系統講義への挑戦
昨年から,勤務先が大学になった関係上,医学部の学生に系統講義をする機会が増えている.単元ごとの内容で、何も知識のない学生のモチベーションを講義の最後まで維持させておくことは至難の業である。このことは、AP通信でも「自省」で痛切に語られている。以前は、講義の途中にミニテストを挟んだりすることで何とかしようと考えていたが、これは姑息な手段であると思うようになった。最近は、それだけでなく講義のはじめに少し、今回の講義が何に役立つかを話すようにしている。また、できるだけ講義中に覚える、理解するようにするために、何度も似たような図解を使用する。また、動きのあるものを必ず入れることにしている。文字だけ羅列したスライドは、まとめ用として使用するが、それだけでなく図解で内容を理解しやすくする工夫をしているつもりである。また、動画やFLASHなどを使って動きのあるスライドを入れている。学生の系統講義がもっとも難しいと思う。医師や看護師相手の場合は、聞きたい人が集まっているため、聴衆が熱心で、文字のみのスライドが中心だとしても話で何とかなることがある。また、スライドが少しぐらい綺麗でもだめなのである。これが、医学部の学生の系統講義では通用しないのだ。