2011年9月 7日

ミズチバ防止策ーいいね!

以前に「ミズチバ、ウスチバ、ユカチバ、ユルチバ、トメチバ、ウソチバ、カラチバ」という記事を書いたことがある。なかでも、最も有名なミズチバはどんなに注意していても、おきる時はおきる。これは、システム的に問題があると考えて、注意しますというだけではなく、何らかの組織としての対応が必要なのだろう。なぜ、ミズチバになるのか?疲れている。経験不足。不注意。それだけだろうか。
管理人は、シールに落とし穴があると考えている。バイアルと別づけになったシールそのものに問題があるのではないか。ということである。なぜミズチバになるか?それは、アルチバを溶かす前にシールを貼り付けてしまうからである。別においてあると先に貼り付けたい衝動に駆られるのである。
注射器と生理食塩水、シール、アルチバ(使用前)があったとすると、注射器に生食を吸う、アルチバシールを貼る、アルチバを溶かすという手順に陥りやすいのである。フェンタニル(第一三共)の場合の手順は、フェンタニルをカットする、注射器に吸う、アンプルに付いているシールをはがして注射器に貼るという手順である。フェンタニルは溶かさないからそうなのだろうかと思う方もいるだろう。しかし、イソゾールもそうなのである。生食を注射器に吸う。イソゾールを生食に溶かす。バイアルに付いているシールをはがして貼るのである。これは、研修医の行動を何も言わず観察した結果である。ということは、アルチバにシールが貼り付けてあればミズチバを防止できる可能性がある。あのシールを別づけにせず、アルチバのバイアルに巻き付けて病院に納品してはどうかということである。それができぬのなら、薬剤部ですべてのアルチバのバイアルに、あのシールを貼り付けて手術室に持ってきたらどうか。しかし、未だかつてそんな状態のアルチバは見たことがない。アルチバが麻薬だから、アルチバの瓶になにか細工をするのは御法度であると思ってしまうかどうかは知らないが、アルチバにシールを貼っておくという発想はない。いろいろな施設に外勤に行くが、これまでにアルチバにシールを貼り付けているのを見たことがない。当然、当院でもそんな状態でアルチバが提供されることはない。

__.JPGそうであったのだが、本日、アルチバのバイアルにシールを巻き付けてあるのを外勤先の病院で見た。聞くと、薬剤部で巻き付けてくれているらしいのである。この状態だと、手順はスムーズで最後にアルチバシールを注射器に貼るのである。これは、Facebookの「いいね!」にあたる。薬剤部で貼りつけてくれるように言ってみるかな。対策としては完全ではないが、すこしでもミズチバ類が減るのではないかと密かに期待している。