2006年12月13日

MACを捨てる(1)

MACといえば、Macintosh(コンピュータ喉頭鏡)もあれば、McDonald's(大阪ではマックではなくマクド)もあります.しかし,捨てるのはこれらのモノではありません.捨てるのは概念です.MAC(minimum alveolar concentration)のことです.MACはそもそも吸入麻酔薬の力価を比較(表現)するために使われたものです.いまのバランス麻酔のように吸入麻酔薬を鎮静薬として使用する場合の指標ではありません.MACの定義ですが,「皮切時に50%のヒトが動かない吸入麻酔薬の濃度」です.動くか動かないかは,痛いか痛くないかということではなく,動けるか動けないかにかかっています.少なくとも脳に対する作用のみを表現したものではなく,脊髄の機能抑制を見ている可能性があります.すなわち,(脳を作用点とする)鎮静薬としての吸入麻酔薬を比較する場合にはMACで表現するのは不適切といわざるをえません.皮切で動くか動かないかということだけでは,鎮静作用をキチンと評価できるとは思えません.また,動かないから鎮痛作用があると考えている方がいますが,これは間違いです.バランス麻酔を考えるには,まずMACという概念を考え直す必要があります.(つづく)