2008年9月26日

エコーガイド下中心静脈穿刺

少し前に、麻酔ディスカッションリストで問題になっていたエコーガイド下中心静脈穿刺である。電脳麻酔ブログでもちょっとディスカッションになっている。管理人の意見は、エコーガイドですれば合併症は少なくなるかもしれないが、やはりこれまで同様のトレーニングが必要であると思う。中心静脈穿刺時の感触を大事にしなければ、見ながらやっても合併症を起こす可能性はある。エコーガード下で特にリアルタイム穿刺になると、両手使いになる上にエコーの特性を知っていなければならない。針が進んでくるのがエコーで必ず見えるわけではなく周りの組織が押しつぶされるのをメルクマールにして針を進める必要がある。さらに、アーチファクトについての理解も必要である。これらを考えると、初心者がすぐにできるというものではなく、十分に中心静脈穿刺ができるようになった人たちが、さらに確率を上げる(合併症の確率を下げる)ために利用するのがよいのではないかと思う。リアルタイム穿刺でなくて、観察だけであれば誰がやっても合併症起こさない(通常は)。いずれにしろ、一人で中心静脈穿刺ができない人がエコーを使ったからと言って中心静脈穿刺ができるようになるものではない。きちんとした指導者の下で学ぶ必要があるのだ。

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ということで、麻酔導入後に初期研修医にさせたいが時間がおしている場合、エコーで一緒に観察して管理人が穿刺するのを見せることにしている。リアルタイム穿刺であることも、プクプクをめがけた穿刺であることもある。