2010年4月30日
麻酔看護セミナー2010
'10看護師・コメディカルのための麻酔セミナー が今年も開催される。
根拠が分かる!自信がつく!麻酔管理
麻酔科医と同じ視点で動ける看護師を目指しませんか?
好評により今年で6年目を迎えました。これまでのセミナーは現場で役立つ麻酔知識の習得を目標とし、ビギナーの方から指導的立場の方を対象とした基礎的な内容を中心に行っていました。
今年は更なるステップアップを目指し、重要な基礎知識を含め麻酔科最新トピックスやエビデンスなどを盛り込んだ、手術室中上級者向けの内容となっております。
2010年4月29日
Flashに対するジョブズの考え
Thoughts on Flash という文章がApple.comに発表されている。サインがジョブズになっているので、Flashに対するジョブズの考えということになる。
FlashはWindowsのマウスを使う環境ばかりをみていて、モバイル機器のパワーのない環境のことやタッチインターフェース、そしてオープンなWEBスタンダードのことなどは考えていない(かなり、ピキーッときているご様子)。
モバイル領域の新しいスタンダードとしてHTML5をあげている。
これを読むと、AppleはFlashを採用しないだろう。
先ほど(4/30)みると
TAROSITE.NETにはすでに日本語訳が出ていた(松太郎さんすごいね)。
■Thoughts on Flash(Apple.com)
■Flashだとここまでできる! HTML5とFlashの機能比較(ClockMaker Blog)
■【特集】HTML5について(at Cool Coding)
■Steve JobsのFlashについての見解(TAROSITE.NET)
ひろしま麻酔科研修ネットが中国新聞に紹介されている
ひろしま麻酔科研修ネットワークが,2010/4/29付け中国新聞に紹介されている.
不足する麻酔科医を育てるため、広島、呉、尾道、廿日市各市の計9病院が「ひろしま麻酔科研修ネットワーク」を結成した。複数の病院で経験を積む全国でも珍しいプログラムで、県内外から麻酔医を呼び込む。参加希望者向けの説明会は6、10月に開く。
詳細は以下で...
2010年4月28日
ブリディオンつかってみた
筋弛緩回復剤「ブリディオン」(一般名:スガマデクス)が使用できるようになった。早速,使用してみた。下記の投与目安にしたがって使うと筋弛緩モニターでT2が出現したときには2mg/kgである。
ブリディオンを使用する場合は全例、筋弛緩モニターを行う必要がある(添付文書に明記されている)。
管理人にとっては、筋弛緩薬を使用したときには筋弛緩モニターは当たり前なのだが、いろいろなところで、筋弛緩モニターなしで筋弛緩薬を繰り返し投与している状況を目撃する。
また、これまでのアトワゴリバースの効能書きには、「筋弛緩モニターによる回復又は自発呼吸の発現を確認した後に行うこと」とあるだけで、必ず、筋弛緩モニターを使う必要はない。ブリディオンでは筋弛緩モニターによる筋弛緩の程度を評価することが、投与量の決定に必要で、効能書きにここまで具体的に書かれると、モニターを使わないわけにはいかない。
すなわちブリディオンを投与するということは、筋弛緩モニタリングは必須になるのである。ということは、筋弛緩モニターが売れるということになる。ロクロニウムとスガマデクスと筋弛緩モニターの3つは、同じ会社が売っている?ような気がするが。。。
アトワゴリバースは、考えてみれば拮抗するといっても、あまりに他力本願的である。神経筋接合部のアセチルコリンを分解するアセチルコリンエステラーゼを阻害して、アセチルコリンの分解が起きないようにすることでアセチルコリンを増やすというものである。これは、持続時間に問題があるのと、拮抗できる筋弛緩の程度に限界がある。真の意味での拮抗薬とは言い難い。
ブリディオンは、ロクロニウム分子を包み込む「包接」という様式で、拮抗する。つまり、特異的なのである。しかも、一度、拮抗すると作用は翌日ぐらいまで続くのである。これは、安全のためには必要なことである。作用の継続が短いと、また、筋弛緩作用が発現する。逆に、再度、ロクロニウムを投与しても効果がほとんどないという事態となる。"もろ刃の剣"なのである。
巷では、薬価が高いから使わないとか言っているのをよく耳にするが、必要ならば使用すればよい。保険適応になっている薬ですから。
不要なのに使うのはどうかと思う。なんでもかんでも、ブリディオンというのではなく、必要な症例を見極めて適切に使うのが、真の専門医なのだと思う。
薬価は200mgが9947円、500mgが2万3652円である。少々お高いので、これをきっかけに今後、麻酔薬の薬価についてのムーブメントが麻酔科医に起きるのではないかと思っている。アルチバ、ディプリバン、セボフルラン、笑気など麻酔薬の値段を知っているだけでいけなくて、1症例あたりいくらになるかが計算できますか?
ブリディオンは、"専門医の良識"で使う薬である。その意味では、議論に事欠かない薬になるのではないかと思う。
【ブリディオンの投与量の目安】
ロクロニウム投与直後:16mg/kg
1-2 in PTC:4mg/kg
T2 in TOF :2mg/kg
■ブリディオン添付文書
■シクロデキストリン(先端科学をのぞいてみよう)
■筋弛緩回復剤「ブリディオン静注」を発売 シェリング・プラウ(薬事日報)
キラーアプリケーション改め神アプリ?
最近、「神アプリ」という言葉を耳にするようになった。意味はわからないでもないが、元々は「キラーアプリケーション」という言葉だったはずだ。キラーアプリケーションとは、あるプラットフォーム(ハードウェアあるいはサービスなど)が普及するきっかけとなったアプリケーションソフトウェアのことである(Wikipedia)。
一方,神とは,一般的な意味としては、宗教・伝説などに見られる、人間には持ちえぬ力・知識を持った超常的存在のこと。そこから転じて、人とは思えぬほど凄い人物、すばらしい人物。または、そのように凄いもの、すばらしいものに対して使われる言葉。ネ申とも書く(ニコニコ大百科)。
ニコニコ大百科にも例としては表示されていない神アプリであるが,神ゲーの変化形だと思えば納得できる。神ゲーとは、ゲーム史に残るような超絶に面白いゲームのことである。神アプリといえば,一般のアプリケーションではなくiPhoneのアプリを指すことが多い。
2010年4月26日
iPhone/iPod touch版ステッドマン医学大辞典
とうとう、iPhone/iPod touch版 ステッドマン医学大辞典が発売された。いよいよ本格的にiPhone/iPod touchを活用する時期が来た。これは、キラーアプリだろう。iPhone/iPod touch版というからには、iPadでみると画面は小さいんだろうなと想像するがいかがだろうか。iPadにも対応してくれることを期待したい。
PK/PDことはじめ(1)
薬理学の話かと思えば、研修医にはつまらない(薬理学の先生、すみません)。うまく麻酔をかけることができるようになる手法の話だと興味がわく。吸入麻酔薬を使っていた時代はあまり、PK/PDなど興味がなかった。静脈麻酔薬を使い始めてPK/PDを考えるようになった。
それは、なぜか。
吸入麻酔薬は、何%に気化器のダイアルを設定して人工呼吸を続けていれば、いずれはその濃度付近に落ち着くのである。吸入濃度≒血中濃度である。今では、呼気ガスの麻酔薬濃度もガスモニターで常時測定ができる。
もう10年ほど前になるがインハレーションボーラスなる言葉が流行した。吸入濃度を急激に上昇させて効果部位(それだけではないが。。)の濃度を速く上昇させて、急激な侵襲に備えようとするワザである。しかし、後追いになるか、早めに対処をしたとしても予想した侵襲がなく、無意味に濃度を急上昇させる結果になった(管理人はそうであった。もっとうまくできた先生もいたかもしれない)。結局、吸入麻酔薬を鎮静薬として使用していたのではなく、生体反応を抑える(血圧をコントロールする?)ことに使用していたからに他ならない。現在の様に、鎮静薬として割り切って使用していればインハレーションボーラスなどというワザを多用する必要はなかったと思う。
プロポフォール発売以前の静脈麻酔といえば、基本的にチオバルビツレートで、さます麻酔をしたいのならば、麻酔導入にしか使用できなかった。持続で使用する場合は、さます気がないか、麻酔以外の作用を期待する場合である。チオバルビツレートは、排泄半減期は5−11時間と長い。しかし、(効果器以外への)再分布により覚醒は速やかで、数分程度で覚醒する(分布半減期は3分ぐらい)。それに、呼吸抑制や循環抑制が強くリスクの悪い(よれよれの)患者さんには、使用しにくいため静脈麻酔を使用する機会は限られていた。ケタラールやミダゾラムもあったが、持続で積極的に使用してみようと思うほど、麻酔からの覚醒はよくなかった。やはり、導入に使う薬であるという認識だった。
1995年頃にプロポフォールが導入されると、静脈麻酔薬のくせに覚醒がよく(覚醒の質がよい)、管理人の静脈麻酔薬に対する印象を大きく変えた。たぶん、管理人だけではなく日本全国のプロポフォールファンの麻酔科医がたくさん出現した。
発売当初の頃は、プロポフォールの使い方は10−8−6 mg/kg/hrと導入時にステップダウン(Prys-Robertsの3段階投与法)し、麻酔維持にはその付近で、何となく上げ下げする方法であった。麻酔時間が短いと、覚醒は良いのだが、長時間になると覚醒遅延がおこる症例があった。覚醒遅延を起こすたびに血中濃度を測定するか予測する方法があればいいのにと考えたものだった。しばらくすると、事前に血中濃度をエクセルのワークシートで計算しておいて麻酔に入ればいいのではないかと思うようになった。この方法では、毎回、事前作業が伴うために面倒になった。そうこうしているうちに、pEEGなる脳波計が発売され、これをみながら投与速度を少しずつ下げてみる方法を見いだした。この方法では、血圧や脳波をみながら減量するのだが、ある程度鎮痛がしっかり効いていないと、急激に覚醒してくる。ここで、メインとなる鎮痛薬は、1990年代後半なのでフェンタニルである。というか、フェンタニルしかない。フェンタニルをたくさん入れると覚醒しなくなる神話が、いろいろなところで残っていた頃である(現在も残っているところがあるかもしれないが...)。フェンタニルとプロポフォールの組み合わせの麻酔を、BISモニターなし、TCIポンプなしで行っていた時代である。
どうしても、フェンタニルとプロポフォールの血中濃度が知りたい。反復投与しても持続投与しても大丈夫なお手軽な、術中に使える静脈麻酔薬の血中濃度シミュレータが欲しい。
そんな期待に応えて、当時、国立循環器病センターに勤務されていた内田整先生が開発されたPalmacokineticsが発表され、フリーソフトウェアとして配布された。Palmacokinetics=Palm+Pharmacokineticsの造語でPalmでPharmacokineticsという意味である。Palmとは現在は日本では入手しにくくなったが、SONYが発売していたCLIEという電子手帳が搭載していたOSである。このCLIEも製造中止になりPalmacokineticsが動くPalmが日本にないことから、Palm版は昔からのユーザーしか使用していない。その状況を見てWindowsMobile版を開発中とのことである(ほぼ完成しているらしい)。
2010年4月25日
レミフェンタニル時代
昨日、日本臨床モニター学会で「レミフェンタニル時代の麻酔モニタリング」という講演をさせていただいた。レミフェンタニル時代というのは、管理人が作成した言葉なのであるが、タイトルに書かれているために座長の先生はすでに一般化した言葉であると思われていた。タイトルに堂々と書いておくのも悪くない。
この講演の冒頭で、セボフルランの発売前までを吸入麻酔黄金時代、その後をバランス麻酔時代、プロポフォール発売以降をTIVA時代、レミフェンタニル発売以降をレミフェンタニル時代と定義した。
2010年4月23日
Android搭載電子書籍端末「Alex」
2010年4月22日
Gmailの添付書類に関する新機能
Gmailの添付ファイルで、最近気づいたことが2つある。1つは添付書類をドラッグ&ドロップで添付できるようになったこと。もう一つは、添付書類をつけ忘れて送信しようとしたときに、添付書類がないとアラートを出す機能である。後者は、どうも本文中の「添付」という言葉に反応するようである。「添付書類をつけていますのでよろしおねがいします。」ならよいが、「メーリングリストではHTMLメールや添付書類は禁止となっています。」などの文章でも「添付」に律儀に反応して、とんちんかんなメッセージを出す。ありがたい機能であるので、この辺は許すとするか。
2010年4月20日
2010年4月17日
iPadの発売延期と電子書籍
iPadの日本での発売が5月末に延期された。管理人は少しがっかりだ。4月末にあわせて発表を予定していた電子書籍もがっかりだろう。4月末ではなくてすでに配信を始めている電子書籍がある。そのなかでMacFANとweb版日経新聞を取り上げたい。MacFANはiPhone/iPodTouchのアプリ「マガストア」で購入することが可能である。「マガストア」はそのほかの月刊・週刊誌の購入も可能で紙媒体と同じ記事すべてがiPhoneやiPadで閲覧可能である。それも、すいすいと紙をめくっていく感覚で読み進むことができるのもすばらしい。ちなみに、NHKの語学番組のテキストもマガストアで購入が可能である。
iPhoneとは関係なく、WEB版で4月から配信を始めた日本経済新聞(日経電子版)がある。こちらはPCを使用して読むことを前提としているのだがFlashを一部に使用しているためiPhoneでは、実際の紙面と同じものは見られない。WEB形式であるがすべての記事にアクセス可能である。iPhone以外の携帯電話の方が使い勝手がよいのかもしれない。有料会員でないとすべてはよめない。
2010年4月16日
cyber anesthesiologists
電脳麻酔ブログに、電脳麻酔科医の英訳はcyber anesthesiologistであると発表されている。そういえば、管理人の所属する麻酔科には誰が名付けたかは不明だが、大別すると2種類の麻酔科医がいる。サイバーチームとアナログチームだそうだ。以前にもmsanuki.netで紹介した「サイバーチームとアナログチーム」である。チームとつけるとわかりにくいので、サイバー麻酔科医とアナログ麻酔科医と言い換えるとしっくりくるような気がする。ということは電脳麻酔科医の反対語はアナログ麻酔科医ということになる。
2010年4月15日
AnestAssist PK/PD ver1.5
AnestAssist PK/PD ver1.5が出ている。今回のアップデートでiPadに対応したこと。タップした時間の血中濃度(効果部位濃度)が数値で表示されるようになったこと、投与履歴がグラフ表示でわかるようになったところが、新しい。また、(管理人が以前から注文していた)グラフ表示している薬剤がデフォールトで入力が可能になったところも評価できる。これで、ほぼTIVA Trainerと同程度の機能になった気がする。欲を言えば、あと何分で目標濃度に達するなどといった未来予測の機能があればよいと思う。この機能が難しければ、血中濃度(効果部位濃度)の数値表記の下に、時間が数値表記されていれば手動ではあるが、あと何分で:**mcg/mlになるといったような予測に使用できる。
2010年4月13日
iPhone OS 4
2010年4月 9日
麻酔管理料(II)
すでに、ご存じかと思うが、4月1日から麻酔管理料(II)というのが新設されている。この麻酔管理料(II)の要件が、かなり粋な心づかいであることである。常勤の麻酔標榜医5名以上いる施設で、麻酔医の監督下に医師常勤の麻酔科標榜医の監督下に麻酔前後の診察及び麻酔手技が行われた場合に麻酔管理料(II)が算定できるというものである。これは、安全な麻酔管理を行える病院を規定したと考えることができる。ということは、常勤の麻酔科標榜医を5名以上、病院として雇っているということが安全な麻酔管理の基準であることを意味している。
この、麻酔管理料(II)を算定するにはあらかじめ届け出る必要がある。その施設基準とは、以下の通りである。
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[麻酔管理料(II)施設基準]
(1)麻酔科を標榜している保険医療機関であること。
(2)常勤の麻酔科標榜医が五名以上配置されていること。
(3)麻酔管理を行うにつき十分な体制が整備されていること。
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ちなみに、昨年までの「麻酔管理料」は「麻酔管理料(I)」という名称に改められている。
こちらは、常勤の麻酔科標榜医により麻酔前後の診察及び麻酔手技が行われた場合に算定できる。こちらにも、施設基準があって、あらかじめ届け出が必要である。その施設基準とは、
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[麻酔管理料(I)施設基準]
(1)麻酔科を標榜している保険医療機関であること。
(2)常勤の麻酔科標榜医が配置されていること。
(3)麻酔管理を行うにつき十分な体制が整備されていること。
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当然ではあるが、いずれの施設基準を満たしている場合でも、1人の患者にたいしてどちらかしか算定できない。
※麻酔管理料(II)の場合、常勤の麻酔科標榜医の監督下であっても歯科医師の研修や救命士の研修の場合には算定できないが、医科研修医は医師であるので問題ないということになる。
2010年4月 8日
iPadのスクリーンショット
管理人が密かに入手したiPadのスクリーンショットを公開したい。第7回麻酔科学サマーセミナー in 宮古島のWEBサイトをiPadでみるとこんな感じである。右側が少し余っているので、サイドカラムを追加できそうな感じである。まだ、日本では発売されておらず、予約もできないのにどうしてスクリーンショットが手に入ったか?それは、いずれわかるときが来るのでそれまでは秘密。
2010年4月 7日
おすすめiPhoneApp
さぬちゃんのおすすめPalmWareというのを以前やっていました。そこで、iPhoneAppも紹介すべく、「さぬちゃんのおすすめiPhoneApp」というのをはじめました。時々、追加します。
msanuki.comの読み方
msanuki.comやmsanuki.org、msanuki.netは知っているのだが、読み方がわからない。と、若い先生に言われたました。たしかに、読み方がわからないのでは呼べないわけです。そこで、改めてmsanuki.com 麻酔科医の麻酔科医のための麻酔科医によるWEBサイト(エムサヌキ・ドット・コム)とタイトルを付け加えました。msanuki.orgはエムサヌキ・ドット・オルグ。そして、msanuki.netはエムサヌキ・ドット・ネットです。これで覚えてもらえるかな~。
2010年4月 4日
米国でiPadが発売された
4月3日、米国でiPadが発売された。それに関連して、各情報誌がiPadをレポートしている。
■フォトレポート:「iPad」開封の儀--パッケージの中身を早速チェック(CNET JAPAN)
■フォトレポート:「iPad」内部画像--発売を前にFCCが公開(CNET JAPAN)