第4回広島麻酔エキスパートセミナー
昨日,レミレンタニルの症例検討会という目的で第4回広島麻酔エキスパートセミナーが開催された.広島地区の麻酔科医65名が集まって大盛況だった.広島地区は全国でもレミフェンタが多く出ている地区なのだそうだ.そのなかで,ちょっと考えさせられる演題があった.レミフェンタの導入で術中の麻酔薬剤の消費量とコストはどうなったか?というもの.使い始めの調査なのでレミフェンタノ使用量が多いのは否めないが,平均の投与速度は0.2-0.25μg/kg/min,セボフルレンの併用症例ではコストは若干下がっているがセボフルレン自体のコストは低下せず.しかし,全体の使用比率は半分になっている.鎮静剤にプロポフォールの症例が増加傾向.症例内でのプロポフォールのコストは若干低下.フェンタニルは術後PCAで使用しているためそれほど,コスト的には下がっていない.レミフェンタノ分だけがコストとして上乗せになっているという感じである.
この中で,昨日につづきセボフルレンの件であるが,症例自体の濃度は少し下がっている.全体の使用量が下がっている要因は,セボフルレンの症例が減っていることによるものである.
これは仕方ない.以前はフェンタとプロポフォールを上手に使うことができなくてTIVAをあきらめていた麻酔科医が,レミフェンタ+プロポフォールでTIVAを始めたのが原因ではないかと思う.
セボフルレンの使用量は平均すると症例内では減っていないと書いたが,おそらくセボフルレンの症例は,てんかんの手術などでセボフルレンの濃度を高濃度で維持する症例が含まれていて,その影響が出ていると思う.要するに,通常のセボフルレン+レミフェンタの症例ではセボフルレンの維持濃度は大きく下がっているとも考えられる.というのが管理人のその演題に対する考察である.
レミフェンタの使用に関しては,もう少しなれた段階の調査では,もう少し低い維持で行っているのではなかろうか.ということで,この調査年次的な経緯を見るとおもしろいと思った.各施設で行うべき調査であると感じた.薬剤使用量と使用薬剤の調査は,自動麻酔記録の導入されているところでは簡単なので,もう少し詳細なデータが出るものと思う.全国レベルでの続報を期待したい.これはもしかすると,日本麻酔科学会がまとめるべき調査なのではないだろうか.