? ?ひとりTEEと麻酔科医?”日本臨床麻酔学会雑誌 25(7):616-625,2005.が決定版であるのでぜひ入手(PDF)してよんでおいてほしい.しかし,超凄腕の麻酔科医でなければ,麻酔をかけながら一人でTEEはできないので,そのつもりで.
麻酔科研修チェックノートの改訂第2版には, ASE/SCA のガイドライン(Anesth Analg 89: 874, 1999)の主要20断面を載せておいたので,4月以降に研修する諸君は,参考にして欲しい.いずれにしろ,初期研修医の段階では自分でTEEを操作する機会はないが,見学する機会があり,その場で指導医の説明を理解できれば良いだろう.積極的に質問して欲しい.

2006年11月 4日

なんちゃってキセる麻酔

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なんちゃってTCI”よりもっとすごいのがある.”なんちゃってキセる麻酔”である.管理人の行っている”キセる麻酔”はセボフルラン+フェンタニルのフェーズとプロポフォール+フェンタニルのフェーズが同時に存在することはない.つまり鎮静剤をプロポフォール→セボフルラン→プロポフォールと切り替える.これを”キセる麻酔”という.最初と最後がプロポフォールで真ん中がセボフルランであることから,たばこの道具である煙管(キセル)になぞらえたものである.これを,いつの間にか誤解して(拡大解釈して),なんだかんだと理由を付けて,常にプロポフォール+セボフルラン+フェンタニルで麻酔をしている人たちがいる.これは”なんちゃってキセる”である.断じて”キセる麻酔”ではない.この”まぜまぜ状態”を”キセる麻酔”とは呼んでほしくない.”キセる麻酔”命名者としては拒否である.”なんちゃってキセる麻酔”は,許し難い.”キセる麻酔”と呼ぶのなら,(鎮静剤は)どちらかにしてくれ.

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2006年9月22日

気管挿管時の枕

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挿管時の枕について,日々の雑感さんが書かれていますが,枕は大切だと思います.高くて大きい枕はオトガイ部と甲状軟骨間の距離が短くなり気道が閉塞するだけではなく開口も困難です.また,肩に枕を入れるような場合には,頭部を後屈して開口するしか方法はありません.これがひどいと喉頭展開したときに下手をすると頭部が空中に持ち上がってしまいます.基本的にはスニッフィングになりやすいようにすればよいわけで,当院の手術室ではゼリー状の円座を使っています.この円座(fig1/2/3)は頭部のどこに置くかでしっくりくる位置に調節できます.
気管挿管を教えるときに,枕の大きさや位置などを考えずに頭部を適当においている(そのようなことには全く言及しない)指導者がいるのには驚かされます.枕なしでもかまわないとは思いますが,ない場合にも,頭部の位置については言及する必要はあると思います.

2006年8月31日

「予習しなさい」「勉強しなさい」はダメ指導医

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臨床研修医が質問をすると「勉強しなさい」と答える指導医がいるらしい。わからないから質問をしているのに、「勉強しなさい」はないだろう。勉強の仕方を教える。どんなものを調べればよいのか、何というキーワードで調べたらよいのかなど、何らかの目標設定をしてあげるべきだと思う。これと同様で、「予習してきなさい」や手技に関して「イメージトレーニングしてきなさい」も論外である。きちんとその方法を教えた後で言うべき言葉だと思う。何を予習するのか、何を勉強するのか、どんなイメージを持ったらいいのか?指針を与えて初めて指導といえるのではないだろうか。

2006年7月21日

麻酔科研修で得るもの

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麻酔科初期研修で得られるものはなんだろうか。気管挿管手技、静脈ライン確保と答えるようでは、得るべきものの1割にも満たない。あくまでも、それは技術に過ぎない。一番見て欲しいのは「ものの考え方」である。「ものの見方」である。どのように問題点を捉え,どのように解決するかということである.診断をする,治療をするといった静的なものの見方ではなく,その時々の状態に対応できる動的なものの見方である.大物の先生ほど目の前のこと(一手先)だけでなく,何手も先を読んで行動する.ここを見て欲しい.

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