2008年4月30日

系統講義への挑戦

昨年から,勤務先が大学になった関係上,医学部の学生に系統講義をする機会が増えている.単元ごとの内容で、何も知識のない学生のモチベーションを講義の最後まで維持させておくことは至難の業である。このことは、AP通信でも「自省」で痛切に語られている。以前は、講義の途中にミニテストを挟んだりすることで何とかしようと考えていたが、これは姑息な手段であると思うようになった。最近は、それだけでなく講義のはじめに少し、今回の講義が何に役立つかを話すようにしている。また、できるだけ講義中に覚える、理解するようにするために、何度も似たような図解を使用する。また、動きのあるものを必ず入れることにしている。文字だけ羅列したスライドは、まとめ用として使用するが、それだけでなく図解で内容を理解しやすくする工夫をしているつもりである。また、動画やFLASHなどを使って動きのあるスライドを入れている。学生の系統講義がもっとも難しいと思う。医師や看護師相手の場合は、聞きたい人が集まっているため、聴衆が熱心で、文字のみのスライドが中心だとしても話で何とかなることがある。また、スライドが少しぐらい綺麗でもだめなのである。これが、医学部の学生の系統講義では通用しないのだ。

学生の場合、受け身であることが多く、今日は何を教えてくるのか?といったテレビでも観ている感覚であると思ってよい。この状態に答えるためには、今はやりのテレビの健康番組ぐらいの、はったりも必要であるし、引きつけるものがないとどうしようもない。今年は、すでに2回の系統講義をこなしたが、動きのあるものを入れるときちんとこちらを向いて話を聞いている気がする。目が輝いているのだ。
学生の系統講義と、侮る事なかれ。今の学生の満足できる講義ができれば、一人前の教員であるといってよいと思う。これは、当面の管理人のテーマであると感じている。