2006年7月21日

麻酔科研修で得るもの

麻酔科初期研修で得られるものはなんだろうか。気管挿管手技、静脈ライン確保と答えるようでは、得るべきものの1割にも満たない。あくまでも、それは技術に過ぎない。一番見て欲しいのは「ものの考え方」である。「ものの見方」である。どのように問題点を捉え,どのように解決するかということである.診断をする,治療をするといった静的なものの見方ではなく,その時々の状態に対応できる動的なものの見方である.大物の先生ほど目の前のこと(一手先)だけでなく,何手も先を読んで行動する.ここを見て欲しい.

ちょっと抽象的に書いてしまったようなので、補足しておきたい。静的なものの見方とは時間的な要素を無視した見方である。病態が刻々変化しているのに気づかず、3時間前の所見で物を言うのは論外。病態を捉えることができるというのが、麻酔科医の特技である。何手も先を読むというのも、静的な物の見方ではできないことである。